和漢医学概論 歴史・基本思想
東洋医学
西洋医学に対する呼称であり、基本的には中医学と同義
紀元前500年頃の春秋戦国時代には既に存在していたことが考古学研究から明らかになっている
古典
①傷寒論:急性熱性病の病状の変化とこれに対応する治療の法則
②神農本草経:各漢方薬の解説
③黄帝内経:未病などの全人的医療
思想の基盤
①陰陽説
万物を陰と陽の二つの属性で把握する思想
陰と陽は元は一つであり、対立しつつ相互依存しながら移りかえっていくものである
②五行説
森羅万象を5つの要素からなるものととらえる思想
火水木金土からなる
これらは互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する
①とあわせて陰陽五行説とも呼ばれる
陰陽五行説においては陰から水行、陽から火行が生まれこれらの組み合わせで他の要素が生まれる
五行は体にあてはめると
火→心臓
水→腎臓
木→肝臓
金→肺
土→脾臓
③気血水理論
気:生命エネルギー
血:体内を巡り栄養を与える 血液に相当
水:血液以外の体液
の三つが生体の生命活動に必要とする理論
これらは体内を循環しており、バランスが崩れたり循環がうまくいかなくなると病気になると考えられている
日本における東洋医学
5~6世紀に中国から遣隋使・遣唐使により伝来
医心方:日本最古(平安時代)の東洋医学書
宮中医官であった丹波康頼により編纂
後世派:中国の金・元時代の医学をベースとした医学派
医聖と呼ばれた田代三喜、曲直瀬道三らが代表
古方派:江戸時代に成立した、傷寒論をベースとした医学派
名古屋玄医が代表
折衷派:上記二つの長所をいいとこどり
和田東郭が代表
華岡青洲:蘭学を取り入れ、通仙散による全身麻酔を用いて世界初の全身麻酔下乳癌摘出手術を行った
現在は通常の保険診療で漢方は用いられている
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