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臨床診断学 腰痛・関節痛

腰痛・関節痛は症状名であり、疾患名ではないことに注意

問診ポイント

①急性、慢性

急性→骨折、ヘルニア

慢性→退行変性疾患

②安静時痛

あり→感染症、骨転移

朝方疼痛→脊髄腫瘍

なし→椎体骨折、ヘルニア

③症状経過

進行性増悪→骨転移、感染症

④膀胱直腸障害

あり→早期治療要する

⑤間欠性跛行

鑑別診断

①運動器疾患

②腹部内臓疾患:消化器、泌尿器、婦人科

③神経内科疾患:神経変性、脱髄など

④血管性疾患:大動脈瘤など

⑤皮膚科疾患:帯状疱疹

⑥心因性

腰痛の危険信号

発症年齢:20歳以下 55歳以上

時間、活動に関わらない腰痛

胸部痛を併発

癌、ステロイド治療、HIV感染の既往

栄養不良

体重減少

広い神経症状

構築性脊柱変形

発熱

腰痛の原因となる脊椎疾患

先天性疾患

退行変性疾患:椎間板ヘルニア、変形性脊椎症など

脊椎・脊髄疾患

炎症性疾患:化膿性脊椎炎など

代謝性疾患

疾患各論

腰部脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管や椎間孔が狭くなることで神経の絞扼性障害が生じる

絞扼部位により症状が変わる

腰椎変性すべり症

腰椎の一部(第四腰椎が多い)がすべるようにずれる

これにより脊柱管が狭窄する

腰椎分離症

関節突起間に生じる疲労骨折

若年の特にスポーツ選手に多い

骨粗鬆症性椎体骨折

高齢者の急性腰痛の大半はこれ

詳しくは高齢医学へ

化膿性脊椎炎

糖尿病、ステロイド性が多い

炎症により椎間板狭小

脊椎腫瘍

転移性が圧倒的に多い

特に悪性腫瘍からの転移

脊髄腫瘍

痛み、うずき、しびれ、灼熱感など

神経鞘腫が半数:シュワン細胞から発生

特発性側弯症

脊柱が側方へ弯曲

小児~思春期に好発

脊髄係留症候群

ほぼ先天性

脊髄が硬膜に癒着し引っ張られる

知覚障害、痙性歩行、筋委縮など

関節痛の原因疾患

先天性

退行変性疾患

腫瘍性疾患

炎症性疾患

代謝性疾患

疾患各論

肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)

運動痛、夜の痛み

老化による関節周囲の炎症が原因

上腕骨外上顆炎(いわゆるテニス肘)

前腕をひねるときに痛みが生じる

変形性肘関節症

スポーツなどによる過負荷で生じやすい

運動痛、可動域制限

野球肘(いわゆる肘爆弾)

投球による肘への過負荷で生じる

痛み、肘の伸展不良

肘内障

小児が腕を引っ張られて肘の靭帯が外れる

徒手整復で治る

ドケルバン症

指の酷使や女性ホルモンバランスの崩れで起きやすい

指がスムーズに動かなくなる

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