感染症学 総論
到達目標
臓器別の検査法と結果の解釈ができるようになる
①基本的な思考過程の理解
②感染症の原因、および診断に必要な検査の理解
③抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などの特徴と使用法の理解
④感染制御に関する理解
CBTレベルで覚えるべき事項
①感染と定着の違い
定着:微生物が体内に侵入し、排除が追い付かず住み着いている状態
感染:微生物が生体内に定着・増殖し炎症・臓器障害を引き起こす
②炎症の定義
発熱、発赤、腫脹、疼痛 場合により機能障害
③不明熱をきたす疾患
感染・・・結核、感染性心内膜炎、骨髄炎、腹腔内膿瘍
腫瘍・・・悪性リンパ腫、白血病、肝がん、腎がん
膠原病・血管炎・・・成人スティル病、PMR/GPA
他に薬剤性、内分泌疾患、脳血管障害、熱中症など
④感染症の診断と治療効果判定
検査
微生物存在証明・・・染色、培養、遺伝子検査、抗原検査
ホストの反応を証明・・・抗体検査
その他・・・病理検査
治療効果の判定
バイタルサイン(体温、血圧、脈拍、呼吸数)、意識、spo2
臓器特異的なパラメーター
炎症マーカー
これらから微生物的効果(微生物の消滅)、臨床的効果(死亡率低下、入院期間短縮)といった結果を得る
⑤抗微生物薬の効率的投与法
①原因微生物を想定し使用開始
②培養結果を想定し薬を変更
③感染源のコントロール
⑥洗浄、消毒、滅菌の違い
洗浄:対象物の異物(体液、有機物)を除去
消毒:人体に有害な物質を除去または無害化
滅菌:物質中のすべての微生物を殺滅または除去
⑦医療従事者のワクチン
麻疹、風疹、水痘、ムンプス、B型肝炎
⑧周術期の予防抗菌薬の意義
SSI(手術部位感染)の発症率低下に術後の抗菌薬投与が有効である
しかし48時間以上の予防抗菌薬使用は耐性菌による術後感染リスクを引き起こすため、48時間までがガイドラインで定められた投与期間となっている
⑨新型コロナウイルス感染症の感染対策
初発症状・・・発熱、倦怠感、空咳、筋肉痛、呼吸困難
対策・・・石鹸、流水による手洗い
医療現場では消毒用アルコール(エタノール70%以上)で皮膚消毒
次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)で物の表面の消毒
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