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腫瘍学 緩和医療

緩和ケアの定義

生命を脅かす病に関連する問題に直面した患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチ

患者が最期までできる限り能動的に生きられるように支援する体制を提供する

関連語句(おおむね同義のもの多い)

ターミナルケア:人が死に向かっていく過程を理解して医療に加えて人間的対応を行う

ホスピスケア:全人的アプローチの必要性

緩和ケア:ホスピスケアに加え、人の死に向かう過程に焦点をあてて積極的なケアを提供する

支持療法:副作用の軽減、リハビリなどを含む

全人的苦痛(トータルペイン)

患者の苦痛は

身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインといった多面的なものであるとする概念

痛み

侵害受容性疼痛:ふつうの痛み 内臓痛と体性痛

内臓痛・・・消化管の膨張、臓器の伸展などによる痛み 

体性痛・・・体性組織への機械的刺激による痛み

神経障害性疼痛:神経痛や痛みを伝える経路の障害 鎮痛薬が効きにくい

心因性疼痛:うつなどの情動の関与が大きい痛み

がんにおいては

がん自体の痛み:臓器への浸潤、神経の巻き込みなど

がん治療の痛み:手術創傷、放射線など

それ以外の痛み:廃用性の筋肉痛、帯状疱疹、MDRPU(医療関連機器圧迫創傷)

痛みの評価:NRS・・・0(痛みなし)~10(考えられる中で最悪)

                      VAS・・・100mm線の左端(痛みなし)~右端(最悪の痛み)

治療:NSAIDsやアセトアミノフェン→オピオイド、非オピオイド

非オピオイド→炎症に有効

オピオイド→痛み全般に有効

鎮痛薬は経口的、定まった時間間隔で、個別的用量で、細かく配慮して投与する必要がある

依存、耐性への注意のため

第一目標は痛みに妨げられない夜間の睡眠である

WHO推奨薬剤

コデインリン酸、トラマドール

モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、メサドン、タペンタドール

訪問看護

かかりつけ医の訪問看護指示書により

療養環境の確認・助言
健康状態の観察・助言
治療のための看護
生活のお世話(家事除く
精神心理的看護
リハビリ
家族の相談や技術指導
介護サービスの使い方や連携の相談
看取り

といった活動を行う

緩和ケアチーム

多職種連携による緩和ケアを担う

医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士など

「悪い知らせ」の伝え方

悪い知らせとは、「患者の将来の見通しを根底から否定的に変えてしまう知らせ」と定義されている

SPIKES:悪い知らせの段階的伝え方

Setting:話す場の設定

プライバシーの保たれる静かな場所
タイミングも考慮する

Perception:病状認識

患者の現状認識を知る(実状とギャップがあると衝撃が大きい)

Invitation:患者からの招待

患者がどの程度の情報を知りたがっているのか確認
患者には知りたくない権利もある

Knowledge:情報共有

わかりやすく伝える
少しずつ伝えて理解しているか確認する

Emotion:感情への対応

共感・思いやりを込めて対応する

Strategy:今後の計画

参考)ACP(Advanced Care Planning):将来の意思決定・伝達能力の喪失に備え予めどのようなケアをどこで受けたいかを明確にしておくプロセス



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