整形外科学　上肢の外傷

小児上腕骨顆上骨折

小児で最頻発

滑り台、ブランコなどからの転落・転倒時に肘関節を伸展して生じる進展型が98%

症状：肘関節疼痛、肘関節運動不能、圧痛

治療：保存医療・・・ギブス固定
　　　徒手整復・・・何度も繰り返すと血行循環障害の可能性
　　　手術
　　　牽引療法
　　　経皮的鋼線固定

合併症：フォルクマン拘縮・・・血行障害による神経麻痺、機能廃絶（回内拘縮など）
　　　　　　　　　　　　　　　迅速に筋膜切開で内圧下げる
　　　　内反肘

上腕骨外側顆骨折

手を伸展して倒れると肘に外反方向の力がかかり生じる関節内骨折
男児に多い

症状：肘関節腫脹、強い疼痛、外側の圧痛
　　　大型の骨片が触知できる

治療：徒手整復は困難で、手術必要

合併症：偽関節
　　　　外反肘
　　　　外反強いと遅発性尺骨神経麻痺

尺骨骨幹部骨折

外力（打撃を防ぐ、転落や転倒など）による骨折

直達外力→横骨折、粉砕骨折
介達外力→橈骨骨頭脱臼を伴う

症状：軽度の疼痛、変形
　　　橈骨骨頭脱臼

橈骨遠位部骨折

若年では交通外傷やスポーツ
中高年では骨粗鬆症を基盤とする骨折

形態が多彩
Colles骨折
Smith骨折
Barton骨折：橈骨遠位部の関節内骨折　整復が困難
など

症状：関節腫脹、橈骨遠位部圧痛・変形

治療：まず徒手整復と外固定　その後手術

上腕骨骨幹部骨折

投球や腕相撲などで生じやすい
橈骨神経麻痺を合併しやすい

治療：原則保存治療

鎖骨骨折

中央1/3での骨折が80%

症状：局所変形、疼痛、異常可動
　　　まれに腕神経叢損傷

治療：原則保存治療・・・鎖骨バンドなど

肩鎖関節脱臼

ラグビー、柔道などで肩に強い外力を受けると生じる

捻挫→亜脱臼→脱臼　の順に重症化

症状：関節部圧痛

治療：ケニーハワード装具など

外傷性肩関節脱臼

同じくスポーツなどの接触プレー

90%以上が前方脱臼

治療：徒手整復・・・ヒポクラテス法、コッヘル法

上腕骨近位部骨折

高齢者の転倒で多い

症状：自発痛、運動時痛、上肢挙上困難、腋窩神経麻痺

治療：運動療法

上腕骨遠位部骨折

肘関節部直達外力による関節内骨折

症状：激しい腫脹、疼痛、機能障害

治療：整復
　　　固定
　　　可動域訓練

肘頭骨折

上腕三頭筋への強力な牽引で生じる関節内骨折

治療：骨片が転位しやすいので手術

舟状骨骨折

手関節の過背屈で生じる

症状：嗅ぎたばこ窩腫脹、圧痛　偽関節形成

その他

橈骨近位端骨折

外傷性肘関節脱臼

橈骨・尺骨骨幹部骨折

橈骨骨幹部骨折

有鈎骨骨折

Bennett骨折

中手骨骨幹部骨折：回旋変形あれば整復