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腫瘍学 腫瘍と免疫

腫瘍関連抗原(TAA)

ヒト免疫が認識できる腫瘍の抗原性のこと

特に腫瘍細胞特異的な抗原性を腫瘍特異抗原(TSA)と呼ぶ

こうした特異抗原はがんの腫瘍マーカーなどになる

免疫による腫瘍の破壊

①細胞障害性T細胞による破壊(細胞性免疫)

TAAを持つ腫瘍は、活性化した細胞障害性T細胞により破壊される

この反応はマクロファージや樹状細胞による抗原提示、サイトカイン放出が必要

②抗体による破壊(体液性免疫)

③TAAを介さない腫瘍細胞破壊

NK細胞は直接攻撃してくれる

特にMHCクラスⅠの発現の弱い細胞を攻撃する

腫瘍への免疫抑制

以下の要因により腫瘍は免疫による攻撃を回避することができる

①腫瘍細胞によるリンパ球の機能抑制:リンパ球のPD-1受容体に結合 など

②腫瘍細胞からの免疫抑制因子の放出:TGFβによるCD4の抑制

③腫瘍細胞の免疫抑制T細胞の誘導

④TAA、TSAの発現の強い細胞が優先的に排除される結果、発現の弱い細胞が免疫を免れる

⑤TAAは抗体と反応すると細胞内に取り込まれるので発現レベルが下がる

免疫療法

①BRM投与:ワクチン、BCG、インターロイキンなどによる免疫系の活性化

②細胞成分、抗体の投与:細胞障害性T細胞や樹状細胞を投与する

③腫瘍ワクチン:腫瘍抗原を精製、濃縮し投与して免疫系を活性化

抗原タンパクをコードするDNAワクチンというものもある

④免疫チェックポイント阻害療法:PD-1などのチェックポイント分子と腫瘍細胞のリガンドの結合を阻害することで、腫瘍細胞が免疫を回避できなくする

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