20171019名古屋講演会_190125_0006

もう一生、人前で講演なんかできないと思っていた。

うつ病になり、仕事を休み始めてすぐの頃は、もう一生人前での講演なんてできないと本気で思っていた。



学生時代から僕は、海外での支援活動だけではなく、日本での講演活動にも取り組んでいた。2017年5月にNGOを起業してからは一層力を入れ、自分がアフリカの現場で何を見てきたのか、そこで何を感じたのか、これからどうしていくのか、そんなことを何千人もの前で話してきた。



ぶっちゃけ、大層なことを言っていたこともある。


「不条理の無い世界を創りたい」
「今行動を起こせる人間になりたい」
「人生をかけてこの活動に取り組みたい」


講演の手応えはかなりあったし、参加者からも「感動した」と何度も声をかけてもらった。




でも、僕は病気になってしまった。



久しぶりにスケジュール帳を見たら、病気をする5月末まではほぼ毎週どこかで登壇していたが、その後の6月以降は、一件も、本当に一件も予定が入っていなかった。




「大学生が就活もせず、アフリカ支援のNGOを起業し、海外で挑戦している」これまでの講演は、そんな立場から話させてもらうことが多かった。


だからこそ、うつ病になってすぐの頃は


「僕は起業してたった一年で倒れた人間だ」
「講演なんかしたって、もう説得力の欠片もないだろうな」


そう、自分で自分を責める日が続いていた。




あれから8ヶ月が経ち、先日、僕は久しぶりに人前に立った。明治学院大学の授業の中で、たった20分だけではあったが、講演する機会をもらうことができたのだ。



アフリカでの元少女兵との出会い。学生時代に携わった難民支援。卒業後に患った適応障害…。


時間が十分とれなかったことも原因だろうが、正直、全然うまく話せなかった。何度も噛んでしまったし、聴衆の心を響かせることができたかと問われたら、自信をもってYESとは決して言えない。



それでもこの8カ月間を振り返ったら、自分にとっては大きな進歩だと思う。短い時間とは言えども、もう一度人前に立ち、自分の活動について話すことができた。


病気前に比べたら自信も失ってしまったけれど、自分で自分に合格点を付けてあげたい。



これからフリーランス国際協力師としての活動実績を積み重ねていけば、講演のネタも増えるだろうし、いつの日か病気の体験談だけで一時間くらい話せるようになるかもしれない。今はそれくらいポジティブに考えるようにしている。



嬉しいことに、明治学院大学で話した次の日の朝、ブログの問い合わせフォームから新たに講演依頼が一件入った。約100人の学生の前で、ゲストスピーカーとして話してほしいとの依頼だった。


嬉しかった。今年からフリーランスになることを決め、慣れない働き方に戸惑うこともあるが、そんな自分にも「話を聞きたい」と依頼してくれる人がいる。そのことが、本当に嬉しかった。




講演会では、アフリカでの原体験である元少女兵との出会いや起業したNGOでの活動、新卒で国際協力を仕事にすること、そして闘病経験から再考した「働き方」などを話す予定だ。


少しずつではあるが、内容もアップデートしていきたい。フリーランス国際協力師としての原貫太を、みんなに見てほしいから。


そもそもフリーランスと国際協力師の2つは相容れない概念だし、まだまだ模索段階だから、自分でもこの肩書きがよく分かっていない。


でも、仕事としての国際協力といえば、これまで国連やJICA、NGOしか選択肢がなかったわけで、「個人でも国際協力をやれるんだよ」ということを若い人たちに示せたら嬉しい。



つい先日、ブログのお問い合わせページをガッツリ編集してみた。今後の日本滞在スケジュールだけではなく、講演依頼に関しても詳しく載せた。


フリーランス国際協力師・原貫太の講演会を開催してくださる心優しい方々、ぜひ目を通してみてください。そして、もう一度僕に話すチャンスをください。


2月17日には個人主催のイベントも行います。フリージャーナリスト下村靖樹さんとの対談です。

まだ4人しか申し込みが入っていません。元々少人数制のイベントを予定していましたが、せっかくなのでもう少しくらい来てほしい。興味ある人はぜひお越しください。お待ちしています。


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