取締役会で何を発言するか その3
取締役会での発言内容について考えるシリーズ3回目です。
過去記事
経産省からケーススタディでました
先月末、経済産業省から、「社外取締役向けケーススタディ~想定される 場面 と対応~」が公表されました。
ケース1から12まで、報酬決定から事業計画、M&Aの議案があったとき、どういったことを注意して発言すればよいか、まとめられていて、大変参考になります。
形式はPDFファイルで、全部で121ページの大作なので、前から読むのは厳しそう・・・・該当するケースがあるときに読むのがよさそうです。
その他経産省の推薦図書の一つがこちら、社外取締役の実像です。kindleで買っておくのもよいかもしれません。
議論は活発だが、実効性はない、という意見も
以上、取締役会で頑張って発言しようと検討してきましたが、つい最近の東洋経済のサイトで、取締役会での議論は活発になったところで実効性はないので意見言うのやめました、という記事が話題になっておりました。
「月1度の取締役会で社外取締役が発する一般論や思いつきの発言を本気でありがたがっている経営者がいるとしたら、経営者失格でしょう。」
との記載もありました。
まあ、そういう側面もあるのかもしれません。
黙って座ってぴたっとあたる神通力をお持ちの方以外が、月2時間の取締役会に出るだけの情報収集しかせずに発言したら、そうなると思います。開発部門へのヒアリングをされてからご意見をおっしゃってもよかったのかもしれませんが、そこまでおおごとになるとは想定せずに他社事例を出されたのでしょう。
会社側も、「うるさいだまれ」的にいきなり50ページの大作レポートを出す前に、そこに何らかのコミュニケーションはなかったのかなと思ったりします。
両者だけで最適解をはかると、会社は余計なことを言ってほしくない、役員側は善管注意義務など最低限の義務を果たせばよいとなると努力するインセンティブははたらきませんね。せっかく会社のためにとおもってご発言されているのに。
本来は機関投資家ヒアリングなどあって、もうちょっと実効性高めないと、というプレッシャーがかかるのかもしれませんが、そこまでカバーしていなければ是正の機会もなく、なんかお互い時間も費用ももったいない話になってしまいます。
こういうの、こちらからは取締役会以外の重要会議に参加させてくださいとお願いするとか、重要部門に往査するなど考えうることはやるにしても、「そもそもコーポレートガバナンスとは」とか「社外役員を有効活用すべきです」などといって体質が変わるものでもなさそうなので、そういうお考えの会社にはなるべく就任しないことくらいしかできることがなさそうです。
まあそうすれば、毎月2時間バイト感覚の方のところに就任のお話が行くだけかもしれませんけど。残念な話です。
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