本を読む 図書館編
子供の頃から、本が好きだった。
本ばかり読んでいて、どれもこれも買ってはもらえないので、図書館にも通っていた。
地元の図書館は中規模くらいで、自転車で陸橋を越えるのが大変だったけど、静かで整然としていて好きだった。
読みたい本が増えるにつれていろんな棚に行くようになって、図書館を攻略していく感じも気持ちよかった。
子供立ち入り禁止の看板の先に、大人専用の自習スペースがあるのを見つけたり。
好きなジャンルの棚を制覇しようとして、端から順番に借りてみたり。
足音のたたない絨毯の床、肌馴染みの良い木製の棚と椅子。
本を守るために直射日光が差さない明るさの室内。
衣擦れと紙を触る音、たまに咳払い。
言葉の世界に触れるとき、図書館という空間は本当に最適だなと思う。
アメリカの大学図書館も、日本のそれと変わりなくて安心したのを憶えている(たぶん、日本が欧米諸国を真似たのだろうけど)。
本格的に読むようになったのは、「ハリー・ポッターと賢者の石」から。
今はめっきり読む頻度が減ってしまったけど、視界に活字があると目で追ってしまうのは変わらない。
食品の成分表示、車内広告、新聞記事……私たちの周りには活字が溢れている。
自分の人生を振り返ると、言葉は私を救ってくれたし、前に進ませてくれたし、思い留まらせてくれた。
そんな言葉たちを忘れたくなくて、昔から好きな言葉はノートに書き溜めている。
自分用の名言ノート。
本はもちろん、漫画や実在の人物の名言集からも。
読み返すといつでも面白い。覚えている文言もあれば、当然、すっかり忘れているものまで。
それでも読み返せば、出会った作品、出会った瞬間の空気感や感情がぶわっと溢れ出してきて、素敵な気持ちになる。
もちろん、思い出して落ち込むようなものもあるけれど。そんなすべてを含めて、瓶に閉じ込めた香りのように、思い出して慈しむことができる。
そんなことを考えて、記録することの貴重さに気づくことn回目。
しばらくつけていなかった、自分用の「読書記録」をつけはじめた。
最初につけはじめたのは、小学生の頃。
最初は、自分にとって本当に大切な作品だけを、お気に入りのノートにメモしていた。
作品名、作者名、出版社。
だけど今回からは、覚えている限り読んだすべての作品を書き残すことにした。
あまり好きになれなかった作品、最後まで読むのに苦戦した作品、共感できなかった新書も。
最近になって、そんな作品の名前を思い出せないことが増えたから。その作品を読んでいた頃の記憶ごと思い出せるから、できるかぎりすべての作品を記録したいと思った。
今度は、厚めで書きやすいノートに変えた。
小学生の私が好きだったのは、苺の写真がナチュラルな雰囲気に加工された表紙の、薄いリングノート。
20代の私が選んだのは、無印良品の糸綴じのノート。
黒い表紙と背表紙、そして重厚感がお気に入りだ。
20年後の私は、またノートを変えたくなっているだろうか。
それとも、既にこのノートが埋まってしまって次のノートを選んでいるだろうか。
ちょっとわくわくする。
しばらくは、昔出会った作品をぽつりぽつりと、思い出す順番に書いていくと思う。
それと同時に、買い溜めて積読になっている本も消化していきたい。
前職では、本を読む人が見つからなくて、本の話があまりできなかった。
次の職場は、本を読む人が見つかるといいな。
皆さんのおすすめの物語があったら、教えてほしいです。
私が今日思い出したのは、「龍使いのキアス」。
別世界に旅立てるお話です、ぜひ。
サポートを検討してくださることが、既に嬉しいです。サポート頂いた分は、noteに残せるような経験につぎこませていただきます。