見出し画像

自分の野望を「会社の福利厚生」として盛り込んでみた話

こんにちは、鹿の子です。

これまで、販売、一般事務、営業事務、IT営業、インサイドセールスなどなどのカオスな経歴を経て、現在はITスタートアップ企業で1人目のコーポレートバックオフィス(というか実質的に一人バックオフィス)として従事してます。

現在の会社には、実は当初は「業務委託」で参画していたが、
代表より正社員としての入社オファーをもらった際に、以下の条件を掲げて入社を決めました。

鹿の子「じゃあ、フルリモートワーク&フルフレックスでの勤務条件で!」

当時は、私以外の従業員が居ないという状態でした。上記の希望条件を提示した、というだけならただのワガママ条件で終わってしまう・・・。
のちに、自分の希望だけに留めずに、正式な福利厚生として全従業員に対しても展開しています。

コロナ禍の今でこそ、「テレワーク」「リモートワーク」が普及し始めているものの、2021年5月時点での都内企業(従業員30人以上)のテレワーク導入率は62.7%であるらしい。一方で、ソースは不十分だが、リモートワークや、フルリモートを導入している企業、となると10%にも満たないらしい。
(参照:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/05/12/10.html
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2009/23/news131.html)

しかも、これらの結果はおそらく「会社全体の中央値的な回答」である可能性が高いと思っている。
「部署」「人」単位では「出社をせざる得ない」という状況が発生しているのでは、と思われる。特にコーポレートやバックオフィス、事務、は「出社しないと対処できない業務」が多く存在するポジションである。

私が現職に入社する際、コロナ禍の入り口だったため、今のようにテレワークやリモートワークがまだまだ浸透していない状況だった。
そんな中で、フルリモートワーク&フルフレックスという条件提示は、
「それでも採用しますか?」という会社への挑戦状でもあり、
「言うからには自ら道を開拓する」という自分への課題を課したのだ。

フルリモートワーク&フルフレックスにこだわる背景

私が上記にこだわる理由は、大きく以下の理由である。

1)会社を極力休まずに、持病のある母の通院等に時間を充てたい
2)移住等もできるよう身軽にしておきたい
3)単純に会社に行きたく無いし、代表と顔合わせる時間を最小限にしたい

1)は文面通りの理由である。
これまでの職場では、基本的に有給や欠勤などの「会社を休んだ状態」で対応する必要があった。
そうなると、単純に自分のリフレッシュのためや、インフルエンザなどの病気で休みたい際に、「休みのストックが無い」という状態に陥る。
基本的には、極力仕事に穴を開けたて迷惑かけたくは無い、という性格なので、休みの穴に備えて過度に残業したり、休日出勤して「代休」を錬成するなどのハードワークをしがちになる。
かといって重い持病のある母の通院をサボるわけにはいかない。それこそ取り返しのつかない事態に陥る。
つまり、自分も適度に休みたいし、必要な時には必要なケアをしたい、という背景である。

2)は、極めて不純とも言える動機である。
いまから約5年ほど前の2017年。
当時交際していた彼と別れが、この理由に起因する・・・笑
端的に言うと、彼の「転勤」や「Uターン勤務」に、一緒についていく決心がつかなかったのだ。
この彼との交際当時から上記の1)で述べた、持病持ちの母の通院などもあったので、母の通院の問題や、自身の転職も含めた「地方での生活基盤構築」に対して自信を持てなかった。
言い換えると「今住んでいる土地でしか生きる自信がない」「なにもしていないのに最初から諦めてる状態」とも言える。
当時は致し方なかったとはいえ、外的要因によって自分の希望や、可能性を自分で狭めるは言いようのない苦いものがある。

3)も、極めて不純とも言える動機である。(もはや不純な動機しかない・・・笑)
正直、私は比較的人の好き嫌いが激しい人間だと思う。
(※でも私は、基本的には誰とでも仲良くできるし、気難しいタイプではないよ!こわくないよ!!笑)
代表に対して、「仕事」でのコミュニケーションの時点で「ギリギリ」なので、「雑談」や「プライベートな話」はご遠慮願いたい、というスタンスである。
ということで、自分がストレスを感じる人間とのコミュニケーションを極力排除したい!!!という背景である。
(だってほら・・・ストレスが人を殺す、なんてこともあるじゃん・・・)

実施したこと

とはいえ、最初からリモートワークだった訳ではなく、約半年ほどは出社する時期は続いた。
「そもそも入社時からぐちゃぐちゃなコーポレートの仕組みをどう整備・構築するか」「リモートでも対応できるか」「補助として外部サービス等の活用が必要か、その費用は」・・・などなどの精査が必要だった。

出社して対応していた業務はざっと、以下の内容が挙げられる。

・契約書等の製本、捺印業務
・電話対応業務
・郵便物や宅配便等の受け取り業務
・入社手続きや登記等の役所系手続き業務
・住民税などの金融機関窓口での支払い業務
・タスクや進捗管理などの対面でのコミュニケーション     など              

では上記の業務に対してどのように対策したかを列挙する。

【契約書等の製本、捺印業務】
①電子署名ツールの導入と、取引先への電子署名での締結のお願い実施
②どうしても捺印必要!の場合に備えて、代表印を自身の手元に管理
【電話対応業務】
①会社の代表電話をクラウド電話アプリに切り替え
②さらに代表電話宛の電話についてfondeskも導入
【郵便物や宅配便等の受け取り業務】
実は、これが悩みの深い業務とも言える。

①郵便局の転居・転送サービスを活用し、会社宛の郵便物を自宅に転送
②受け取り荷物は可能な限り、宅急便センター止め等を活用
【入社手続き等の役所系手続き業務】
①できる限り郵送や、オンライン申請を活用
②どうしても・・・な業務は、顧問社労士や顧問税理士等に一部業務を外注
【住民税などの金融機関窓口での支払い業務】
①e-Tax、e-LTAX、Pay-easyなどのオンラインを活用
②どうしても・・・な業務は、顧問税理士に一部業務を外注
【タスクや進捗管理などの対面でのコミュニケーション】
①タスク管理、進捗管理は主にAsanaを利用。サブタスクやワークフローなど駆使して「業務の見える化」「属人化しないためのプロセス」を整備・運用維持する。
②書類系はすべてクラウドストレージに格納し、検索性を考慮して整理・格納をする。また、一覧索引用シート的な意味合いで、一覧と格納場所のリンクを貼ったスプレッドシートを作成し管理。
③Slackなどでのテキストコミュニケーションをメイン、にする。基本的なことだが、「主語」と「依頼事項」そして「共有」「報告」「相談」をはっきりさせる。
④それでも混み入った話になりそうな場合や、クイックに確認したい時はweb会議する。

就業規則などの規定と、思わぬ副産物

卵が先か鶏が先か、の話にもなるが、これらの内容を実行することができる土壌として就業規則や、関連する規定類を整備した。
ただのテレワーク・リモートワークOKの規則ではなく、
「フルフレックスで仕事の中抜け等もOK」「地方等への移住もOK」などの自分が実現したい内容を規定に盛り込む。

なお、もともとは自己実現のために始めたことだったが、「地方に住んでるけどITの仕事がしたい!」「子育て中なので従来のお堅い規則の会社だと肩身が狭い」など、「それなりのスキルはあるのに、これまで何らかの理由で何かを諦めてた」的な優秀な人材の採用につながるなど、結果として採用広報としても絶大な効力を発揮する福利厚生となった。

残課題と今後について

ほとんどの業務について、ペーパーレス化・オンライン化の対応が完了しているが、【郵便物や宅配便等の受け取り業務】についてはまだまだ課題が残る。

それは・・・
「転送対象郵便物なのに稀に何らかの理由で転送されずに会社に届く」
「そもそも転送不要・転送不可の郵便物だった」
「事前連絡もなく、突然サプライズのごとく届く宅配便」

については、現時点で対応ができていない。
特に郵便に関しては、住民税関連の書類や、社会保険関連の書類など、役所関連系書類だと痛い・・・。

もちろん、atenaなどの郵便物回収代行・クラウドサービスも検討したが、残念ながら入居するオフィスビル側のセキュリティ上の理由で導入を断念した。

今後、新たなサービスの登場とともに、役所関連系書類の電子化についてを希望したいところである。今後も新たなソリューションや、効率的なプロセスを模索して発信していきます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?