クリエイターの卵に告ぐ
クリエイターの卵に告ぐ。
僕の言う卵とは、漫画家、イラストレーター、ゲームクリエイター、小説家、脚本家等を指す。
その先に必ず待っているのは『地獄』だという事。
形のないものを生み出す労力は、途轍もなく半端ではない事。
生半可な気持ちでいたら、自分の心が壊れてしまう。
いや、クリエイターといわれる人たちも、心身ともに壊してしまうほど。
プレッシャーとの戦いで、業界から去っていく者。
心が壊れてしまっても、なお気が付かずに脳神経が麻痺して続けている者。
心が壊れて心療内科へ行って、薬を処方されて足搔き続ける者。
ここまでだったらまだいい方だ。
中にはアルコールに逃げて、依存症にまでなってしまい、取り返しのつかない状態になってしまう者もいる。
僕も小説家志望である。クリエイターの卵に過ぎないと思う。
こういう業界を目指しているひとりである。
色々な話を聞いても、僕はこの業界に入りたいと願っている。
そうなると僕は、足搔き続ける者のカテゴリに入るのだと思う。
何もないところから、何かを生み出す『生みの苦しみ』というのを味わうと、パックリと2つに分かれるだろうと思う。
心身壊しても続ける者。
リタイアしてしまう者。
これは仕方がない事。人には向き不向きがあると思うから。
今のクリエイターと呼ばれる人たちが、それでも『生みの苦しみ』を味わってまで、その立ち位置から逃げないのは何故だろう?
答えは簡単だ。
『生みの苦しみ』の向こう側には、必ず楽しみに待ってくれている『ユーザー』であったり『読者』や『視聴者』がいるからである。
僕の場合はまだひよっこなので、読者云々の前に『出版社の編集者』が審査するのだろうと思う。
(噂によれば、出版社が雇ったライターが最初に読むらしいが)
それでも諦められない。
何百枚も書いて、何千枚も書いて、それでも面白くなければボツになる。
僕の知る限りでは、小説家で新人賞を取ったその先に待ち受けているのは、次回作を出すまでの期間だ。
この期間に挫折する人たちが多いという。
さらに次回作を出せたとしても、小説家に入ってくる収入は、売れなければ雀の涙ほどの金額しか入ってこない。
だから働きながら小説を書いている人が多い。
これならまだいい。
他のクリエイターはこれが出来ない。
特にアニメ、ゲーム業界はシビアな話を聞く。
アニメ業界は今少しずつではあるが、変わりつつある傾向にあるが、根本的なところが変わっていないと僕は聞いた。
ゲーム業界も大手企業ならまだいいが、中小企業であったりすると、大手の下請け等をして微々たる収入を得て、自分たちの会社の作品を地道に制作していたりする。
(あくまで聞いた話であって、全てが全てそうであるとは言い切れない。だから絶対に鵜吞みにはしないでほしい)
それでも足搔きながらも、かじりついてクリエイターの仕事に、黙々と続けていくのには様々な理由があると思う。
だから僕の個人的な意見を述べさせていただく。
僕の場合は『小説家になって、それで飯を食っていく』という理由だ。
それだけか? と思うかもしれないが、そうじゃない。
新人賞を今は目指しているが、その先を見据えている。
時代に合わせた作品を生み出していくのか、それとも編集者と話し合って何度も何度もリテイクを繰り返して、読者が面白いと思う作品を生み出していくのか。
そのリスクは半端なものではないと思う。
だけど僕は諦めない。
理由はただひとつ。
僕にはこれしかないし、書く事が好きだし何かを生み出す事が好きだからである。
小説家は漫画家やゲームクリエイター等と違って、とても孤独な作業だと言われている。
そう言われている小説家に、自分が向いているのかどうかは分からない。
だけど、ひとりで黙々と何かを生み出す事には慣れている気がする。
僕は協調性が皆無だし、とてもじゃないけどサラリーマンには向いていない。
(僕の経験で感じた事です)
だからもし新人賞を取ったその先、どんなに辛い現実があるとしても、僕にとっては面白過ぎて仕方がないのだ。
多分僕自身が、ちょっとおかしいのかもしれない(知らんけど)。
僕みたいなひよっこが言う事ではないが、クリエイターの卵たちに告げる事は、これぐらいだと思う。
自分が好きな分野ばかりに特化するのではなく、他のものに視野を広げてインプットしたほうがいい。
そして『想像力』をもっと、もっと鍛えたほうがいい。
『想像力』は大きな力になる。
たとえクリエイターになれなかったとしても(僕も含め)、必ず自分の人生の糧にはなるはずだから。
そして簡単になれると思わない。
ちゃんとリスクを背負って、クリエイターという職業を目指したほうがいい。
素人の僕が見て、聞いて感じた事、クリエイターの卵だけではなく、全国のクリエイターに僕は尊敬の意を込めて、綴らせていただきました。
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