ラジオ体操第二

ラジオ体操ってのはよくできている。
子供でも簡単に覚えられるし、中高年には程よい負荷となる。
あれがもっとハードで腕立てなんかが組み込まれていたら、
夏休みに続けられる子の方が少ないだろう。

普通にラジオ体操第一のメロディを聞くだけで「おっ」と思う。
やはり体に染み込んでいる。
しかし第一の方は運動会の練習で際限なくやり直しをさせられたりと、
嫌な思い出も無くもない。

その点ラジオ体操第二はごきげんなものである。
第二をやるのは夏休みのあの時間帯くらいなもの。
イントロを聞くだけでワクワクしてしまう。
それに明らかにノリも軽い。

出だしでいきなりジャンプというのが垢抜けている。
かと思えば2番目にゴリラのようなユーモラスな運動を仕込むあたりわかっている。
3番目の腕を開いて下ろしてグルンと回す運動には、
幼心にモダンさを感じたものだ。

メロディも子供が好きそうな展開がなされているように思えてならない。
第一と似た動きでもどこかシティボーイな香りがするのだ。
きっとこれには思い出補正が思いっきりかかっている。

夏休みの6時半に集合して体操をした後、
クワガタが落ちてるのを拾ったりその日のプールの計画を立てたり。
あれだけ宿題に悩まされた夏休みで、無駄な早起きと思っていたラジオ体操でも思い出となれば良い事しか思い浮かばない。

第二でウキウキするのは第一が損な役回りを受けてくれているからかもしれない、実直な第一が体育の授業のネガティブな思いを一手に引き受けているからこそ第二が輝く。まさに良くも悪くも長子らしい第一と次男坊らしい第二ではないか。
もしも第二と第一が逆だった場合、今と同じ感想を持てるかわからないからね。

そういえばラジオ体操は第三まであったはず。
夏の思い出どころか存在も怪しいあたり不遇だ。
その点第二はやはり要領よく立ち回っているように思う。
嫌われずユーモアがあって思い出補正がかけられて今も現役なのだから。
今ではやる機会がほとんど無いが、
健康のために久しぶりにやってみるのも悪くないかもしれないな。

#エッセイ #ラジオ体操 #思い出 #夏休み

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?