足育講座:もみじが丘幼稚園(盛岡)
2022年11月17日(木)、盛岡市の閑静な住宅地にある“もみじが丘幼稚園”で足育講座を開催させていただきました。
足育とは「足元から健やかな体を育む」ことを意味します。
足育という言葉ができたのは海外(ヨーロッパ)の子供靴事情に詳しい業界の先輩方が食育からヒントを得て発信した事に端を発します。
日本と海外の足事情の違い
日本では肩が痛いと言ったら、整形外科、整骨院などを受診しますが、ドイツでは先ずは靴屋に行って足のバランスを整えろとなるようです。それだけ足元のバランスが全身に影響を及ぼすことをドイツ人は知っているのですが、日本では痛いところへの対症療法を施すのが一般的です。
また、日本では足のトラブルといっても整形外科、皮膚科、形成外科、血管外科など疾患によってそれぞれですが、海外ではトータルフットケアが一般的で足病医が存在します。残念ながら、日本では足病医の資格は存在しませんし医学部の教育においても足の教育は行われていません。
日本では足のスペシャリストは少数、足の健康に関しての情報も少ない状況のまま日本人は生活してきました。
足と靴の正しい情報を得る
生まれた時はキレイな足なのに、いつの間にか変形してしまう。
先天性の疾患でなければ後天的な何らかの問題があり足のトラブルは発生します。そのトラブルの要因の多くは履いてきた靴の影響が多分にあります。つまり足のトラブルを予防するには正しい靴の選び方と正しい靴の履き方を知る必要があります。
しかしながら足や靴に関する健康情報が少ない上、あったとしてもパンプスと外反母趾の関係ばかり、パンプスを履けば全員が外反母趾になる訳ではありません。幼少期に踵骨が大きく真直ぐに育ってアーチが機能していれば外反母趾なりやすい悪い動きは避けられたかも知れません。
足育に関して正しい情報を得るにはご自身で能動的になる必要があります。
幼稚園で足育講座を開催する理由
足の形態が整うのは4歳ぐらいで5歳~8歳にアーチが形成されます。つまり足の機能を獲得するのに一番重要な成長期と言える年代が幼稚園や保育園に通う子ども達です。
足を正しく育む上で重要な子どもの靴ですが、この年代は自分で靴を選ぶというより親が履かせて選んでいます。ただ、親はどれだけ正しく靴選びが出来ているのか疑問です。
4歳児が靴を正しく評価しているとは限りませんが「大丈夫、痛くない」と聞いて子ども任せに靴を選んでいませんか?・・・もしかしたら趾が靴内であたっていても好きなキャラクターが描かれているから選んでいるかも知れません。
柔軟な子どもの足は店で少し履いた程度では実際に痛くない。でも、1時間履いて歩いてみると母趾が赤くなって痛いと訴えているかも知れません。
たかが靴されど靴、子どもは自分の足が間違えた靴選びで足趾が変形する可能性があることを知りません。実際にトラブルが発生して慌てても遅い場合がありますので親が正しい知識を得る必要があります。
子どもの頃の靴の履き方やサイズ感は大人になっても生活習慣的に続きます。大き目の靴を買い与えていれば大人になっても緩い靴を好んで履くようになり、結果として足以外でも膝や腰のトラブルになる場合もあります。
ドイツでは足育が幼児教育としてあるのですが日本ではあまりにも足に関しての情報が不足しています。大人になってからの足のトラブルも幼少期からの生活習慣と密接に関係していますので幼児と親に対しての足育講座は必要です。
これからも足と靴の正しい情報を発信してまいります。