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子どもの外反母趾

外反母趾と診断され来店する10代の子どもは年々増えているように感じています。また、10歳未満で既に外反母趾を発症しているケースもあり、予防する為の靴選びとして何に気をつければ良いかを紹介いたします。

意外に多い子どもの外反母趾とその予備群

若年性外反母趾(8歳)

私がシューフィッターを目指した理由は、趾がくの字に曲った子どもを目の当たりにし自身が販売した靴のせいではないかと考えたからです。今でも子どもの外反母趾を減らそうと講座やイベントなどで個人的な活動を続けています。

そもそも外反母趾は女性に多く、特に初潮、妊娠、閉経、ホルモンバランスが変わる時に発症しやすいといわれています。

子どもの外反母趾は10~12歳ぐらいの女児が多く、足の形態は土踏まずが低い傾向にあります。若年性外反母趾は遺伝的要因が強いといわれていますが、外反母趾がそのまま遺伝する訳ではなく、正しくは遺伝的に骨形態、筋や靭帯の柔軟性などが似るということです。

遺伝的要因といっても外反母趾は母趾にストレスが掛からなければ発症しません。では何が子どもの母趾にストレスをかけているのでしょうか?

それは歩き方と足の悪い動きを制御できない子どもの靴です。

【日本整形外科学会】「外反母趾」
尚、外反母趾と診断できるのは医師だけです。正確には整形外科の受診が必要です。

【日本整形外科学会】HPより

上履きによっては発症原因になる

子どもが一番長く履いているのは学校の上履きですが学校によって指定の有無があります。個人的な考えですが意外にも自由化されている方が子どもの足のトラブルが多く発生している印象があります。

地域と学校で大きく違いますので断定的なことはいえませんが、指定されている上履きは一定基準の性能は有しているが自由に選べる方は価格により性能に大きな違いがあるということです。

勿論、高価で優れた子供靴は沢山ありますが、一般的に上履きの価格帯として¥2,000~¥3,000が中心、その中で如何に子どもの足を守っているかが大事だと思います。

若年性外反母趾と診断された子どもが履いていた上履き
悪い動きを制御できない

上履きも中心価格帯を意識して各社開発していますが、どんなに素晴らしい上履きでも甲のベルトを締めないで履いていたり、ゴムが伸び切っていたりすれば靴内部の狭い部分につま先は衝突し発症リスクは増大します。

また、子どもの爪のトラブルと間違った靴選びでも紹介しましたが、歩き方で母趾にストレスが掛かる悪い動きの多くは後足部での過剰な回内で起こります。外反母趾だからとつま先ばかりに目は行きますが、問題は踵から土踏まずにかけて関節が正しく動かないとアーチが機能しなくなり、結果として推進するために母趾を捻じって歩きます。・・・これは問題の歩き方です。

図の一番右の状態で母趾にはストレスが掛かります

この問題の歩き方を靴で制御出来れば発症リスクは低減できるはずです。

一番長く履いている上履きだからこそ注意深く、指定の有無があっても可能な限り子どもの足を測り評価してリスクの低減を図ることが我々シューフィッターの務めです。

つづく

【シューフィッター】
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FHA HPより

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