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森乱丸

今、宮本昌孝・作の「乱丸」を読んでいます。

小学生の頃は伝記が好きで、よく火の鳥文庫など読んではいたのですが……次第に時代小説に手が伸びなくなってきていました。
本当に、何年ぶりなんだろう?伝記読むの。

つい最近積ん読の本を探しに行ったときのことでした。
ちらっと回った時代小説コーナーで表紙を見た途端、まさかの一目惚れでした(笑)
その表紙が上の写真です。

めっちゃ美男子!!!

実は私、森蘭丸については「織田信長の側近(?)で、本能寺の変の時最期まで主君の側に居続けた人物」くらいしか知らなかったんです。
いや、そもそも日本史なんて高1の時に習ったきりだし、ましてや大学入試では内容覚えるのがとにかく嫌すぎて地理を選んだくらい、日本史に興味がありませんでした。
高1に習った内容もほとんど覚えているはずもなく……小学生の頃の知識がぎりぎり残ってるかな、というレベル。
もちろん興味の無い時代小説なんて自ら選ぶことはそうそうありませんでした。

そんな私が、表紙だけで即買い。
自分思ったより面食いでした。

この作品は上下巻に分かれており、今上巻を読み終えようとしているところです。
全く事前に知識を入れることなく挑みましたが、それでもすごく面白い。
作者の宮本昌孝さんの、それぞれの人物の描き方がはっきりしていてとても読みやすいんです。
主人公の乱丸はもちろんのこと、彼が敬愛する万見仙千代や周りの近習衆、さらには私も知っている織田信長や羽柴秀吉、彼の妻のねね。
今まで教科書の中だった人物たちの姿が、どんどん生き生きと浮かび上がってきます……。

読んでいくうちに、感じるんです。
写真なんてもちろんないし、ただ言い伝えや古文書でしか追えない彼らも、感情があってちゃんと人間らしいところあるんだよな、とか。
でも、「主人を見失えば、例え年少の者でも切腹」など、今では想像もしたくないような無情な不文律がまかり通っていたんだ、とか。

「織田信長は『天下布武』を合い言葉にして、天下統一を目指した。」なんて、教科書ではごくあっさりと流されますが、その1行にどれだけの人間の血と涙が流されてきたのか。

乱丸の姿を通して、考えずにはいられません。

この本の帯に書いてある通り、「結末が分かっているのに」早く先が知りたい、知りたいと読み急いでしまいますね。
読み終わったらどんな感想を抱くのか……今からすごく楽しみです。

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