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『すずめの戸締り』を正装で観た日。

11月13日(土)会社の先輩の結婚式が東京で開催された。
それに合わせて金曜日の夜前乗りして、そしてそのまま日曜の夕方まで都内で過ごすことにした。
3日間で色んなことをしたので、本当にただの日記になってしまうが記録してみる。

11月12日金曜日 夜の日記:空振り三振バッターこむらがえり
11月13日土曜日 午後の日記:新鮮なベルト/ダルマのシステム

11月13日(土)午前@池袋

この日は14時からメインイベントである先輩の結婚式だった。
午前中は予定もなかったので、池袋で新海誠最新作『すずめの戸締り』を観ることにした。
池袋ならIMAXとかのいろんな+αのスクリーンがあるという狙いもあり、今回は音響に最も力を入れているというグランドシネマサンシャインの『BESTIA』上映にしてみた。
しかも、なんかハイになってプレミアムシートにしてしまった。会社の福利厚生を利用し基本鑑賞料金1300円+BESTIA200円+プレミアムシート1500円(700円のミールクーポン付)という中々の金額だった。

僕は朝マックがめちゃくちゃ好きなため、上映前に映画館近くのマクドナルドに入った。近くのコンビニでご祝儀袋を購入して、筆ペンで記名したりしてから朝マックを食べた。東京のマクドナルドは店員・客の両方に外国籍の方が多く、仙台とは少し異なる光景に思えた。

上映開始の15分くらい前に映画館に着いた。
今回は700円分のクーポンが付いているので、ポップコーンとカルピスを注文した。グランドシネマサンシャインのポップコーンは塩とキャラメルしかなく、正直色んなフレーバーのあるTOHOシネマにすれば良かったなと感じてしまった。
映画館って当然自分が観たい作品が自分に合ったスケジュールで上映されているかを最優先して選ぶけれど、今回のすずめの戸締りみたいにプランテーション農業の如くあらゆるスクリーンを占有して上映されている場合は、ポップコーンの味とかトイレの綺麗さとかの細部の印象が劇場の選択に影響するのかもと思った。

ポップコーンと飲み物のセットで720円だったので、700円のクーポンを利用し20円をSuicaで払った。Suicaで20円の決済するのはちょっと新鮮だった。

上映開始の5分前くらいにスクリーンに入るとプレミアムシートに座っている人のほとんどがミドルエイジソロ男性で、新海誠の真のターゲットがまざまざと浮かび上がっていて最高だった。
本編前に流れる予告は恐らく上映作品のターゲット層に合わせて組み替えられてると思っていて、今回はアニメ映画に加えてジャニーズ系の映画の予告が多くて、決して古参ファンではないけれど新海誠がメジャーのど真ん中になったことを感じた。

感想は簡単に箇条書きで書くことにする(ネタバレ有)

・予告では登場人物が椅子になったり、猫が喋ったりと相当ファンタジーに寄せたな〜と感じていたけれど、地震や震災を今までにないくらい直接的に扱っていて良い意味で裏切られた。
・新海誠作品に通底すると思っている"青臭い男の独り善がり"があんまり感じられなくて、臭みを消した(消された?)作品に思えた。
・僕が受け取ったメッセージはかなり巨大というか普遍性(教訓感?)が高くて、『日本背負ってんな〜』とう印象を受けた。
・RADのMV感はあまりなかった。
・猫たちの行動原理は未だにわかっていない。
・草太の爺ちゃんも消化不良感があった。
・鈴芽と環の関係性やストーリーはとても好きで、道の駅でのシーンからの自転車二人乗りはかなりグッと来た。
・環が『総務部長』であるところ『わかるな〜』と思いつつ、もう少し環のストーリーを描いて欲しかった。
・稔にももう少しフォーカス当てて欲しかったな〜。
・ロードムービーとして各地域での一期一会は、エンドロールで再会していくことも含めて超好きだった。
・予告で作品の核を見せない部分や、二部構成のストーリー展開などかなり『君の名は。』を彷彿とさせた。
・観賞後Twitterを見ると芹澤がかなり持て囃されていたけれど、個人的には特段印象に残らなかった。懐メロを流すところもあまりにチョイスが浅薄というか、そりゃ芹澤自身が世代じゃないから当然だけれど、エヴァでの歌謡曲の使われ方と対比するとどうしても見劣りしてしまうように感じた。
・あからさまなジブリオマージュは何だったのだろうか。
・1年程前のタイトル発表時に語られていた『成熟した日本では必ずしも"発展"だけではなく、発展したものを幕引きするシーンが今後増えていく』的なコンセプト、個人的には超共感していたけれど、実際作品を観た感想としてはそのコンセプトを強く感じるには至らなかった。(これは僕自身の理解不足だと思う)
・『いってきます』『いってらっしゃい』がリフレインするシーンで、それが最後の会話になってしまうような悲劇(災害など)は日常と隣り合わせであることが強く実感されて、今回『戸締り』という日常のワンシーンを全編に渡るモチーフとして選んだ新海誠の視点の鮮やかさが最高だった。
・鈴芽が東京から東北に旅立つ際に、制服+草太のブーツ姿になったところに今作一番の"臭み"(良い意味)を感じた。

書いてみたら全然簡単じゃない量になってしまった。
それだけ語りたくなる映画という時点で新海誠の作品にはパワーがあるということだと思う。意外と周りに熱意を持って観ている人がいなくて、あまり感想を語れていないのが残念。

ちなみに、その後の結婚式に直行するために、礼服で映画を観ていた。
礼服姿でポップコーン片手にプレミアムシートに座る男。
どんだけ新海ガチ勢なんだよと周りから思われてしまったかもしれない。

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