澗下水

自由律俳句を詠んでいます。その他、日々感じたことをエッセイのような感じで投稿しています。

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  • 自由律俳句集

    日々書き溜めた自由律俳句をまとめたものです。

  • 雑記集

    日々の生活で感じたことなどをつらつらと思いのままに書いた作品をまとめたものです。

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雑記 #2 自由律俳句ってなんだろう

私は十数文字程度の詩のようなものを日々投稿しており、これを「自由律俳句」と言い張っている。ところが、最近は「本当にこれは自由律俳句といえるのだろうか」という疑問が生じてきた。そこで、今後の活動の指針とするために、自由律の俳人の句を取り上げつつ私にとっての自由律俳句の定義づけをやってみようと思う。 代表的な自由律俳句たちまずは、代表的な句をいくつか挙げてみる。 分け入つても分け入つても青い山 (種田山頭火) 咳をしても一人 (尾崎放哉) こういう思想をもって黄ばんだ街路

    • 自由律俳句 #91 海が見えるローカル線の窓を開ける

      詩集放り出して寝こけている そこのすずめも自分の見せ方を知ってる 路地裏のたび三日月がひょっこり 生け垣にこおろぎが独唱して居る 海が見えるローカル線の窓を開ける

      • 自由律俳句 #90 天気痛、うしろ向きの思考がいそぐ

        固めた髪に綿毛 懐かしさ無いとして車窓 天気痛、うしろ向きの思考がいそぐ 雨の次の日の靴の重さ 本を移しかえたあとのさみしさ

        • 自由律俳句 #89 さくら、なおも、ちるか

          体があたった桜を見ていた 老夫婦の駅順の話が尽きずにいる 降りる駅だばこんと頭をぶつけて痛くない 本人も考えぬようなこと考えて居る さくら、なおも、ちるか

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        雑記 #2 自由律俳句ってなんだろう

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          91本
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          10本

        記事

          自由律俳句 #88 窓のサッシで哲学しているさくらさくら

          淡い朝枕に頭をこすりつけている 透明感ある女性の傘も ポストの上の13.5センチ 目を閉じる左のほうが暗い春 窓のサッシで哲学しているさくらさくら

          自由律俳句 #88 窓のサッシで哲学しているさくらさくら

          自由律俳句 #87 跨線橋から人が落ちた車内の蛍光灯の端

          薄い月とはがれ落ちゆく 靴下をはいてすぐ靴下をはこうとした 花ぐもりのうすぺらい東京タワーを見てる 月を見上げる風が吹く髪が流れる 跨線橋から人が落ちた車内の蛍光灯の端

          自由律俳句 #87 跨線橋から人が落ちた車内の蛍光灯の端

          自由律俳句 #86 むなしい電車のf分の1

          親子連れが電車を見ているふるさとがある 考え尽くした頭で東京タワーは淡い おでこのふちににきびとして在る 風に吹かれている人間のあさましさ むなしい電車のf分の1

          自由律俳句 #86 むなしい電車のf分の1

          自由律俳句 #85 一人で月をにじませる

          こんな日に生きていたいこんな日に死んでみたい 寺の木と電話ボックスの根 この曲でですら満たされなくなる 一人で月をにじませる シャワーと詩を浴びて寝る

          自由律俳句 #85 一人で月をにじませる

          自由律俳句 #84 秒針の音とともにある家

          新幹線を待っている朝日が差してくる 年末帰省していた家がすねてひやりとしていた 屋根から落ちる崩れる光る光る雪 スーパーの店先で抱擁している 秒針の音とともにある家

          自由律俳句 #84 秒針の音とともにある家

          自由律俳句 #83 ま上のよい月をもくもくと見る

          消防車のサイレン気づかない二人 長いかどうかもわからないホームを歩く 東京よ発つときになぜこうも名残惜しか 寝て起きてみて落ち着く ま上のよい月をもくもくと見る

          自由律俳句 #83 ま上のよい月をもくもくと見る

          自由律俳句 #82 それでも考えている

          やけに映えるトンカツ屋のクリスマスリースである 満員でしらが 下から上に降る 虚無に満たされる それでも考えている

          自由律俳句 #82 それでも考えている

          自由律俳句 #81 店先の焼き芋が店内に満ち満ちてゆく

          大根両手に抱えてそよ風 空だけは青いままだ りんごをリュックいっぱいに詰めていざ 店先の焼き芋が店内に満ち満ちてゆく 晩秋深夜の野球場白い息赤い鼻

          自由律俳句 #81 店先の焼き芋が店内に満ち満ちてゆく

          自由律俳句 #80 寝ている間に夜が染み渡る

          ネギを改札に引っかける エアコン越しに塗りたてのペンキ ビルの向こうのビルのまた向こうの 先陣切った子の顔が見えない夢 寝ている間に夜が染み渡る

          自由律俳句 #80 寝ている間に夜が染み渡る

          自由律俳句 #79 新月を見る

          業者の清掃が終わるまで立ち尽くしている 去って少ししてから鍵を締める ひげをそるか迷う 風呂の給湯器がスリープした 新月を見る

          自由律俳句 #79 新月を見る

          自由律俳句 #78 あの木の実は知られずに落ちる

          日差しのまぶしさよろしくそのままでいる 見上げた満月を囲うBGM 照明の内のごみを残したまま去るだろう 湯船で体育座りしている あの木の実は知られずに落ちる

          自由律俳句 #78 あの木の実は知られずに落ちる

          自由律俳句 #77 ヒトが動くのを見る

          雨の満員電車で蒸し死ぬか 空が季節を先取る、冬 ホームがない側の壁に苔やら雑草やら ヒトが動くのを見る 車庫に入るついに大崎行である

          自由律俳句 #77 ヒトが動くのを見る