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詩集放り出して寝こけている そこのすずめも自分の見せ方を知ってる 路地裏のたび三日月がひ…
固めた髪に綿毛 懐かしさ無いとして車窓 天気痛、うしろ向きの思考がいそぐ 雨の次の日の靴…
体があたった桜を見ていた 老夫婦の駅順の話が尽きずにいる 降りる駅だばこんと頭をぶつけて…
淡い朝枕に頭をこすりつけている 透明感ある女性の傘も ポストの上の13.5センチ 目を閉じる…
薄い月とはがれ落ちゆく 靴下をはいてすぐ靴下をはこうとした 花ぐもりのうすぺらい東京タワ…
親子連れが電車を見ているふるさとがある 考え尽くした頭で東京タワーは淡い おでこのふちに…
こんな日に生きていたいこんな日に死んでみたい 寺の木と電話ボックスの根 この曲でですら満たされなくなる 一人で月をにじませる シャワーと詩を浴びて寝る
新幹線を待っている朝日が差してくる 年末帰省していた家がすねてひやりとしていた 屋根から…
消防車のサイレン気づかない二人 長いかどうかもわからないホームを歩く 東京よ発つときにな…
やけに映えるトンカツ屋のクリスマスリースである 満員でしらが 下から上に降る 虚無に満た…
大根両手に抱えてそよ風 空だけは青いままだ りんごをリュックいっぱいに詰めていざ 店先の…
ネギを改札に引っかける エアコン越しに塗りたてのペンキ ビルの向こうのビルのまた向こうの…
業者の清掃が終わるまで立ち尽くしている 去って少ししてから鍵を締める ひげをそるか迷う …
日差しのまぶしさよろしくそのままでいる 見上げた満月を囲うBGM 照明の内のごみを残したまま去るだろう 湯船で体育座りしている あの木の実は知られずに落ちる