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(詩)こころのさかな

自分の胸の中に水槽があって

みんなそれぞれ魚を飼っている

私のはきっと赤い金魚


魚はきっと生まれつき決まったやつがいて

水槽は

生まれてからきっとすぐに

作られ始める

どのくらいの大きさなのか

強度はどうか


水槽の大きさや強さははきっと

子供の時に作ったら

しばらくはそのままの大きさなんだ


私たちは毎日暮らしている時に

魚にエサをあげたり

水槽に水草を入れたり

ブクブクを設置したり

かわいく飾り付けをしたり

定期的に水を交換してあげたりする


そうやって、魚を大きくして育てていくんだ


でもね

みんな生まれ持った魚が違うから

他の人のアドバイスではうまくいかないことがある

「塩分濃度はこのくらいがいいらしい」

そう聞いて自分の水槽に塩を入れてみる


金魚は 弱ってしまう


あるいは

餌を入れられ過ぎて

水を濁らせているのに

「こんなにしてやっているのに、なぜ元気にならないのだろう」

と思われている魚もあるだろう



胸の奥の魚はきっと死ぬことはないのだけど

もしかしたら

いっそ死んでしまった方が楽になるのではないか

そういう飼われ方をしている魚もいるのかもしれない



魚の種類によっては

今の水槽では小さすぎて

もっと大きな環境に放してやらないと

いけないこともあるだろう

水槽の交換が必要な事もあるだろう



心の魚


私の金魚に必要な事はなんだろう

水を替えてやることなのか

もっとエサをあげたらいいのか

控えた方がいいのか

広いところで飼ってあげた方がいいのか

外敵から守ってあげた方がいいのか

病気なのか

ストレスなのか

遊んで欲しいのか


私はあなたをもっとちゃんと見つめなくちゃいけなかった



心の魚

あなたが元気でいてくれることが

私が元気でいられるということ

どうか私の苦しみを

ひとりで背負い続けないで

私はいつもあなたと一緒にいるよ



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