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「ユニクロ」読んだら眠れなくなった

ども、かにかまトマトです。カナダでアプリとかを作ってます。

久しぶりの読書レビューです。勢いのあるうちに書いておきます。

なんとなく読み始めたら止まらなくなってしまった本です。おかげで寝不足です。

その名も「ユニクロ」

その本のタイトルが「ユニクロ」。
なんてシンプルなタイトル。

誰が見ても間違いなくユニクロのことが書いてあるんだろうなって一発で分かります。
そしてたぶん創業者の柳井さんの話が書いてあるんだろうなって感じで読み始めました。


これが、まぁーおもしろい!


内容は、単なる柳井さんの自伝だけではなく、知っているようで知らないユニクロの歴史を創業期から現在までをじっくり紐解いていきます。

日経新聞の記者が取材を重ね、客観的にユニクロがどうやって現在のようなグローバルカンパニーに登りつめたかを描いています。

柳井正という無気力青年

今やユニクロ帝国を1代で築き上げた日本を代表する経営者、柳井正。

でも、驚くことに実は大学時代はまったくの無気力でぐーたらな性格で、どうしようもない奴。どこにでもいる普通の大学生だった。
親が紳士服やら商売をやっていたのでそこそこボンボンだったからなのか、仕事にも興味を見せず、大学卒業後は親のコネで紹介してもらった就職先を9ヶ月でやめている。

こんなどうしようもない奴が数十年をかけて日本を代表するユニクロを創り出すのです。

おいっ!今やることがなくてグータラしているそこの大学生!!
もしかしたら君も明日の柳井正になるかもしれないぞ!

って思えてしまう。

その後、若くして山口県の田舎街で親の紳士服屋を引き継ぐところから柳井正のビジネスマンとしての人生が始まるわけですが、簡単にユニクロができたわけではないようです。

ユニクロという業態の1店舗目に行き着くまで、田舎の紳士服屋から10年かかっています。本書では「暗黒の10年」と表現されています。

これには正直ビックリしました。
柳井さんにこんな下積みみたいな時期があったなんて。
しかも親父さんから商売を引き継いだ時、古参の従業員がみんな辞めていって一人ぼっちになるとか・・・

失敗と成功の連続

この本全体を通して描かれていますが、ユニクロは失敗と成功の繰り返しだというのが分かります。特に失敗が多い。

今ではユニクロは当たり前のように日本を代表する大ブランドになっていますが、そこに至るまで数々の失敗を乗り越えてきているのが描かれています。

柳井正とユニクロの物語とは、足し算と引き算の積み重ねだ
坂道を登っては、時折、転げ落ちる。そしてまた坂道を上へ上へと登っていく。
足を止めることなく愚直なまでに繰り返してきたその歩みの積み重ねの上にあるのが、現在我々が知るユニクロという巨大企業なのだ。
その物語にマジックはない。
あくまで、かけ算ではなく足し算。

ユニクロより

何度も何度も失敗をしては撤退して、それでもやり方を変えて1つずつ積み重ねていく。そんなユニクロが描かれています。

ユニクロでも実はこんなに失敗してたんだって思うくらい。

この本はユニクロを褒め称えるわけでもなく、批判だけの本でもありません。ユニクロのいい面だけでなく、労務問題で批判なども触れられています。

なんなら柳井正のマイクロマネジメントっぷりとかワンマンとか冷徹に人を扱う部分なんかも垣間見えてそれもおもしろい。
なかなかクセのある人なんだろうなぁっていう印象を受けます。

多才・多彩な登場人物

この本では前半部分はユニクロの創業期、つまり柳井正の出自にまつわる内容なのだが、後半はユニクロがどうやってグローバルまで駆け上がっていったのかが描かれています。

そこには柳井さんというよりも、優秀な部下の存在が描かれています。むしろ後半は柳井さんはそんなに出てこない。

優秀な部下たちがどうやってユニクロに参加し、ユニクロを引っ張っていったのか。そういう話の展開で進んでいきます。

途中で離脱する人、途中から参加して才能を発揮する人。

ハイライト

以下はこの本で読みながらハイライトしてた部分。
いろんな気付きがあったので軽く紹介を。

恵まれていたのは、恵まれていなかったこと。
恵まれていなかったからこその創意工夫がある。
山口の片田舎の宇部という場所だからこそできた発想があったのかもしれない。

本をむさぼるように読んでいた
柳井さんも多くの経営哲学を本から吸収したと語っています。
このクラスの人でもいまだに本から知識を貪欲に取り入れているというから、本を読むのってめちゃ大事なんだなと思います。

海外を経験していた
柳井さんは大学生時代に親に頼み込んで「世界一周をしたい」っていってお金をだしてもらっている。アメリカ・ヨーロッパなど特にあてもなく親の金でまさに遊学している。でもこの時に見たアメリカの光景がユニクロの原点でありグローバルを意識するキッカケにもなっているわけである。奥さんともこの旅行で出会っている。

チャンスがあるなら海外は経験してみるのがいいだろなと改めて思う。
将来に役に立つかどうかなんてその時は分からないので考えるだけ無駄である。でもその経験が自分を救うこともあるだろうなと思います。

現実の延長線上にゴールを置いてはいけない。
周囲からみたら「アホじゃないか」と思われるくらいのことを考え、行動に移せ。これも柳井さんが本から取り入れた哲学。
圧倒的な成果は今の延長線上にはない。そういう思想や目標がユニクロをただの地方国内アパレルからグローバルな巨大メーカーに引き上げたのだろう。

起業家は、若者は、もっと世界に目を向けろ
「ダメ人間だった自分にさえできたことが、なぜ君たちにできない。」
そう柳井さんに言われたら、柳井さんも昔はダメダメだったわけなので、「確かに自分でももうちょいイケるのかも」って思ってしまうかも。

そして同時に柳井正という人のスゴさも垣間見えます。

これから国内の需要がどんどん縮小していく時代に突入している日本。
その日本を代表しながらも世界に勝負する姿勢。
ユニクロここにありって感じがします。

というわけで

なんか久しぶりに熱量が高めの本を読みました。
ビジネス書というよりヒューマンドラマみたいな本って感じがしました。

自伝ではなく、第三者の人が書いているのも良かったのかなって思います。

ユニクロに興味がない人でもオススメできると思います。

僕の服のほとんどがユニクロで、かなりお世話になっているというのを差し引いても素直におもしろかったし熱くなれました。
ぜひ時間があれば読んでみてください。

ではでは。

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