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【京急の館】京急ミュージアム(予約必須)|昭和の一次資料にマジ興奮

京急は調べれば調べるほどおもしろい。

歴史があり、そこに駅がある理由がある。
京浜工業地帯の発展の歴史に深く紐付いており、そこから太平洋戦争期、高度経済成長期の日本が垣間見れる。

そんな僕には鼻血がでるほどおもしろい場所がある。
「京急ミュージアム」である。

先日京急ミュージアムに行ってきた。

京急ミュージアムとは

京急ミュージアムとは、公式ページのコンセプトの通り、「『本物』を見て、触れて、楽しむ」ことができる場所。

最寄りは横浜駅。
東口から徒歩7分。
京急本社ビルの1階にこのミュージアムがある。

公式ページのごあいさつ部分を以下に引用する。

「京急ミュージアム」は、『本物』を見て、触れて、楽しむ をコンセプトに、京急創立120周年事業の一環として整備しました。館内には、昭和初期から活躍し、約2年かけて修繕作業を行った歴史的車両「京急デハ230形」を展示するほか、沿線を忠実に再現した「京急ラインジオラマ」や運転体験コーナー「鉄道シミュレーション」、工作体験ができる「マイ車両工場」など多様な展示や体験を用意し、多くのお客さまに京急グループの魅力を感じていただく施設を目指します。
また、京急グループの歴史とともに現在と未来の情報を発信するこの施設を通じて、横浜・みなとみらい地区ににぎわいを創出してまいります。
小さな施設のなかに魅力がギュッと詰まった「京急ミュージアム」をどうぞお楽しみください。

今は事前予約が必要である。
結構人気なので、「今週の土日に」という感じでは行けないかもしれない。

僕自身も予約しようと思った3週間後に訪れることになった。

今は時間交代制で入館する。
中を見られる時間は1時間半程度だ。
といっても1フロア。
じっくり見ても十分時間は足りると思う。

京急ミュージアムの見どころ

展示内容の紹介全般に関してはこちらの動画を見てもらうのがよい。
鈴川絢子さん、さすがである。

この動画はコロナ禍直前。
この頃に行きたかった・・・。

僕としてはタイトルのとおり、京急関連の一次資料に触れられる点にフォーカスしたい。
僕にとって、まさにこれが「本物」である。

実は京急はこういった資料を公式ページでも多く公開し、その歴史について説明している。かなり細かく書いてあり、京急沿線の歴史を細かく知ることができる。

しかし、公式サイトにも載っていない?と思われる資料が、この京急ミュージアムにはいろいろあって、以下はそれの一部である。

最初にこれを見て、やばいと思った。

戦中だったか?
観光マップ的な要素の強い路線図だ。他の路線や観光地のマップなどで似たものを見たことがあると思う。
しかし、そのマップにこんな言葉が入っている。

「護れ要塞 防げよスパイ」

そう、京急はそういう線なのだ。
たとえば京急東神奈川、京急田浦、汐入あたりに行ったときは、これをリアルに感じた。
もちろん今は状況が違うけれど、当時のこの言葉が書かれていることもうなずけるのである。

海水浴や釣りの絵に混じって、軍艦が描かれているのは京急ならでは。

これは昭和43年の京急創立70周年フェスティバルのパンフレットらしい。

「銀座と三浦海岸を結びました」

キャッチコピー、フォント、デザイン、写真?、渋い。

青いデートナ・ビーチ。
誰が考えたんだろう。

そもそも海水浴というのは、実は歴史が浅く、京急は創業当時から「海水浴場に近い」ということを売りにしていたらしい。

それにしても、写真がうまい。

そして、今回とても気になったのがこれ。

先日、能見台に撮影に行った。
その際の記事はこちら。

『京急ニュータウンは「ヨコハマの新しい山の手」』という言葉に、なんとなくしっくりきつつも、そんなに「山の手」な感じか?という印象だった。でも、こういった資料を見ると、当時は本当そういう世界を作ろうとしていたんだろうということがよくわかる。

僕がこの1年見てきた京急沿線の景色に、なにか証拠を突きつけられたような感じで、ひとり唸ってしまった。

沿線の街の特徴を、京急自体が意識的に作り、開発を行ってきたのだな、ということを感じた。

おもしろいのは、「へぇ、そんなものがあったんだ」とならないところ。
今、京急の街を歩いても、それを感じるのだからおもしろい。

京急ミュージアムの楽しみ方

アトラクションとしても楽しい要素があるけれど、ぜひ「歴史を知る」という意味でも訪れてほしい。

歴史を見ることは、自分たちのルーツを知ることになる。

「いや、僕のルーツとは関係ないし」

と言うかもしれない。

しかし、京急を知ることは戦後日本の発展を知ることに非常に近く、それは同時に現在の日本に残されたさまざまなしがらみを知ることにもつながる。

僕らがこれからの日本を考える上で、その成り立ちを知ることはとても大事なのだと思う。


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