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編集者目線から「ライトノベル」を分野別に考える 【Web発新興ライトノベル編】

 僕はマイストリートという編集プロダクションに務めていて、毎年『このライトノベルがすごい!』という書籍を編集しています。ライトノベルについてはなるべく包括的に状況を見るようにしているのですが、こちらの記事でも書いたように、2010年代からはWeb発のライトノベルの隆盛と、別分野としてライト文芸・キャラ小説も爆発的に増えてきたことで、広義の“ライトノベル”というものをしっかりと追うことが難しくなってきています。

 とはいえ、編集者という人間は作品を読んだときに、「自分が関わっているレーベルからの出版に向いているものなのか」、「約半年後以降(刊行される時期)に広く受け入れられる設定・内容なのか」、ということを考えています。

 そして、「作者がどういった意図を持って書いているのか」「どういった読者がこれを喜び、受け入れてくれるのか」といったターゲット読者についても考えていきます。

 これは個人的な意見ではありますが、僕が考える広義の“ライトノベル”をいくつかの分野に分けながらそれぞれの印象をまとめていきます。
 
 分野は大きく分けて

①既存の文庫ライトノベル
②Web発新興ライトノベル
③ライト文芸・キャラ文芸
④その他の分野


 というように書いていければと思います。今回は②のWeb発新興ライトノベルについてです。


 Web発新興ライトノベルとは、2010年頃から一気に商業出版から注目された小説群のことで、ここでは主に異世界へ転生したり転移したりする作品について触れていければと思います。

 詳しい成り立ちなどはこちらを参照ください。

 商業出版として書籍化がされるようになったのは2011年頃と、新たな出版分野であるので読者層もまだ見えない部分があります。2015年頃からのアニメ化で新たな読者層も流入してきていますし、コミカライズが増えてからはまた異なった層にもリーチしているでしょうか。

 ・30~40代の男性がコアターゲット
 ・連載マンガのような物語運び。物語の起伏は弱め。
 ・ドラマチックな異世界生活を描くものもあれば、淡々としたスキルアップを見せるものもある。

 2015年に刊行された『君の膵臓をたべたい』の大ヒット以降は、ファンタジー以外の文芸作品もインターネット上からの発掘が盛んになりましたが、こちらはターゲット層が異なるため「ライト文芸」の項目で扱います。

 結論から言えば、Web発新興ライトノベルは小説として書籍化するのはかなり厳しい時代に入ったと思います。


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