あの角のおじいさんが教えてくれたこと
ちゃお!
今日はちょっとイイハナシ。
家から学校に行くには、バスを使う方法と、徒歩で行く方法があるの。バスだと、家の目の前のバス停から学校の目の前のバス停まで、歩きゼロで15分。
徒歩だと30分くらい。
でも、いつもギリギリちょい超えの時間に家を出てしまう私は、乗らなきゃいけないバスに間に合わないことが多くて、そうするとバスを待つよりも走った方が早いのよね。
5回に3回くらいの割合で走ることになっていたのだけど、その道だと、ある角に必ずホームレスのおじいさんが座っているの。
そのおじいさん、いつもとっても明るい声でニコニコの笑顔で、そこを通る人たちに対してひとり残らず挨拶するの。私に対してはいつも、Buongiorno signorina! (お嬢ちゃん、おはよう!)って。
でも私はその角を通るのが好きではなかったのよね。まだ土地の治安もわからなかったし、ホームレスの人たちについてよく知らないし、お金をせがまれそうで怖いし、、。だからそこを通るとき、そのおじいさんが存在しないかのようにいつも早足で通りすぎてた。
でもね、そのおじいさんは、絶対に私にも挨拶し続けるの。私みたいに無視する人が大半なのに。
でもこの前、とっても気持ちよく目が覚めた朝があって。朝から掃除をしたり、コーヒーを淹れてデーツを食べながら本を読んだり、とっても生産的な1日を始めることができたの。その日は珍しく時間に余裕があって、バスは間に合うけど、晴れていて気持ちがいいし、歩くことにしたの。
そしたらね、その日は不思議なことに、あの角を通る時に自然とおじいさんの目をしっかりと見て、初めてちゃんと挨拶を返すことができたんだよね。
よく考えたらさ、そのおじいさんはきっと住む家もなくて、食べるものもままならない困窮した生活のはずなのに、毎日欠かさず全員に明るく挨拶できるってすごいことだなって初めて感じたの。
このことに気づいてから、今まで、同じ人間なのにおじいさんの状況に思いを馳せることもせず、無いもののように扱っていた自分がなんて酷だったんだろうって思って、涙が出てきたのよね。
なにが言いたいかと言うと、心が健康な状態だと、身の回りの色んなことに思いをめぐらせる余裕ができるんだろうなってこと。身の回りのことっていうのは、周りの人はもちろん、道端に咲いてるお花とか、空の表情とか、今世界で起こってる問題とかに関してもそう。
だから、まずは自分を律することって本当に大切だなって。
(私の場合は...)しっかり寝ること。良いものを食べること。家の中も心も整理整頓すること。
←私の生活で乱れがちなものたち。
そうすることができて初めて、外の世界にちゃんと目を向けることができる。
とくに都会に住んでいると、私みたいに心に余裕がない人が多いなって感じる。
でも実は意外と、忙しいのは頭の中だけだったりする。
だからもしかしたら、自分にとって1番大切なものが何かわかっていると、「忙しい、忙しい!」ってならないのかもね。
私は気を抜くとすぐに生活が乱れてしまうんだけど、そんな自分を律するという意味も込めて、最近は毎日徒歩で通学しているよ。おじいさんに挨拶したいからね。(5回に2回くらいの割合で走ってはいる。)
おじいさん、大切なことを教えてくれて、ありがとう!!
ちゃお!
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