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「営業職を採用する場合、ビズリーチが良いのでしょうか?」の質問の前に考えるべきこととは?

こんにちは、お金が入るでかねいりです。

今日は、採用を実施する際にどんなことを考える必要があるのかということをある経営者からの質問をもとにお伝えできればと思います。


■ある経営者からの相談

その会社は東海エリアにある商社で、事業の拡大を考え、東京に事務所を出すことを検討していました。

一方で、営業人員に余裕はなかったため、東京へ進出するならば営業職の採用が必要だと考えていました

そこで、「中途採用で営業職を採用するにあたって、どのような手段が良いでしょうか?やっぱりビズリーチとかが良いのでしょうか?」という相談がありました。

皆さんであれば、この経営者からの相談に対して、どのように答えるでしょうか?

私は、その経営者に次の質問をしました

「この事業所を出す目的は?」
「既存の顧客のフォローの意味合いが強いのか?新規開拓の意味合いが強いのか?」
「新規開拓の意味合いが強いとするならば、どのような顧客を増やすことを考えているのか?」
「その営業の方にやってもらいたいのは、案件を見つけてくることなのか?案件を見つけて、提案して、受注するところまでなのか?」

そうしたところ、その経営者は「そこまで考えていなかった」ということでした。

そこで、私はその経営者に「中途採用をする際に、採用の手段から考えるのではなく、事業所を出す目的とそこで何をやってもらいたい人なのかを考えることが必要です」ということをお伝えしました。

実は、採用におけるこのようなエピソードは、この経営者に限らず、とても多い。「採用しよう」となったときに、すぐに「じゃあどの媒体に掲載するか?」とか、「どの紹介会社にお願いするか?」とかを考えて、採用をスタートしてしまうというケースがとても多いのです。

このような流れで採用活動を進めると、仮に採用ができたとしても、「なかなか活躍できない」、「こんなはずじゃなかった」ということが起こりかねません。

■入社後、活躍する営業職を採用することの難しさ

中途採用において、営業職の採用はとても難易度は高い

もう少し正確に言えば、採用すること自体は難しくないのですが、入社後に活躍してもらう人材を採用することが難しいのです。

なぜかというと、「営業職」という言葉でひとくくりにしがちでありますが、営業という仕事は、本当に千差万別

一般消費者への営業もあれば、法人への営業もある。
富裕層への営業もあれば、家族向けの営業もある。
製造業への営業もあれば、サービス業への営業もある。
新規中心の営業もあれば、既存中心の営業もある。
集客から販売まで一貫して行う営業もあれば、販売のみを行なう営業もある。
同じ業界の営業でも、会社によって営業のやり方・進め方は違う。

なので、中途採用をする際に、次の2つのことを必ず考えなくてはいけません

①どのような目的でどのようなことを任せたい人物なのか
②その上で、そのようなことができる人物は、どの業界のどういった営業ができる方なのか

ご相談があった経営者の例で言えば、よくよくお話を聞いたところ、案件を見つけてくるということさえできれば良いということがわかりました。

その後は、本社の営業がそのあとを受けて、提案・受注活動を行うことができる。案件を見つけてくるところが一番の課題ということだったのです。

そこで私が提案したことは、「定年になった人脈が豊富な人物を採用して、とにかく案件を見つけてきてもらうというのはどうか」というものでした。

その経営者から、「たしかにその線で考えると良いかもしれない」という評価を得ることができました。

■経営における採用の優先順位を上げる

これまでの経営コンサルタントとしての経験から感じることは、多くの企業が「経営における採用の優先順位が低い」ことです。

「人が大事」、「人が財産」という会社は多いです。しかし、その割に採用に対して考えている時間が少なく、また担当任せにしているケースが多いと感じます。

これまではそれで何とかなったということが大きいのかもしれませんが、肌感覚で言うと、そのような状態では、本気でまずい状況になると考えています。

これから人が採れずに会社が衰退する、倒産するというケースがどんどん増えてくると考えます。

今日のお話が、経営における採用の優先順位を上げるということを考えるきっかけにして頂けると嬉しいです。

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