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スタートアップと大企業のコラボレーション

ちょっとした誤解があとあと大きく影響

スタートアップと大企業のコラボレーションについて学んだことを書きます。
僕は一社目がスタートアップで、現在勤務している会社は日本の大手企業です。僕がこれまでスタートアップや個人などスモールチームで得た経験を生かして、大手企業におけるオープンイノベーション事例を作りたいと思い大手企業側にピボットしました。
大手企業がスタートアップと組みたいと思って会話を始めるけど、なんかうまくいかないこととかって結構あると思います。人によっては当たり前かもですし、内容も一般論的な話しです。ただ、オープンイノベーションのプロジェクトでは忘れがちだったり、なんとなくわかっていても実際に違いや課題を理解して会話をするのって本当に難しいと思います。
書き方が、スタートアップ寄りになっているのは、自分が両方の経験があって、誤解されていることが多々あるなと思っているためです。
スタートアップや大企業のどっちが良い悪いって話ではないです。
自分でブレイクダウンをして再認識した方がいいなと感じることが多いので、書いてます。これから書くことを頭に入れておいた方が、プロジェクトを進める時のトラブル回避に役立ちます。
似たようなことをしている方や、当事者であるスタートアップ・大企業における担当者の方などに役に立てば幸いです。

1. 承認プロセスが違う

一方で人が少ない分、意思決定に関わる人は少ないこともあり、デシジョンメイキングや承認については、大企業と比べれば圧倒的に早いです。余計なしがらみもなく、ヴィジョンも持っているので、やるやらないの決断はやはり全然違うなと感じています。
大企業サイドでは、事業をたくさん持っていたり、ステークホルダーが多いこと、などが影響して、どうしても承認プロセスに時間がかかることが多い。
よく、スタートアップサイドからは「いつまでに何をするか」とか「大枠を決めて」とか「返事はいつ頃になるか」ってことを聞かれます。大企業の担当者も、当然のことを聞かれている自覚はほぼ全員持っています。でも、ステークホルダーが多い場合などは、一概に答えられない場合が多いです。大企業側担当者が板挟みになると、双方に良いことはありません。大企業のオープンイノベーション担当者って、自分の会社のために働いているのはもちろんですが、パートナー候補であるスタートアップのこともちゃんと考えています。どうしたら一番うまくいくのか、担当者レベルで相談し合うのが一番の近道な気がします。

2. 大手企業が思っているよりもはるかにリソースが違う

オープンイノベーション系で一番あるある話しですが、ほんとにリソースが違います。大手で勤務していたら、すぐにぱぱっとできることとかってあるのですが、意外と時間がかかったりします。でもそれって、自分ひとりだったり少数チームだったら「ぱぱっと」できることなのか?大企業の担当者が、何か新しいことを始める時って、色んな部署に手伝いをお願いして、人数はどれくらい必要か考えてアサインしたりできます。リソースがすごく余裕がありますよね。スタートアップって必ずしもそうではないのです。シード、アーリーでは特に人が少ないので、一人あたりの負担も大きい。大企業側ではパパっとできることでも、時間がかかったりします。

3. スタートアップは動きが早いという幻想

じゃあ、なんでよく「スタートアップは動きが早い」とかって言われるの?って思う方もいると思います。これって別に、事務手続きだったり承認プロセスなど、業務の話しをしているのではないです。もちろん、少数精鋭のようなチームを持っているスタートアップは多いですし個人の業務自体も早かったりすると思います。
ただ、この言葉の本質は実は違います。ポイントは主に以下です。
・ビジネスモデルのピボット
・ビジネスモデルに対する投資(人・もの・金・時間)の決断
主にこの2つを指した「動きが早い」ということが、言葉だけが独り歩きしている感じがしています。
ビジネスモデルのピボットが早いというのが、スタートアップとの取り組みの一番のメリットです。

4. コラボレーションを実現させるための相互理解

コラボレーションを実現させるには、大前提で上記の理解が大事だと思います。そもそも大きな企業とスタートアップって、対局にいて、文化も違います。その違いを埋めるためには違いを理解した上で、やっと”フェア”な立場に立って交渉が進むのではと思います。
もちろんビジネスなので、お互い仲良しこよしじゃできないし、自分たちの利益を考えて交渉しなければならないタイミングが来ます。
でも、共通のゴールを持ってパートナー候補とコラボレーション検討を進めていくには、少なくとも初期段階においてはお互いの理解が必要です。まずお互いの違いと課題を理解していかないと、良好なパートナーシップも結べなければ、気づいたら、片方が搾取して、片方が搾取するモデルになっていって、搾取する側はレピュテーションが下がり、搾取される側は息切れする、意図していない”全員不幸モデル”ができてしまうこともあるんじゃないでしょうか。

5.まとめ

色々書いたけど、実際は譲れない部分は双方たくさんありますし、当然、どれだけ利益取れるかってものすごく重要なので、あくまでマインドセットの話しと思って下さい。
上記を理解しておくことで、適切なタイミングで適切な依頼や高すぎる期待を持たずに、余裕を持ってコミュニケーションを取れるようになり、プロジェクトにフォーカスできるようになるのではないかと思います。
今回はマインドや文化の違いについて書きましたが、別の機会では、具体的にプロジェクトがどう進んでいくのか、オープンイノベーションにおける、利益の考え方とかを書いていきたいと思います。

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