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【堺シュライクス】佐藤将悟は次の道へ

創設メンバーの退団

「シュライクスができてから3年間、一番支えてくれてた5人選手が退団することになりました」
今季最終戦終了後・唐突に大西宏明監督から告げられた退団報告。

急に話を振られて苦笑いする創設メンバーたち

創設初年度の2019年から在籍を続けている選手は5人になっていた。
平岡楓・関口聡・吉田亘輝・岸本敦貴・佐藤将悟。その発表にスタンドがざわついた。

「3年間お世話になりました。1年目はなかなか試合に出れなかったですが、2年目3年目と試合にたくさん出させてもらうことができました。こうやって活躍をファンの方々に見ていただけてうれしかったです」

挨拶をする佐藤将悟(左から2人目)

そう言ってファンに挨拶をしたのは佐藤将悟。チームのムードメーカーであり、攻守の要だった。

たくさん練習して結果が出た

「最初は何が何だかわからないまま1年が過ぎて、堺に移籍してからもあんまり結果が出なくて……」

2018年に兵庫ブルーサンダーズ(※現兵庫ブレイバーズ)に入団。
そのオフ、堺シュライクス創設トライアウトに参加。合格を勝ち取った。

堺シュライクス創設パーティーでの佐藤。左は同じく兵庫から移籍してきた真路選手

しかし、開幕戦にDHで出場したのち、J・J、大前拓也らの加入もあり、DHや一塁の枠を押し出される形で出場機会が減少した。堺1年目は打率.225と思ったような活躍はできなかった。

「まともにやってなかったんでしょうね。うまいこといかなくて悩みました」

しかし、2020年になると、一塁のポジションをつかんだ。主に5番を打ち、4番の大橋諒介が残したランナーをさらに還していくという役割。
打率は1割ほど上げ.326、守備も無失策と課題を克服していった。「いろいろ試しながらやってみたことがハマった」ということだったが、最終的にはリーグ選抜メンバーにも選ばれた。

「練習するのが好きなんです。堺では思う存分練習をやらせてもらったんでそれで結果が出たのかなと思います」

練習場では真っ先にグラウンドに出てアップを始める。試合後のわずかな時間でもバッティング練習を欠かさない。ノックを受けると取れるまで打球に飛び込む。
大西監督をして「あいつほんまに練習好きやな」と評するほどの練習の虫。
背中でチームを引っ張っていった。

2019年、ノックに飛び込む佐藤。ただし、まったく届いていない

「運もよく野手が少ない中使い続けてくれてよかったです。それが成績につながったと思ってます。大西監督のおかげです」

今季も勝負所で何度も快打を放った。特に「人生初のホームラン」を皮切りに計2本のホームランを記録。2本目のホームランは10月15日、延長11回表に1点を勝ち越されたあと、同点に追いつく劇的なホームランだった。チームのサヨナラ勝ちへの呼び水となる一打だった。

ホームラン、バットに当たった瞬間
ホームランで二塁を駆ける佐藤

「ホームランは人生初だったこともあって本当に気持ちよかったです。2本目もいい場面で出て本当に良かったです」

ヒーローインタビューでボードの後ろに隠れていた白水大雅に水をぶっかけられる佐藤

野球は続く

後日、自由契約選手として公示が発表された。
「野球は続けようと思うのでいろいろとトライアウトを受けてみようと思っています。
今後についてそう語った。

きっと、どこに行っても、たくさんバットを振り、たくさんノックを受け、チームの盛り上げに一役買っていくだろう。

お手本のような選手だった。今後の活躍にも期待したい。

(文・写真 SAZZY)


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