さわかみ関西独立リーグ(公式)
試合観戦記、イベント試合のレポート、取材のこぼれ話など
笑い声と叫び声と熱量この日のキッピースタジアムは雪混じりだった。さすが近畿のシベリアと呼ばれるだけある三田だが、選手たちの熱量はすさまじいものがあった。 まずはこの日から合流した古屋剛投手が選手の前で歌を披露。雰囲気が明るくなったところで練習が始まった。 「しっかり駆け抜けろ―――!!!!」 走る選手に向けて山川和大監督の声が響く。 「コラー!!!!抜くなって言うてるやろー!!!!」と選手の動きは見逃さない。一人一人の名前を呼びながら選手を見ている。 「選手はここまでよ
練習前の厳しい一言2月7日、大阪ゼロロクブルズの本拠地花園セントラルスタジアムにて練習が行われた。 この日から11日までの間、実戦練習を行うため、本拠地花園セントラルスタジアムでの練習を組んだ。「新人・既存の振り分け」と谷口功一代表が位置付けていた。 しかし、この日、練習前に集められた選手たちに対して厳しい言葉がかけられた。コンディション不良の状態の選手が複数いたためだ。 「オフの間に体を作っている選手と作っていない選手がはっきりしている。トレーナーからは練習の量を減らし
自分たちで考える2月6日のみなと堺グリーンひろば野球場。曇り空の下ではあったが、練習開始時間の9時には選手たちがすでにグラウンドに降り体を動かしていた。 田谷拓央と市村将吾の2人の号令に合わせて選手たちがアップを始めている。 「アップはトレーナーが作ったメニューやけど、練習の内容とかは選手たちが考えて作ってるよ。こうしたほうがいいというアドバイスはするけど、基本的には選手たちが開幕までを逆算して自分たちで日々の練習メニューを考えている」 大西宏明監督がアップの様子を見なが
新チーム集合2月2日、和歌山ウェイブスの全体練習が始まった。 午後1時の上富田スポーツセンター野球場は少し肌寒い気温だった。 練習開始直前には川原昭二監督から「怪我をしていて走ったり投げたりできない選手はいないな?」と確認。誰も怪我はしていない、万全の状態だった。 「この時期にシーズンでも使うこの球場(上富田)でスタートできること、そして怪我人がいないこと、本当にありがたいですよ」 ほっとした顔で川原監督が言った。選手に声をかけながらグラウンドを歩き回っていった。 練習
ベストナイン12月よりファン投票を実施し、投票の結果、下記選手がベストナインに選出されました。皆様の投票、ありがとうございました。 先発投手 堺シュライクス 中村総一郎 10勝1敗0S 82奪三振 防御率1.07 中継ぎ投手 堺シュライクス 西川貴雅 1勝0敗5H3S 18奪三振 防御率1.02 抑え投手 堺シュライクス 村上海斗 村上海斗(堺)1勝2敗1H4S 27奪三振 防御率3.74 捕手 和歌山ファイティングバーズ 深谷力 打率.314 54安打 1本
11年目のシーズン2012年に17歳で独立リーグでのキャリアをスタートさせた松本聡。 2014年から姫路GoToWorld、兵庫ブルーサンダーズ、堺シュライクス、そして和歌山ファイティングバーズと、さわかみ関西独立リーグ内で4球団を渡り歩いた。海外に挑戦したこともあった。11シーズン目で引退を決意した。 「未だに成長は感じるんです」と松本は言う。 「でも僕がいることで他の選手が試合に出れないとなるとよくないですし、どこかで区切りをつけないととは思っていました」 今季は全
信頼と信念「ジェシーさん」と選手からもファンからも親しまれている。 人当たりのいい笑顔。コーチャーズボックスに立てば大きな声でチームを盛り立ていた。 2018年に兵庫ブルーサンダーズに入団。今季が5年目。兵庫に入団した当初から、裏方やコーチとしての役割も兼任していた。 06BULLS移籍後はマネージャーとして活動していたこともあり、「桜井(広大)監督から『代打マネージャー』とコールされて通った」という逸話もある。 イベント試合の際はギリギリまで進行の確認などに追われるこ
引退の理由9月、花田清志の今季限りの引退が発表された。 20歳。今季堺シュライクスに移籍。30試合に出場していた。 引退する理由について、肘の状態を挙げていた。 「中学の時、投手やっててフォークを投げまくってたら肘を痛めまして。でも三振をたくさん取れるから調子に乗って投げ続けてたら骨が変な角度でハマっちゃったんですよ。ネズミ(遊離軟骨)もあります。今僕の右腕は曲がってこれ以上伸ばせないんですよ」 肘に痛みも抱えながら野球を続けていたが、ついに日常生活に支障が出ると医者から
ぽつりと漏らした言葉「なんでこんなに元気ないんかなぁ」 ある日の試合後、山川和大と兵庫ブレイバーズの試合中の話になった。 「ベンチから全然声出てないでしょう?堺やほかのチームはベンチからもしっかり声が出てるし、こっちは点を取られたらすぐシュンとなってしまう」 巨人を退団し、かつて4年間を過ごした兵庫に戻ってきた山川。 今シーズンは最年長の野手としてチームを引っ張っていた。 一時、山川はベンチで声出しを率先して行っていた。 ファーストを守りながら、「ベンチ声!」と指示するシ
弟子入りある日の試合前からこんな光景が見られるようになった。 兵庫ブレイバーズ2年目の島田魁人。試合15分ぐらい前になると素振りをする。その素振りを見守っているもう一人の選手がいる。染矢啓士郎。今季から兵庫入りした選手だ。 島田がバットを黙々と振る。一振り一振り、丁寧にスイングしていく。打球を飛ばす方向を意識して、素振りをする。 「顔の向き、外野のフェンスのどこかに目印をつける感じのほうがいいよ」 「おおっ!いいねぇ!今日いい一本が出そうな気がするよ!」 染矢も素振りをす
覚醒の理由オープン戦こそ打率1割だったが、開幕後、突然火が付いたように打ち始めた。5月から約1か月の間に3本のホームランを叩きこんだ。 その勢いのまま、6月に行われた福岡ソフトバンクホークスとの交流戦では2安打。 桜井広大監督も「いいでしょ、変わってきたでしょ」と手放しに誉める。それが引木拓己だ。 秘訣は「ボールを見ない」好調の秘訣を尋ねてみた。すると野球のセオリーとは全く別の言葉が出てきた。 「ボールを見ないことですね。ボールの軌道を予測して打つ、ということをやって
トライアウトの時に2021年11月。リーグ合同トライアウト受験者の名簿を見てふと目に留まった選手がいた。堅木大輔。 堅木?奈良県出身? なんとなくバッティングフォームも顔つきも似ている。 まさかと思い、そばにいた06BULLSの堅木「康生」選手に聞いてみた。 「弟です」 そのまま堅木大輔はトライアウトに合格。和歌山ファイティングバーズに指名された。 2019年に和歌山、2020年に06に所属した堅木勇吾、そして2020年から06に在籍する堅木康生選手が、さわかみ関西独
6月1日、リーグスポンサー・オフィシャルパートナーとして新たに花浄院が加わりました。 ■スポンサー契約のお知らせ https://kandok.jp/archives/7578/ 今回、仲木威雄リーグ代表が花浄院・池本丈太郎社長に、野球の事、地域の事を伺ってきました。 花浄院はどんな会社?池本社長 「事業内容としては専門葬儀社として今年で52年目となります。元々は祖父が神戸市で創業し、その後、父が加古川市で葬儀社を始めました。」 仲木代表 「そもそもどういった経緯で葬儀
突然の引退発表6月30日、突然の知らせで衝撃が走った。7月2日で植田拓選手が引退すると堺シュライクスから発表があった。 高校通算63本塁打。甲子園で4本のホームランを放ったスラッガー。あまり例のないシーズン半ばでの引退試合がくら寿司スタジアム堺で行われた。 「元々手首を手術して、よくなってきてはいたのですが、また痛みが出てきました。3週間ほどノースイングで様子を見ていたんですが、状況があまりよくなくて、チームの徳島遠征の時に、監督に引退することを伝えました」 手首を痛め
6月16日、くら寿司スタジアム堺でNPB交流戦が行われた。今回の相手は福岡ソフトバンクホークス。 選抜メンバーはこちらを参照 試合概要試合は3回裏、市村将吾の二塁打を皮切りに、深谷力がタイムリー二塁打を放ち先制。さらに内藤晃裕の犠飛で追加点。 6回には上村広野の防球ネット直撃のホームランで1点を追加。7回にも内藤の打球が一塁手のエラーを誘い追加点を奪った。 9回に安打や失策から同点に追いつかれるも逆転は許さず、試合は引き分けとなった。 試合前と試合後「最近選抜の試合
開幕前の山科「監督、A班に上げてほしいです!」「とにかくまずはバッター相手に投げてみんとなぁ」 山科颯太郎投手。昨年の成績は4試合に投げて防御率38.57。2回1/3イニングしか投げていないにもかかわらず、四死球15、暴投12という荒れぶりだった。 選手層が厚い兵庫ブレイバーズでは投手陣を主力組のA班、それ以外のB班に分けている。山科はB班スタートだった。 が、合同練習が始まったところ、山科の動きは悪いものではなかった。ブルペンでは威力のある直球を投げ、投手陣全員に課せ