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【発言力と実行力】川崎皇翔の有言実行【06ブルズ】

「ね、言ったとおりになって来てるでしょう?」

今までいろんな選手と話をした。「こうしたい」「こうなったらいいな」という言葉を色々聞いてきたが、それに伴う「結果」を出した選手は一握りだ。

だから最初にこう聞いた時には驚いたものだ。「今からチームの項目で全部一番になりたいです」
それが5月末に川崎皇翔が話した「今からの目標」だった。

それから約3か月、花園セントラルスタジアムにはトンボが飛び始めた。

川崎は規定打席に到達。
さすがに開幕から試合に出続けている高山健太に安打数、盗塁数は届かない。スラッガー孫入優希にはホームランと打点は及ばない。だが、打率と三塁打はチームトップ、打率に至ってはランキングの2位に躍り出た。

(成績は2021年9月9日現在)

8月の試合でそろそろ規定打席に乗るという段階で川崎が言った。
「言ったとおりになってきたでしょう?」

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(9月7日 盗塁を決める川崎)

9日の試合ではついにホームランも放った。有言実行、ものすごい勢いで自分で立てたフラグを回収しつつある。

「しっかり言ってしっかりやる」

「疲れもあって途中交代させたこともあったけどよくやってますよ」
桜井広大監督は川崎の活躍に目を細める。雨天中止となった7月9日の選抜戦の直前も桜井監督とマンツーマンでトスバッティングを行い、細かく指導をしていた。「川崎のこと、しっかり撮っといてくださいよ!」と念押しをされたほどだ。

谷口功一GMも川崎の活躍についてはこう評価している。

「一見ヘラヘラしているようには見えるけれど、自分がやるって言ったことについてはしっかりやる。前に『出てこようと』する。そういった意味ではこのチームで上のレベルに一番近いのは川崎かな」

高校通算35本塁打のスラッガー。昨年は投手としてプレーしていたが、怪我もあり野手に再転向。「今は野手の感覚を取り戻して実力をつける時期」と課題にも向き合っている。

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(8月11日 くら寿司スタジアム堺であわやホームランという当たりを放った川崎。二枚目の写真は「しまった、この当たりだったら三塁に進めた」という顔)

そして試合後に話をすると「今、僕の打率どうなってますか?」と聞いてくるのがすっかり恒例になった。打率へのこだわりが今一番強いようだ。9月7日の試合ではセーフティーバントを試み内野安打を狙う一幕もあった。

「やはり打率が気になりますし、小技もできるし、長打も狙える選手だというところを見せたいですね。あとは三振が少ないというところも自分の持ち味だと思うので、強く振りながらも三振しないスタイルでやっていきたいです」

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(低めのボールにもこうやって食らいつく)

何が何でもというアピールと言葉

川崎の言葉で印象的なものが2つある。

一つは9月7日のダブルヘッダー、川崎自身の打率とトップを行く和歌山ファイティングバーズ・生島大輔の打率を見比べていた時だ、

「センターに(生島が打つ)フライが上がったら絶対全部取ります!」
結局生島はセンターへフライを打ち上げることはなかったが、「なにがなんでも打率トップになりたい」という意気が見えた一言だった。

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もう一つは7月9日、交流戦前に天気が怪しくなる中、桜井監督とバッティング練習をした後の一言だった。

「雨が降りそうで試合ができるかわからないですが、練習だけでもしっかりアピールできるようにやっていきたいです」

結局試合は中止となったが、練習からそのつもりでやる姿勢に感心した。

そして改めてチャンスが巡ってきた。9月12日のオリックス・バファローズとの交流戦メンバーに選抜された。

「自分のスイングをしていきたいと思います」

アピールの仕方は無数にある。どの手段を選ぶかは自由だが、川崎はとにかくその多くの手段をできるだけ使おうとしているようだ。

言葉を使ってその通りに活躍する。打率もトップを走っていた生島にかなり近づいてきた。川崎の今後に注目してほしい。

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(取材日:7月9日、8月11日、9月7日 SAZZY)

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