無機体(無生物)と有機体(生物)の違いとは？

(今日はnoteの深津さんの「好きなものへのこだわりを、『〜とは？』や『〜入門』などのタイトルで・・」という部分を参考に、ちょっと論文っぽく書かせて頂きます。)

　

今日は一日、雨が降った。
だから一日、じっくりと本を読んでいる。

以前、紹介した1905年に書かれた本が5巻まであるので、今日は4巻目を読んだ。以下の文章を通して、人間であることの基準を見たような気がしたので、ここに綴らせて頂くことにする。

※以前紹介した記事　飛行機とAI(人工知能)｜白滝みえ｜note

およそ物質の集合体に二種あり。金石土塊のごときはその一種にして、動物、植物等の生活体は、他の一種なり。(略)学者はこの二種を区別して、一を無機体といい、二を有機体という。　（社会は有機体なりや）から

牧口常三郎著「人生地理学」から

まずは、集合体には2種類あるという。

一つは金・石・土などの無機体(無生物)で、もう一つは動物(人間を含む)や植物などの有機体(生物)としていた。

前種の物体にありては、数個の物質が同一時に同一場所に集合したりというのみにして、分子相互の間に何らの関係なし。ゆえに今もし一部分を欠き失うことありとも、他の分子に対してなんらの関係なきのみならず、その金たり、石たり、土塊たることにおいては、以前として異なることなし。

同上

ここは無機体(無生物)の説明で、これらの集合体はお互いが関係を持っているわけではなく、一つが無くなっても他は影響を及ぼさないという。

確かに「関係性」に焦点を当てて見た時、無機体たちはお互い「関係がない」ということだろう。

これに反して、後種の集合体にありては、前者のごとく、数個の物質が同一の場所に集合して存するが上、物質と物質、部分と全体との間に、生活上の親密の関係ありて、一つの分子に異動ある時は、ただちに他の分子および全体に大きなる影響をおよぼす。

同上

一方、有機体(生物)の集合体においては、個々の関係や、全体と部分の関係はとても親密で、どこかで何かが起こると、個々や全体に大きな影響を与えてしまうという。

確かに「関係性」に焦点を当てた時、有機体たちはお互い「関係がある」ということになるだろう。

ゆえに例えば動物の身体中より胃を取り、あるいは脳を除くなど、部分の変動を成せば、たちまち全体は死に至り、ここに至りて各部分間及び部分と全体の間にこれまで有したりし関係は、まったく消滅して、第一種の集合体と化す。

同上

例えば動物から胃や脳を取り除けば、たちまち全体が死んでしまう。そいうなると部分と部分の関係や、全体と部分の関係がすべて消滅され、無機体(無生物)の集合体にしか過ぎないという。

結局、人間が無機体(無生物)ではなく、有機体(生物)であるためには・・

集合体における、関係性に焦点を当てた存在の在り方が重要になってくる。

よく考えてみると、人間という文字は「人」に、「間」という文字が付く。

例えば「時間」とは、「時」と「時」の間であり、例えば7時と8時の間が１時間のように、その「間」を示している。

同じように人間も、「人」と「人」の間である「関係性」状態こそが「人間」なのかもしれない。

人間とは、私がいて相手がいるとすると、私と相手との「間」の関係性こそが「人間」であり、その関係性もどんな形であれ、お互いを生かし合う関係性でこそ健全な人間なのだろう。

今の時代は特に「関係性」に焦点を当てることが、問われている。
まさしく、これからの時代を決定づけるものが、この「関係性」なのだろう。

ちなみにこのnoteという集合体は、「お互いを生かし合う」素敵な関係性の場だと実感している。

この場を通して、すべての出会いに、心から感謝を申し上げたい。

ありがとうございます。

これからも、よろしくお願いいたします。