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今日はなんとなく、徳冨蘆花。

一つの季節が過ぎて、一つの季節がやってくる今の時期は、何かを感じさせてくれます。変化のない地域からすると、「四季」という変化のある地域が持つ「豊かさ」は、想像し難いでしょう。

以前Kさんの記事で、久しぶりに拝見した徳冨蘆花。その後NHKを通して蘆花が、「お母さん」という言葉の生みの親だったことを知った時から、海外で生活する私は蘆花にすっかり魅せられました。(関連記事はこちら)

調べてみると蘆花には、著書「自然と人生」という本がありました。もうこの題名だけでも、やられてしまいます。


徳富蘆花、随筆小品集。1900年(明治33),民友社刊。巻頭に短編小説《灰燼(かいじん)》(1899初出)を,巻末に《風景画家コロオ》(1897初出)をおき,その間に自然の写生を主体とした散文詩風の小品文87編を〈自然に対する五分時〉〈写生帖〉〈湘南雑筆〉の3部に分けて収めている。従来最もよく知られたのは〈湘南雑筆〉で,1899年,1年間克明にとったこの自然観察のノートは,汎神論的な自然観とそれに接合する社会観との独自の文体による表現を通じて,大きな影響を与えた。(コトバンク「自然と人生」から)


これを職場の同僚に、帰国時買って来てもらいました。(いつも、本の宅配人になってくれてます 笑)


それは「本」という域を超えた、言葉の「宝石箱」でした。

作者みずからが草した紹介文にも「自然を主(あるじ)とし、人間を客とせる、小品の記文、短篇の小説」を集めて一本としたもの、とあります。


なんとなく今日は、その「宝石箱」の一部を披露させてくださいね。




《 夏去り秋來る 》  

 

女郎花(おみなえし)咲き、柿の實ほのかに黄ばみ、甘藷次第に甘し。


つくつくはうしは晝に、松虫鈴虫は夜に、共に秋を語る。


粟、稲、蘆穂(あしのほ)のさわさわと云う音を聞け。


微雨はらはら降りて止みぬ。


是れ今年の夏の季(シーズン)を送るの聲なり。



(「自然と人生」 湘南雑筆 八月十八日 から)




季節の変わり目、皆さんお体ご自愛下さいませ・・・



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