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コロナ禍が遠い昔となる暑さ~川柳3句

コロナ禍のマスク美人がなつかしや

ヘソは出しマスクで顔は隠す美女

敗戦を終戦といい夏は来ぬ


 旬杯「川柳」に参加します。


コロナ禍のマスク美人がなつかしや
ヘソは出しマスクで顔は隠す美女
 素っ裸の写真を見せられてもコーフンしない。裸の写真は社会にあふれている。でも服の間からチラリと見える素肌には興奮する。チラリズムのエロチシズム。
 チラリと目だけ見える、マスクをしている女の人はみんな美人に見えた。マスクをはずした顔には「あれーっ」と思うことが多い。
 全てを出さないから、そこを想像して本物以上に魅力を感じる。
 俳句や短歌の短詩系文学を古くから愛した日本人は、全てを表現しない、全てを見せないことに「美」を感じているのだろう。

敗戦を終戦といい夏は来ぬ
 「敗戦」と「終戦」。同じような言葉でも違う。
 どこかで聞いたような内容だけれど、洗練されていない内容だけれど、夏という季節の今、考えてほしい句。

 日本はアメリカに完全に敗北し、父や兄や弟、男の兵士だけでなく、罪もない赤ちゃんや子ども、民間人も多く亡くなった。町も大量に破壊された。沖縄は日本でありながらアメリカになった。
 ウクライナのことを考えるのなら、せめて夏には日本の歴史を少しは考えたい。


 川柳は江戸時代に生まれ広がった。柄井川柳からいせんりゅうが選んだものが評判になり「川柳」という言葉が生まれた。「誹風柳多留はいふうやなぎたる」というベスト本が毎年出版された。
 現代に川柳を創作するなら過去の川柳の歴史も見てみたい。
 今までに紹介した江戸川柳を以下の回でまとめている。

 

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