歓怒(かんど)
日本の自然について感じることを書いていきます。
現代にも通ずる江戸時代後期の文化について書いています。
ちょっとすたれてきた鉄人28号を見ながら、神戸再発見。神戸に関する話題を書いています。
壷にして深山の朴の花ひらく(水原秋桜子) 美しいものを言葉にしたり絵にしたり、写真に写したりする。 恥ずかしながら私の感動したものを詠った作品。
こんな人のあんなこと。私が気になる人物について書いています。
昔はレンゲ畑がたくさんあった。 田んぼ一面が赤く染まっており、寝っころがることもできた。 レンゲは田んぼの肥料として植えられていたのだが、化学肥料が増え、レンゲ畑も減ってきた。 レンゲ畑の中に、1株か2株、白いレンゲが咲いている。 突然変異で白くなるのだろうが、どの畑でもその割合で咲いていた。 白い花を探すのが楽しみだったなあ。 でも今は、レンゲ畑そのものがない。 あっ、レンゲが咲いている。 密集ではなく、まばらだけれどレンゲが咲いていた。 もう盛りは
黄表紙の代表作といわれる山東京伝(1761~1816)作画「江戸生艶気樺焼」(1785刊)上中下3巻の下巻、最終回。 艶二郎は、浮気な男は親から勘当されるものだと思って、勘当を望む。 下巻 十七 艶二郎は、望み通り勘当を受けたけれども、母から必要な金はいくらでも送ってくるので困ることはないけれど、なんぞ浮気な商売をしてみたく、色男のする商売は、夏の扇用の紙を売る、地紙売りだろうと、まだ夏も来ないのに、地紙売りと出かけ、一日歩いて足にマメをつくり、これにはこりご
家のそばの草の中に一株のいちごが生えていた。畑などまったくない草の中に生えていた。 田舎者の私は、野菜の葉を見たら、だいたい名前がわかる。ゴボウの葉や、里芋の葉、ジャガイモの葉など、わからない人が多いのを逆に不思議に思う。 で、いちごの苗を見つけた。どうやってそこに生えていたのかはわからない。誰かが苗を植えたのかも知れないし、いちごの種から芽が出たのかも知れない。 私は昔、いちごの種を植えたことがある。 いちごの種は、あのいちごの周りにあるブツブツだ。あれを植える
黄表紙の代表作といわれる山東京伝(1761~1816)作画「江戸生艶気樺焼」(1785刊)上中下3巻の中巻。 色男のような浮気なことがしたいと主人公、艶二郎が次々とばかなことをし続ける大人の絵物語。 中巻 九 艶二郎、吉原でいくら遊んでも、家に帰って焼きもちをやく者がいなければ、張り合いがないと、人を頼んで、焼きもちさえやけば後はどんな人でも良いと、四十歳くらいの女を、支度金二百両で妾に迎える。 艶二郎「支度金だけもらって、寝小便して出て行く『小便組』などはごめん
野を歩けば、知らないうちにスミレが咲いていた。 小さなスミレが、草の間で生きていた。
新年度が始まり、怒濤の1週間が過ぎた。 ふと見ると、スイセンの花が枯れている。いつ咲いたのだろう。 咲いていた時を知らないままに枯れていた。 横にはまだ花をつけている別の種類のスイセンがあった。 町には桜が満開で、山を見ると、ピンクの桜の花ではなく、白いコブシの花が咲いている。 コブシとはいうものの、神戸の六甲山系では、コブシの花よりも小さいタムシバの花が咲く。その花が山の斜面にぽつぽつと咲いている。 六甲山の春。 子どもの頃の景色とは違うこの景色を見る
4月になるとスーツ姿の新入社員の通勤姿がよく見られる。それとは逆に、仕事をやめる人もいる。定年退職をしても再就職をしたり、新しい仕事を探す高齢者は多い。働かなければ生活できないという切実な問題もあるが、そもそも我々日本人は働くことが好きなのだろう。 24時間戦えますか(働けますか)というコマーシャルが昔は流れていた。それを素直に受け入れる土壌が日本にはあったのだろう。 ヨーロッパの仕組みに習った現代日本は、毎週日曜日は休みになる。昔は日曜日なんてない。毎日が仕事だ。お
「江戸生艶気樺焼」(1785刊)は、山東京伝(1761~1816)作画の黄表紙、上中下3巻。 大人の絵本として、江戸時代後半の文芸界を席巻した黄表紙の代表作とされる。 作者、京伝は、江戸時代後半を代表する作家であり、浮世絵師北尾政演としても知られている。「江戸生艶気樺焼」を発表したのは20代中頃。その後も多くの作品を残している。 作品の挿絵の一部をアレンジし、文章もわかりにくい過去のものは現代風に意訳して紹介する。 上巻 一 ここに百万長者と呼ばれたる仇気屋の
都々逸を、 五輪咲いたら開花のその日 すでに咲いてる我も桜 桜の開花は5~6輪咲いたら宣言される。 大阪は開花のこの日、神戸の標準木は王子動物園にあるけど、こちらはまだのよう。 ソメイヨシノはクローンだから、同じ条件なら同じ時に咲く。 ソメイヨシノ以外のヤマザクラなどは、バラバラに咲く。 最近ニュースによく出るカワヅザクラもクローンだから、同じ場所なら同時に咲く。 クローンはみんな同じというけれど、よくよく見れば違いもある。一卵性双生児の二人だって、違いが
以前中西正男について書いたら、本人からコメントが来た。おおっ、noteすごい。感動もんや。 芸能記者、中西正男の文章は、取材をしっかりし、本人へのインタビューもしっかりしているので、おもしろい記事が多く、裏切られることが少ない。noteのこんな私の記事までチェックしているなんて、すごいじゃないか。 その中西正男がメッセンジャー黒田のYouTube「くろだ煮」に出ていた。 関西では有名人の二人だが、全国的にはあまり知られていないだろう。私の好きな二人の対談だから、
文芸には、男と女を題材としたものが多い。LGBTQと言いながらも、基本は男女の仲が中心となる。それが生物としての本来の姿だろう。男女の機微を詠んだ作品も多く創られた。 江戸時代に柄井川柳が選んだ川柳を集めた「誹風柳多留八篇」の紹介、最終回。 読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 愛想のよいのを惚れられたと思ひ463 あいそうのよいのをほれられたと思ひ 末の為なり末の為なり
アラレちゃんや「ドラゴンボール」の作者、鳥山明(1955~2024.3.1)が亡くなり、ちびまるこの声優、TARAKO(1960~2024.3.4)が亡くなり、マンガのニュースが多く流れた。「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこ(1965~2018)が亡くなってから、もう6年がたっているのか。 尾田栄一郎(1975~)の「ワンピース」も世界中で知られているが、日本のコミックスやアニメの基礎を築いたのが手塚治虫(1928~1989.2.9)だ。 アニメ「鉄腕アトム」は、
人の行動は、江戸時代も今も同じ。そんな日常を、江戸の一般庶民が五七五にする。 柄井川柳の選んだ川柳を集めた「誹風柳多留八篇」の紹介、全5回の4回目。 読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 書き置きはめつかりやすいとこへ置き334 書置はめつかり安い所へおき 前句不明 七七の前句は不明だが、五七五で十分わかる。家出の書き置きは、なぜか見つかりやすい場所に置いてある。この書
給食に出されたうずら卵をのどにつまらせて、小学1年生の子が亡くなるという悲しい事故があった。次々新しいニュースが流れるので、もう過去のニュースになってしまったのだろうか。 事故があった後、すぐに各教育委員会でうずら卵を給食からはずすところが出た。国会議員の定員や給与のように、なかなか決まらないことが多いのに、これだけは、臨機応変、すぐやる課もびっくりするくらいすぐに決めた自治体が多かった。子どもの心理的不安を心配してなのか、ただ単にクレームが恐いのか。 こんなにうずら卵
当時の百万都市、江戸には多くの人が集まっていた。田舎から江戸に人が集まるのは、今の東京に地方から人々が集まるのと同じ。江戸の昔も現代もそんなに変わらない。 江戸時代に柄井川柳の選んだ川柳を集めた「誹風柳多留八篇」の紹介、全5回の3回目。 江戸に集まった人々の小さな楽しみのひとつが、川柳を創ることだったのだろう。 読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 笑われるたびに田舎の垢が
「鬼も十八番茶も出花」ということわざがある。 鬼のような女性も、十八歳の頃はかわいい。品質の悪い番茶も、はじめの一杯はおいしい。という意味だ。なに。「鬼のような女性」ってなんだ。十八歳しかかわいくないのか。セクハラだ。不適切だ。 それで今は、「鬼も十八」を抹殺して、「番茶も出花」だけでことわざにしているようだ。 ことわざについては、いろいろ書いてきた。 番茶にしても、緑茶より劣るとはなんだ。不適切だといわれそうだ。 番茶は、地域によって違うようで、緑茶より劣る