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カンダマサヨシ
2020年4月15日 21:00
これは夢だ、そう自分が自分に告げる。目に映るまるで靄がかかった様に彩度の低い光景も、壁を一枚挟んだように弱く反響しながら聞こえてくる声も、そのどれもがここが現実ではないとオレに告げていた。そう、これは夢だ。オレはこの景色を知っている。16歳のクリスマスイブイブ、雪はない。吐く息をことごとく白く染める。肌を刺すような冷たい季節、だがこの場所だけは季節が入れ替わったような錯覚を覚えた。この会場