2023 J2 第36節「ファジアーノ岡山 vs ジュビロ磐田」超主観的振り返り
試合終了のホイッスル。
私の周囲に陣取っていた岡山サポさんは立ち上がっての大歓声と拍手。逆転勝利を果たした岡山の選手達の戦いを讃えていました。
岡山ベンチ前では、監督・選手・スタッフが肩を組み、丸くなってグルグルと回転しながら喜びを爆発。
私はシティライトスタジアムのメインスタンドに座っていました。
岡山サポさんとのミックス席。この日はベンチ入りできなかった大森晃太郎の2ndユニフォームを着て、周囲が真っ赤のファジレッドに染まる中、半ば孤軍奮闘の状態で観戦していました。
大型ビジョンには、岡山の選手達が大喜びでバックスタンドの岡山サポさんの前でダンスを披露し、はしゃぐ様子が映しだされていました。
岡山サポさんの笑顔で溢れる中、私はどっと疲労感が襲い、座席に深く座り込んでその様子を黙って見つめるしかありませんでした。
2023年9月24日、J2リーグ第36節。ジュビロ磐田はアウェイでファジアーノ岡山と対戦。1-2で逆転負け。
ジュビロにとってJ1昇格への大詰めとなった大事な試合。私はその戦いを現地で応援して見届けたく岡山に遠征する事を決めましたが、厳しい結果を突きつけられました。
岡山の選手・サポーターの歓喜の様子をしばらくの間見つめ、シティライトスタジアムを静かに後にしました。
帰りの新幹線。
窓の景色をぼんやり眺めながら、頭の中で何度も呟いていました。
前回対戦振り返り
前回対戦は、2月18日 第1節 2023年開幕戦。ホームヤマハスタジアムでの戦い。
ジュビロは2022年は、J1最下位でJ2降格となりました。成績不振のためシーズン途中で伊藤彰監督は解任され、後任の渋谷洋樹監督も2022年終了をもって退任となりました。
追い打ちをかけるように2022年途中に発覚したファビアンゴンザレスの二重契約問題で2022年オフ、2023年夏の選手補強が禁止となったジュビロ。
新監督は横内昭展さん。公式戦初采配の日となりました。
しかし、昨年J2を3位でフィニッシュし、続投した木山監督の下、その練度と継続性十分の岡山はジュビロに襲い掛かります。
ジュビロは前半で2失点。更に後半で失点。後半44分時点で0-3というスコアでジュビロ敗色濃厚。
しかし後半19分から途中出場した現役高校生ルーキー後藤啓介が、後半44分、そして後半アディショナルタイムの47分に立て続けの2ゴールで1点差に詰め寄るという鮮烈な公式戦デビューを果たしました。
結果は2-3でジュビロ敗戦。しかし、後藤啓介の大活躍で一矢報いた結果となりました。
スターティングメンバー
ジュビロ磐田
負傷のため戦列を離れていたキャプテンの山田大記が、前節ホーム山口戦から復帰。そしてこの岡山戦で、7月16日第26節ホーム藤枝MYFC戦以来約2か月ぶりにスタメン出場を果たしました。
累積警告で出場停止だった鹿沼直生が復帰。上原力也とのダブルボランチ。
センターバックの控えには森岡陸。一方で鈴木海音はAFC U23アジアカップ カタール2024予選の遠征を終えて以降、2試合連続でベンチから外れているのが気掛かりです。
また金子翔太は、7月9日第25節アウェイ山形戦以降連続出場を続けてきましたがベンチ外となりました。
ファジアーノ岡山(前回対戦との比較)
岡山は夏季の移籍ウインドウで千葉から末吉塁選手を期限付き移籍で獲得。一方で佐野航大選手のオランダへの移籍が話題になりました。
前回対戦が第1節で時間が経過しており、新加入の末吉塁選手を含め大きく陣容が変わっています。岡山に限らずですが、補強選手を含めアップデートした岡山と戦うことになります。
松原后のゴールで先制!
ここ最近は前半になかなか得点できず、後半で追いかける試合が多いジュビロ。
しかし、前半7分、ジャーメイン良、山田大記、松本昌也が繋いだボールを松原后が流し込んでジュビロが先制!
ジュビロが先制した試合は、8月19日第31節アウェイ甲府戦以来約1か月ぶり。長かったですね。
更にはカメラに向かってゆりかごダンスも披露。
試合開始早々のジュビロの得点にどよめく周囲の岡山サポさんを横目に、心の中でガッツポーズと松原后のチャントを歌いながら、私はシメシメの顔をしていたと思います。
先制して逃げ切るという試合展開に飢えていたので、今日は期待できると思ったのですが・・・・。
リカルドグラッサの守備が光る
前半11分、右サイドをドリブルで運ぶ仙波大志選手が、前を駆け上がる末吉塁選手に向けてパス。
末吉塁選手は右サイドからクロスを上げようとドリブルで走ります。
そこへ猛然と向かってきたのがリカルドグラッサ。ゴールラインぎりぎりでブロック成功。しかもそのボールをマイボールとして回収しクリアに成功。
この試合もリカルドグラッサの守備が非常に効いていました。
前半で追いつかれる
試合開始早々で先制したジュビロですが、追加点が奪えません。逆に37分には鈴木喜丈選手に同点弾を決められてしまいます。
周囲の岡山サポさんは大盛り上がり。
ただ、試合後にDAZNで前半のスタッツを見ましたが、シュート数は
ジュビロは岡山の倍のシュート数にもかかわらず決め切れてなかったことが判ります。依然として決定力に課題を残す結果となりました。
後半は後藤啓介や藤川虎太朗が控えているので猛攻を仕掛けて突き放してくれることを期待しました。
痛恨の失点
後半1-1のままスコアは動かず、じりじりとした展開が続く中、後半29分、ジュビロベンチから後藤啓介と藤川虎太朗の姿が。
スタンドに後藤啓介の名前がアナウンスされた時、岡山サポさんが少なからずざわついたのが判りました。やはり、開幕戦の2得点のインパクトは大きかったのでしょう。
しかし、その直後の岡山のコーナーキックに柳育崇選手がヘディングシュート。無情にもジュビロのゴールに突き刺さり岡山が逆転。
今季特に序盤はセットプレーからの失点が大きな課題だったジュビロでしたが、改善をしてきた効果か、序盤よりは減ってきてはいました。しかし、大事な大事な場面で痛恨の逆転弾を被弾してしまったジュビロ。
試合終了後、横内監督はこの場面を振り返っています。
横内監督もCKの失点が増えたことへの懸念を示しています。相手も研究してきているでしょうし、更にそれを上回る練習をしなくてはならない。プロの世界というのは改めて厳しい世界だということが判ります。
・・・
周囲の岡山サポさんは歓喜の渦。
しかしまだ15分少々残っています。
周囲が俄然「おせおせ」で盛り上がる中、祈る思いでした。
遠藤保仁のコーナーキック
試合終了目前となった後半41分、横内監督は遠藤保仁と小川大貴をピッチに送ります。
そして、後半アディショナルタイムに入った後半45分、ジュビロのコーナーキック。
遠藤保仁がキッカーを務めることが判ると、岡山サポさんの反応が「ええ!遠藤が蹴るの?ちょっと止めて!」と言った声や、そうは言っても遠藤のキックが見たいという反応があって、やはり遠藤保仁というサッカー選手の存在は他サポさんにとっても大きいものなんだなと改めて感じました。
しかし、残念ながら得点とはならず。
ジュビロは大事な一戦を落としてしまいました。
「横内磐田でJ1へ」
時系列は戻りますが、試合開始前のウォーミングアップ開始時に選手達がジュビロサポーターに挨拶向かった際、このような横断幕が掲げられました。
勝ち切れない試合が続いているジュビロに対し、横内監督と共にJ1に戻る気持ちを示してくれた団体さん。本当に嬉しかった。
失意で帰宅した私でしたが、感謝の意を込めてXでポストしました。
次節へ向けて
過去のJ2の実績を踏まえ、自動昇格ラインを「最終節で勝ち点80以上」とし、ジュビロの振り返りnoteでは後半戦のジュビロ磐田の現在地を示してきました。
第36節岡山戦を終えて勝ち点は62。
残り6試合。
最終節で勝ち点80以上をクリアするには、6連勝しかなくなりました。
非常に厳しい現実。
しかしジュビロは3位に着けています。2位清水エスパルスとは勝ち点差2。
清水とは直接対決を残していますので、まだまだ諦めるわけにはいきません。
「横内磐田でJ1へ」
これを何としても実現したい。
火中の栗を拾う形でジュビロに来てくれた横内監督への想いはXでポストしました。本当に感謝しかないです。
残り6試合、精一杯戦ってJ1昇格を掴みましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れる事を祈って。