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2023 J2 第1節「ジュビロ磐田vsファジアーノ岡山」超主観的振り返り|後藤啓介鮮烈デビュー

磐田 2-3 岡山
【得点者】
磐田 : 後藤啓介(後半44分、後半47分)
岡山 : 櫻川ソロモン(前半26分)、坂本一彩(前半31分)、佐野航大(後半9分)

2023年2月18日、明治安田生命J2リーグが開幕しました。

ジュビロ磐田は、ホームヤマハスタジアムでのファジアーノ岡山との一戦です。

1.コロナ禍前の日常へ

今試合からヤマハスタジアムでの声出し応援が解禁されました。2020年開幕戦以来3年振りです。

コロナ禍に入り、本当に長い期間、非日常の生活を送ってきましたが、ようやくコロナ禍前に戻りつつあることを実感し嬉しかったです。

コロナ禍では当たり前だったスタジアム入場時の「検温」も無くなっていました。

また、「ホームゴール裏」となるF1・F2席は自由席となり、先行入場の待機列も復活しました。

ヤマハスタジアムジュビロ広場 先行入場待機列

2.Jリーグ昇格30周年

2023年、ジュビロ磐田はJリーグ昇格30周年を迎えます。ヤマハスタジアムも新しい装飾が施されていました。

写真撮影する方が多く、気分が上がります。

第1ゲート階段に 30周年の記念ロゴ
第1ゲート階段横 ジュビロ磐田選手達

3.ジュビロクラブアンバサダー就任式

今シーズンから新設されたジュビロクラブアンバサダー。試合開始前に就任式が行われました。改めてアンバサダーは以下の通り。

スピラ・スピカ(幹葉)
Atomic Skipper
SHONO
田中真琴
こんちゅうくん

(敬称略)

以下のnoteもご覧いただけると嬉しいです。

田中真琴さんの挨拶では、感極まって涙する場面が。スタンドからも大きな拍手。幼少時代から生粋のジュビロサポーターであることからその想いが溢れたと思います。

試合前から感動のシーンに「もらい泣きしてまうやろ・・・」

一方、田中真琴さんの次に挨拶したこんちゅうくん、「田中真琴さんの感動的な挨拶の後では・・・」とかなりハードルが上がった状態で挨拶をすることに戸惑っていたのは面白かったです。

4.「最響未来ファンファーレ」

今年のジュビロ磐田のシーズンソングは、「最響未来ファンファーレ」

シーズンソングアーティスト4年目となるスピカ・スピカが今年もジュビロ磐田のために楽曲作成してくれました。

「最響未来ファンファーレ」については、以前のnoteもご覧いただけると嬉しいです。

今年も開幕戦のハーフタイムライブで披露してくれました。

スピラ・スピカハーフタイムライブ

早速ダウンロードして購入した楽曲をヤマハスタジアムに向かう車内で聴いてました。

気分が上がるメロディーはもちろん最高なんですが、過去3年間のジュビロの戦いを見続けた幹葉さんだけあって歌詞が良い。特に以下の所。

「輝く思い出に 負けないくらいの 最強の未来 作り上げよう」

これは、2月14日に放送されたSBSラジオで放送された「ヒデとキトーのFooTALK!」で幹葉さんが出演して語ってくれました。

「輝く思い出」とはJリーグで覇権を争っていたジュビロ磐田黄金期のこと。

黄金期を経験していない幹葉さん。その時代に負けないくらいの、強いジュビロを作り上げて欲しい想いが込められています。

私も2019年からジュビロ磐田を応援している人間ですので、知識として黄金期は知っていますが、肌で感じていません。

次代を担うサックスブルー戦士たちが強いジュビロを再建して欲しい。そんな願いを強くさせてくれる楽曲です。

今回作曲したYUUKIさんは、2017年・2018年にUNIONEとしてジュビロ磐田のシーズンソングを担当しました。今回の開幕戦にも駆けつけてくれて嬉しい限りです。

5.岡山戦振り返り

開幕戦だけにイベントが多かったのですが、ここからは試合について。

スターティングメンバー

横内昭展監督公式戦初采配です。注目のスタメンです。

GKは梶川裕嗣。2022年8月13日のエコパ浦和戦以来のスタメン。

そして、正にスタメン奪取と言っても良いでしょう。針谷岳晃が名を連ねました。プレシーズンのトレーニングで、遠藤保仁、上原力也、鹿沼直生、ドゥドゥ、藤原健介と激戦のボランチ競争を見事勝ち抜きました。

北九州から覚悟をもって帰還した岳ちゃん。ジュビロでの開幕スタメンは初です。感慨深い思いでいっぱいになりました。

プレシーズンで負傷してキャンプ合流が出遅れた伊藤槙人でしたが、コンディション上げて開幕に間に合わせました。

サブの注目は、レンタルバックの鈴木海音、ルーキー後藤啓介、昨年は殆ど出番が無かったドゥドゥ。個人的には鈴木海音のスタメンが見たかったのですが、長いJ2の戦いなので今後に期待です。

痛恨の3失点

試合開始早々は、敵陣でプレーする時間が多くジュビロが押してた印象。しかし、徐々に岡山ペースに。

前半26分、櫻川ソロモン選手
前半31分、坂本一彩選手

前半で2失点。

昨年同様に「前半失点し、後半追いかける。」という難しい試合展開になってしまいました。

後半も開始早々9分に佐野航大選手がゴール。後半早々で0-3という、更に勝利には困難な状況に追い込まれました。

横内昭展監督新体制で「基盤づくり」と「成長」が今季目標のジュビロ磐田。鹿児島キャンプ終了時点で横内監督は以下のようにコメントしています。

「磐田に戻ってからは(開幕戦の)岡山の情報を少しずつ入れながら、チームとしてどう戦っていくかを落とし込んでいく」

2023年2月5日 日刊スポーツ記事より引用

選手達は、キャンプ後から開幕までの約2週間で、できる限りのことは取り組んだと思うのですが、昨年J2を3位でフィニッシュし、続投した木山監督の下、その練度と継続性十分の岡山にはまだ及ばなかったのかもしれません。

針谷岳晃の健闘

開幕スタメン奪取を果たした針谷岳晃。

持ち味の縦パスなど随所にその片鱗を見せてくれました。移籍前から、その上手さを十分持ち合わせていた選手なのですが、北九州で主力として戦い、その積み上げた経験が自信になって表れています。やはり彼が帰還したことは長いJ2を戦う上で非常に大きいと感じました。

残念ながら、得点に結びつくプレーには至らず、後半からは遠藤保仁と交代となりましたが、今後もチャンスはあるはずなので期待しましょう。

遠藤保仁の意地

後半開始から針谷岳晃と交代でピッチに入った遠藤保仁。開幕戦連続スタメン記録は途絶えました。

もちろん記録のためにプレーしている訳ではないと思いますが、ベンチスタートとなった事には忸怩たる思いだったと推測します。

前半はベンチで戦況を眺めていたヤットさんは、試合後のインタビューで、その前半での課題について指摘していました。

・・・ちょっと中途半端になってしまったというか、蹴るのか繋ぐのかという状況だったのかなと。ただ、ミスを恐れず怖がらずに繋げば良かったと思いますし、蹴るなら蹴るでセカンドボールなり、そういうものを拾いながらリズムを作っていけたら良かったかなと思います。ただ、前半リズムが悪くても失点しなければ何の問題もなかったですし、1点目はセットプレーからなので、こういう試合で先にセットプレーなどでやられるのは今後避けていきたいなと思います。

ジュビロ磐田公式ホームページより引用

ヤットさんが入ってからもカウンターの形で1失点してしまうのですが、前半よりもジュビロのセットプレーの機会が増え、後藤啓介のアシストも決めるなど流れは変わったことは事実です。

「簡単にはポジションは譲らない。」というヤットさんの意地が垣間見えた後半の戦い。遠藤保仁ここにありということを見せつけました。

しかし、岳ちゃんや、ベンチ外だった上原力也、鹿沼直生、藤原健介はこのヤットさんの壁を乗り越えて欲しいのです。

横内監督が始動日に掲げた「成長」。これを成し遂げなければ、将来J1に上がったとしても去年惨敗した二の舞になります。

若手の奮起に期待しましょう

後藤啓介鮮烈デビュー

後半、横内監督は遠藤保仁以外に、ドゥドゥ、松原后、後藤啓介、金子翔太を投入し戦局打開を図ります。

この采配が、将来のジュビロに光を見せてくれることになります。

試合終了間際の後半44分。相手ペナルティエリア左側からボールを奪った松原后が前を向きます。その動きを見た後藤啓介もゴール前にすかさず走り込む。

松原后が蹴り込んだボールを、後藤啓介がニアで絶好の角度とタイミングで足を出しゴール。

デビュー戦で、見事プロ初ゴールを決めてくれました。

17歳260日での得点は、あの高原直泰さんの18歳290日の記録を大きく上回るクラブ新記録となりました。

この勢いは止まりません。

後半アディショナルタイムに入って47分。遠藤保仁のショートコーナーから山本康裕が受け、再び遠藤保仁に返してクロスを上げます。

そこへ後藤啓介が191cmの長身を生かし、岡山のディフェンス陣を超えた位置でヘッドで合わせ、速攻で見事2点目を決めました。

ジュビロ磐田公式YouYubeチャンネルでも独自カメラでその2ゴールを観ることができます。


後藤啓介のゴール直後、ゴール裏サポーターに向け
「もっと応援してくれ!」
とばかりに煽るその姿に、私はスタンドで涙が止まりませんでした。

今このnoteを書いている途中でもその姿を思い出して涙が出そうになります。

2021年でルキアンが去って以降、決定的なストライカーが不在だったジュビロ。

昨年2022年のJ1での戦いは本当にゴールが遠く、頼みの綱だったファビアンゴンザレスも二重契約問題でJ1残留争いに参加できませんでした。

一方で敵チームは悠々とゴールを重ねる姿に、本当に悔しく、寂しいシーズンを過ごしました。

2023年に即戦力FWとして大いに期待された師岡柊生選手も、ファビアンゴンザレスの二重契約問題の煽りでジュビロ内定が決まっていながらも、鹿島アントラーズに入団することになってしまいました。

その中で、唯一の新加入選手で、しかも、高校二年生の後藤啓介が2得点を決める姿。

U-18時代の監督だった前田遼一さんは、かつてジュビロ磐田の絶対的なストライカーでした。推測ではありますが、その薫陶を多分に受けた結果がでたのかもしれません。

試合終了後の後藤啓介のインタビューには、そのメンタルの強さに驚かされます。

周りの人に聞いて貰えば分かるのですが、バスの中でも、昨日も、「俺は明日点を取れるから」と言っていました。自分は初戦だったり、決勝は強いメンタリティを持ってプレーしていて、いつも初戦と決勝は点を決めているので、今日もやれるなと思っていました。

ジュビロ磐田公式ホームページより引用

高校二年生ですよ。

確かにU-18で多くの経験積んではいる選手ですが、ここまで言ってのける後藤啓介のメンタルの強さと強気。

何とも頼もしいじゃないですか!

ジュビロの将来に一筋の光が見えた気がしました。

松原后の貢献

ルーキー後藤啓介の1点目をアシストしたのが松原后でした。

このシチュエーション。恐らくジュビロサポーターの多くの方が、昨年も同じような場面があったことを覚えているのではないでしょうか?

2022年10月12日、J1リーグ第27節 横浜F・マリノス戦。ルーキー古川陽介の値千金のゴールを演出したのも松原后でした。

このことについて、松原后は試合後のインタビューで以下のように語っています。

彼らはまだ経験が浅い選手たちですし、才能ある選手を伸ばす手助けをしなければいけないと思うので、コミュニケーションを取ることで彼らも活き活きしてプレーできると思いますし、そういうところを擦り合わせていけたらなと思っています。彼らにアドバイスをすることで、今日のようなアシストをして、自分も活きる。(古川)陽介の時もそうでしたが、そういう相乗効果をもっと生み出していきたいなと思います。

ジュビロ磐田公式ホームページより引用

後輩を育てることで、自分のプレーに対しても活きることを語っています。人材育成の一端を見たような気がします。

これって、一般社会でも当てはまるのではないでしょうか?

これは自戒の意味を込めて言いますが、後輩に積極的に仕事を任せ、そのフォローをする作業は、得てして日常の忙しさから「自分がやった方が早い」と感じてしまうことは無いでしょうか?

しかし、後輩を育てるという作業は、その後輩自身の成長だけでなく、チーム(会社や組織)の繁栄、そして教えた自分自身も活きる。

職種は全く違いますが、プロスポーツ選手達の言動には改めて気付かされることがあります。

次戦に向けて

改めて、結果は2-3でジュビロの敗戦です。

もちろん敗戦なので悔しいです。でも特に今季は勝敗に一喜一憂してはいけないと感じます。

改めて、山田大記がキャプテン就任時のコメントでは、以下のように語っています。

「チームで色んなトライをしていくしトライしたことにエラーが出てもう一回みんなでじゃあ次はこうしようというのを繰り返していく1年になる」

ジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルより引用

今回の岡山戦は、針谷岳晃のスタメン、ルーキー後藤啓介の開幕戦での抜擢、昨年殆ど出番が無かったドゥドゥの起用、松本昌也の左サイドバックでの起用、4バックの採用、などなど、従来のジュビロでは行っていなかったトライが随所にみられました。

3失点での敗戦なので、結果から見たら失敗でしょう。

でも、山田大記が言っていたように
「エラーから、次何をすべきか?」
という点に、十分フォーカスして臨んで欲しいと思います。

まだ、42試合の内1試合を終えただけです。さらにルヴァンカップや天皇杯もあります。

次節は、2月26日(土)アウェイでレノファ山口FCと対戦します。

ジュビロにとって過去戦績あまり良くない山口戦ですが、ぜひリスクを恐れずトライして欲しいです。

改めて難しいシーズンになることを痛感した開幕戦でしたが、課題が出たことをポジティブにとらえ前を向きましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。


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