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「複業マネジメント」の成功のカギとは?正社員も複業も自走する組織の作り方

こんにちは。シェア買いアプリ「カウシェ」を運営する株式会社カウシェのHRを担当している @kanba です。

カウシェは創業から多くの複業メンバーに支えられて事業を運営しており、現在では総勢100名を超える組織になりました。(正社員23人、複業73人、インターン5人, 役員・他12人 *2022年9月1日時点)
*カウシェでは、フルタイムの仕事につきながら、週に数時間カウシェに関わる方や、フルタイムに近い形での業務委託をされている方を総称して、「複業」とお呼びしています。

最近、様々な方から、どのようにここまで多くの複業のメンバーを採用しているのか、またどうマネジメントし活躍する土壌を築いているのかなど、ご相談いただくことが多くあり、世の中のニーズを感じ、今回noteにまとめてみました。
内容については自社ならではの側面もあるかもしれませんが、様々な働き方を社会に広げていきたいというカウシェの創業からの想いもあり、発信をしています。

本noteの想定読者、企業

このnoteは、創業から複業メンバーに支えられてきたカウシェが、100人を超えた組織になる中で取り組んできた複業マネジメントについてまとめたものです。
複業の活用を考えている会社経営者、マネージャー、人事の方々にとっての一助となればと思い、内容をまとめております。
本noteを読み終わった後に、「複業との向き合い方や仕事の渡し方」「採用、オンボーディング、コミュニケーションや情報共有」などについて、ヒントになればと考えています。

カウシェ組織について

正社員のうち、複業経由で正社員になった割合が半数を占める

まずは、カウシェの組織の実態についてお話しします。現在正社員は23人ですが、そのうちの半数が複業期間を通して、正社員になっています。
その正社員になった方々は、お試し複業のような形ではなく、一定期間(平均すると440日も!)複業としてカウシェで働いています。その過程の中で、初めは転職する予定でなかった方も、カウシェに段々と魅力を感じ、ジョインすることになったケースが多く、カウシェのカルチャーの一つだと感じています。

正社員の入社経路。全体の50%が複業orインターン経由
正社員になるまで複業として働いた日数。平均するとなんと440日!

複業から正社員になった方々の入社エントリーを一部ご紹介

(私自身も、複業から正社員になりました)

複業メンバーの働き方

その他、カウシェで複業として働くメンバーの働き方や、組織状況が理解できる数値データをいくつかご紹介させていただきます。
ビジネスサイド、プロダクト、コーポレート...。どの組織においても複業が活躍しており、勤務時間も様々です。

ポジションごとの複業人数:各ポジション70%程度が複業として活躍

複業メンバーに活躍いただく上で、非常に大事にしているポイント

そんな様々な形態で、ある意味バラバラに働くメンバーがなぜ活躍できるのか?それは、我々の組織ビジョンである「自律・自燃型組織」が形成できているからだと考えています。
*自律・自燃型組織…自ら働く環境を楽しみ、熱量を最大化する組織

正社員にとっても、複業メンバーにとっても、カウシェというチームがこのビジョンを達成していることが理想であると考え、以下の思想を大切にして活躍の土台を作っています。

  • 情報は可能な限りオープンにする

  • 雑談や自由なアウトプットが生まれる環境と風土を作る

  • はじめの成功体験を積めるよう、応援し、支援する

  • 非同期コミュニケーションが基本であるという理解のもと、非同期でも情報格差が生まれない工夫(ドキュメント、レコーディングなど)を行う

  • タスクベースではなく、ミッションベースの仕事を行う

  • 複業メンバーには積極的に、重要度は高いが、緊急度が低いミッションを担ってもらう

オープンな情報共有と、居心地の良いコミュニケーションの構築を意識しています

文化として大切にしていることは、「オープンさ」です。それは、主にコミュニケーションを行うSlackでももちろんそうで、やりとりのうち、8割以上はオープンチャンネルで行われています。
「zp-○○」という個人チャンネルをほとんど全ての人が作成しており、自身のアウトプットを発信する方もいれば、見る側メインで、他のメンバーのアウトプットに反応するなど、それぞれの個人に合わせた活用を行っています。
(ちょっとしたやりとりは、zpで行っており、オンラインかつ時間軸の違いがある非同期コミュニケーションにおいて、心理的距離感を近づけることができているのではないかと思います)

<ちょっとしたやりとりの例>

また、All Hands(全社会のようなもの)や株主定例共有会をはじめ、複業メンバーも様々な会議に出席することができ、時間の都合で出席できないことを考慮し、書き起こしやレコーディング、議事録なども用意しています。また、正社員にとっては当たり前の日々流れるSlack情報も、複業の方にとっては情報が多すぎるものであるという前提から、1週間で流れた情報のうち重要なポイントをまとめた「Weekly KAUCHE」というデータベース作りとその週次発信もおこなうなど、工夫をしています。

また、先日発表した資金調達のプレスリリース写真には、複業メンバーも参加してもらいました!

(PRの裏側も公開中ですので、ご興味お持ちいただけた方はこちらもぜひ。)

複業の採用はどうやってやっているのか

次に、複業の採用について、ご紹介します。
一般的な正社員の募集と比べて特筆すべき部分は以下の2点です。

(1)リファラル経由がほとんどを占めている

稼働時間がフルタイムメンバーと比較すると短いため、相対的にキャッチアップに時間がかかります。リファラルは、「既に知っている」「働いたことがある」方であるため、複業メンバーの活躍の初期障害になりうる立ち上がりの円滑さという観点において、非常に大きなメリットになると考えています。
また、リファラル以外については、正社員としてスカウトをした方が複業を望むケース、エージェント様からのご紹介がメインです。

(2)複業でも、「人ありき」でポジションをつくることも

カウシェにジョインして欲しいと思う方とコミニケーションを取る中で、カウシェでの活躍可能性と、ご本人のウィルの重なる部分を探りながら、従来募集していなかったとしても、「その人」ありきで新たなポジションやミッションを作るケースがあります。
過去には、戦略構築のミッションを担っていただいたり、実働部隊として新領域を拡大する役割を担うミッション、既存メンバーの壁打ちをするアドバイザー的なポジションを新たに作りました。

オンボーディング期間を通じて、早期に成功体験を積んでほしい

こうして、複業としてカウシェの仲間になっていただいた方には、正社員とほとんど変わらない、オンボーディングプログラムを提供しています。(以下例です)

  • 初日の受け入れ(HRからの会社説明や、カウシェで働く上での情報や手続きをまとめたページのご案内、部門ごとのオンボーディング)

  • 現場でサポートするメンター制の実施

  • CEOをはじめとしたメンバーからの定期的なインプット(内容は、日々ブラッシュアップをしており、現在は、働き方編、戦略編、カルチャー編の3編に分かれます)

<オンボーディングページの一例>

初日は設定や挨拶などを中心に案内しています
Day2以降は、人を知る、事業を知る、働き方を知る、などのテーマに分かれます

定期的なインプットについては、もちろんスケジュール的に都合がつかないメンバーもいるため、参加の強制はしていません。
代わりに頻度高く実施することで、参加できるタイミングを広くご用意しています。

複業メンバーは高い専門性を持ったスペシャリストの方が多いです。しかし、スペシャリストと言っても新しい環境で(かつ短い時間で)パフォーマンスを発揮するのは至難の業です。

まずはカウシェでの成功体験を積んでもらいたい、そしてカウシェを知る中でさらなるパフォーマンスを自律的に発揮していただきたい、と考え、会社と周囲のメンバーが伴走しつつ、オンボーディングプログラムを実施しています。

カウシェで複業をしながら成長し、ウィルを実現してもらいたい

カウシェでは、複業メンバーにとっても成長や熱量の最大化ができる場となり、Enjoy Workingできる環境にしていきたいと考え、人事制度「KAUCHE de Work」を定めています。その中には、複業向けの制度も多く制定されています。

<人事制度「KAUCHE de Work」の例>

複業メンバーの働き方にもよりますが、四半期〜半期に1度、上長との振り返りと目標設定を行い、活躍したメンバーには昇給のチャンスもあります。

また、360度フィードバックも全社的に実施しており、複業メンバーからはこのような喜びの声をもらっています。

<360FBの喜び例>

最後に。複業の活躍なくして今のカウシェはない

このように、採用・オンボーディング・フィードバックをしてきた複業メンバーの活躍を創業期から振り返ると、

  • TVで「カウシェ」が取り上げられ、アプリに非常に大きなトラフィックが来た際にでも安定稼働できるようなインフラを構築してきたエンジニア

  • 上述の退職しても失効しないストックオプション制度の発表で、スタートアップ界隈にカウシェの名前を広く浸透させたPRメンバー

  • 正社員HRがいない中で採用チームを立ち上げ、今のカウシェの採用の土台を作った採用人事

  • ジョインするやいなや業界最大手のお店にアプローチし、「カウシェ」への出店を実現した営業メンバー

  • こだわり抜いたバーチャルオフィスGatherの導入、採用ページの立ち上げ、Notionでの目標管理機能の構築など、社内ITを整えていったIT戦略メンバー

などなど...。これらは、当時の複業メンバーの発揮したパフォーマンスの一例ですが、改めて、彼らの活躍なくして今のカウシェはないと感じています。

これからも、どんな形態の方でも、カウシェで働く一人一人がより働きやすく、よりパフォーマンスを発揮できる環境を整えるべく奔走しながら、業界や日本社会にとって、様々な働き方が広がっていく一助となればと思います。

Enjoy Workingに働く仲間を募集中

カウシェに少しでもご興味お持ちいただけたら、まずはメンバーと話してみませんか?
「世界一楽しいショッピング体験をつくる」というビジョンを一緒に目指してくれるメンバーを募集しています。


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