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ロシアの森で 星を頼りに

中日新聞に載っていたよ!と愛知に住む親戚から連絡がある。

中日新聞??
全く馴染みがなかったけれど、東海地方の新聞で、発行部数は読売、朝日に次いで全国3位の197万部。

そんな中日新聞になぜ私が?
早速オンライン版を見てみると、取り上げられていたのは、一面下のコラム欄だった。

 ハワイなど太平洋の島々には古くから計器などを使わず、太陽や星の動きなど自然を頼りにする航海術があったという
▼その伝統的技術で、二〇〇七年にハワイの外洋カヌー「ホクレア号」がハワイから日本へ航海した。参加した内野加奈子さんは著書『ホクレア 星が教えてくれる道』で星について「コンパスを持たずに海に出ても、彼らの姿さえ見えれば、しっかりと方角を知ることができる」と記す
▼ロシア政府系テレビの生放送中、ウクライナ侵攻に反対するメッセージを掲げた元職員の女性がフランスに亡命したと報じられた。ロシア国境付近を歩いて逃げた際、星で方角を確認したという
▼放送中の抗議は罰金刑で済んだが、後にクレムリン(大統領府)前で「プーチンは殺人者だ」と書かれた紙を掲げる動画を公開し、起訴された。判決が近づき、命を守るために逃げるよう弁護士に勧められたという
▼車を降りて森に逃れ、道に迷って「家に戻り、刑を受ける」と泣いたが、星を見て何時間も歩き、協力者が待つ国境へ。天文にどれほど詳しいかは知らないが、北に輝く北極星から探したのだろうか
▼内野さんの本によると、伝統の航海では水平線の彼方(かなた)の目的地の島を「心の中に強く思い描き、それを決して失うな」と教わるという。心の中の自由への渇望を失わなかったからこそ、国境にもたどり着けたのだろう。

中日新聞 中日春秋
2023年2月14日

ずっと気になっているウクライナのこと。
まさか自分の本が引き合いになるとは。



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