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「星に語りて ~Starry Sky~」/「RRR」感想

昨日は映画を観に行きました。
ひとつは「星に語りて ~Starry Sky~」。
もうひとつは「RRR」です。

「星に語りて ~Starry Sky~」は、東日本大震災で被災した、障害のある人たちと支援者の実話を基に映画化した群像ドラマでした。

「RRR」は、イギリス植民地時代のインドを舞台に、イギリス軍に捕らえられた少女を救う使命を帯びた男と、イギリスの警察官が育む友情と闘いを描いたアクションムービーでした。

それぞれに感想を書いていきたいと思います!

◇「星に語りて ~Starry Sky~」

もしあなたが、
目が見えなかったらどうしますか。

耳が聞こえなかったら。
思うように体を動かせなかったら。

そして、突然災害が起こったら、
その人たちはどうなるのでしょうか。

東日本大震災の時、
障がい者の死亡率が健常者に比べ2倍に達したのだそうです。

平成24年版障害者白書よりExcelデータ作成https://www8.cao.go.jp/shougai//whitepaper/h24hakusho/zenbun/column/column06.html



「津波がくるぞ」という声が聞こえない、
あるいは津波が見えない、
理解できても動けない、
そうして何が何だかわからないうちに津波に飲まれた人たちもいるのだろうと思うと、胸が痛みました。

2011年3月11日。
東日本大震災が起こったその日。
陸前高田市にある共同作業所「あおぎり」でも、
津波の直接的な被害からは免れたものの、
実家に助けに戻った仲間の1人を津波で失ってしまいました。

落胆する作業所の仲間たち。
いつもコーヒーを楽しそうに淹れていた、
「翔くん」はコーヒーを淹れなくなり、
いつも素敵な絵を書きためていた
絵の上手な「和人くん」は、
家にあった絵がすべて流されてしまったこと、
ともだちを亡くしてしまったことを理由に、
すっかりふさぎ込んでしまい、
絵を描かなくなってしまいました。

そんな中、全国障害者ネットワークでは、
東京、秋田、岩手、福岡などの、
日本各地の障害者団体が連携し、
被災地の支援活動を始めようとしていました。
ところが報告先から、
「障害者が消えた」という情報が入ってくる。

多くの避難所をまわっても、
障がいのある人がほとんどいないという、
耳を疑うような情報が飛び込んでくるのでした。

それは、どうしてなのか。

「何とか避難所へと辿り着いても、
白い目で見られてしまう」
「1人で避難所まで行ける気がしないので、
自宅にとどまると思う」
「バリアフリーではないため、
トイレに行くのも大変。自宅の方がいい」

などの理由から、避難所へ避難できない人たちが多いからなのでした。

NHKによる「障害者と防災」アンケートでも、
そうした声が多く寄せられていました。

私自身、発達障がいのある人間ですが、
「障がいのある人の避難」ということに、
思い至っていなかったように思います。

この映画を見て、改めて「障害者の避難」と、「被災後の生活」について考えるきっかけになりました。

また、映画で使用されている津波の映像は、
実際のものです。
あらかじめ注意はされていて、
「大丈夫だ」と思って観ましたが、
12年経った今でも心臓が嫌な音を立てました。

「健常者・障がい者」関係なく、
「生きる」ために何が必要なのか、
平時から考えていきたいと思います。

そういえば、私のお隣にお住いのおばさまが、
デジタルに疎い方で、
以前、台風が来た際に「どこに避難したらいいのかわからない」とおっしゃっていたので、災害の恐れがある際には積極的に声掛けをしていきたいなあ。

また、今回は舞台挨拶ありの上映でした。
終わった後、
少しだけ監督や出演者の菅井玲さんとも、
お話させていただきました。
女優さん、めちゃくちゃきれいでした…(そこ)


◇「RRR」


面白い映画っていうのは、無駄がない。
そして、面白い映画っていうのは、
開始5分~10分でだいたい決まる。と思う。

『RRR』は、そういう点で一切の無駄がなかった。

この映画は、冒頭で説明した通り、
1920年代、イギリス植民地時代のインドが舞台。
つまり、1858年建国のイギリス領インド帝国が舞台(と思われ)。

あ、インド帝国って書いてるけど、
インド人のためのインド人による国ではありません。
イギリスによる帝国主義政策の経済的な基盤となった植民地です。

綿花や茶、アヘンなどの商品作物が栽培され、
搾取体制により民衆の間に深刻な飢饉を引き起こされ、多くのインド人が命を落とした時代です。

その中でも1920年代と言えば、
インドはイギリスからの独立運動が激化し、
ガンディーによる第一次非暴力不服従運動が盛んになっていた頃です。

冒頭で述べたように、これは、イギリス軍に捕らえられてしまった少女を救う使命を帯びた男・ビームと、イギリスの警察官・ラーマ(インドの人だけどイギリス側の人)が育む友情と闘いを描いたアクションムービー。

開始後、
「あーはいはい、イギリスの人は悪い人なのね」
「んでなんか、この人とこの人が主人公なのね」

というのがサクサクと語られていきます。

序盤の展開めっちゃ早いんだけど、
「置いてけぼりいいい」ということにはなりません。
テンポよく簡潔に、
だけどしっかり説明してくれるので、
私の鳥頭でも理解できた。(くるっぽー)

また、「そんなことある!?」
「人間の技じゃねえええええ!!!」な、
トンデモ展開てんこもりですが、
不思議と納得してしまう。
「たしかに無理すればギリできそう」という展開を序盤にもってきて、ちょっとずつハードルを上げて「がんばればできるんじゃね?」と思わせてしまう怖さ笑

インド映画の真骨頂、ここに極まれり。

また、インド映画にはダンスと歌がつきもの。
というか、
ダンスと歌がなかったら物足りなさ過ぎて、
それこそ暴動を起こすレベルなのですが、
この映画のダンスシーンは本当に圧巻。

さらに、処刑シーンでの歌は、
インド人ではない私でも魂が奮い立つような気持ちになりました。
私も柵をぶち破りたい。

今年2月に国内の興行収入が10億円を突破し、
インド映画の歴代最高も記録したというこの映画。

観て損はありません。
っていうか観ないと損。
アクション映画大好きな私、
内心大興奮しながら観てましたのでね。

DVD出たら買います。
早く日本のネトフリにも来てくれ。


終わりに

あまり映画館に行って映画を観ないのですが、
今回観に行った宮崎キネマ館さんは、
小さな映画館なので、人疲れしにくくていいなあ。
また観に行きたい。

『バイオレント・ナイト』気になってるんだよねえ。




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