抜け殻

結婚式が終わった。

待ちに待ったというよりも、仕事と両立して準備を進める中で喧嘩だったり不満だったりを溜めた部分もあって

無事に終わるかなぁ？くらいの気持ちだった。

当日は仲の悪い両親が泣いていたことが意外だったり、
仲の良い友人が来てくれて、とても楽しく嬉しかった。

なのにこの空虚な気持ちはなんだろうか。

妻は綺麗と言われ、可愛いと言われ写真をたくさん撮られていた。
もちろん、私もふざけた顔をしているものの、良い写真はたくさんある。

そう。イベントが無くなってしまったのだ。

私の仕事は公務員。
大きな仕事をしたこともあるが、これがしたい。あれがしたいと行政の仕事に就いた訳ではない。

もちろん行きたい業界があったのだが、新卒と転職どちらのチャンスでも最終面接でお祈りをくらった。

1度転職をし、公務員になった。

公務員はやる気がある人間がほとんどいなく、若くて責任ある人間に仕事が回ってくる。

クレーム処理、先輩のミス、例外ケースの対応、そのほか色々な業務が実は民間企業や行政に携わったことのない人が想像する10倍くらい仕事量がある。

こんな仕事をしている自分に、こんな生活の中に一体いつ光がさすというんだろうか。

こうしたい、ああしたい、これは良いんじゃないか？と
日頃の生活が仕事に結びつくことは少なく、モチベーションも全くない。

自分より遥かに使えない人間が2倍ほどの基本給で働いているんだから。

結婚式を終え、今夫婦の間にはなんの目標もない。
もちろん、自分自身にも目標はないしモチベーションもない。

また、何の信念もない仕事が始まって
また、普通の暮らしが始まる。
ご飯を作って眠る。その日数分だけ当たり前だが歳をとる。

昔から、若い時にやっておいた方が良いこと。が分かるのは、その年齢に戻れないほど時間的に距離ができたタイミングで、あの時ああしていれば良かったなと後になって後悔をするんだろう。また、今回も。

もういっそ、みんなに祝福されているあの時間中に死ねれば良かったとも思う。

あの時間だけは、みんなが自分たちのために集まって、間違いなく中心に回っていた。

あの時間が過ぎてしまえば、何の記録にも誰の記憶にも残らない日々が続いていくだけだ。

何をしたいかもわからない
何をすべきかもわからない
それを人に教えてもらおうとしている自分のダサさにも辟易している。

これから一体私は何になるんだろう
何を楽しみに、どうやって生きていけば良いんだろう。