誰も知らない

今日は「誰も知らない」というテーマの文章を書きたいと思います。

是枝裕和監督の2004年の作品ですが、今日、Netflixで初めて視聴しました。

事前情報を全く仕入れずに観たんですが、なかなかの衝撃作品ですね。

これが実話を元に作られた作品、そして、実際の事件はもっと切なくて、もっと残酷な話ということで、更に胸が締め付けられました。

しかし、本作は色々考えさせられるし、胸の奥にある様々な感情が湧き立ってくるし、自分も社会の一員として一緒に考えなければならない"社会性を帯びた作品"だと感じたので、まだ観たことがない人はNetflixかアマプラで観た方が良いです。

とても切なくて、悲しくて、そして、残酷性を孕んだ作品なんですが、しかし、その一方で子どもたちが必死で生きようとする姿や兄弟や友情のために自分を犠牲にしても尽くす姿には勇気をもらえるし、温かさを感じます。

子どもたちを捨てるような形で数十万円のお金だけを残して家を出て行った母親に対して様々な思いがありますが、しかし、彼女は彼女なりに自分の人生を生きたかったのでしょう。
まぁ、自分勝手と言えばそれまでですが、本能や欲望に従って子育てを放棄したからこそ、あのような悲劇が起きてしまった。

それと、柳楽優弥さんの演技は素晴らしすぎましたね。強い意志と優しさを持った男の子でした。
彼の立場に立てば誰だってキツいし、辛いでしょう。絶望感しかないですよね。
表情と身体の動き、台詞から彼の感情がしっかりと伝わってきます。

是枝裕和監督作品は、言葉にできないモヤモヤっとした感情がたくさん生まれるんですが、個人的にそういった映画が好きなので本作も面白かったです。

一瞬のカメラワークで、人の感情をここまで表現できるのは素晴らしい才能だと思います。

子育ては親はもちろんのこと、地域社会でちゃんと育てないといけないなぁと私は思いました。

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