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母と函館へ 下

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。

 慢性胃炎に苦しんでゐますが、かつて健康診断で指摘されたピロリ菌の除去はいたしません。以下の記事は参考までに。
 なほ、ピロリ菌の除去を私に勧める人やワクチン、奇妙なサプリメントなどを飲ませやうとする人を私は遠ざけます。悪しからず。

ピロリ除菌という嘘 胃の中は高濃度の塩酸で占められいるのはご存知でしょうが、その胃においてピロリ菌が住みついているというのはどういうことでしょうか。今の医学は、胃炎や胃癌の原因をピロリ菌に押し付けようと頑張っていますが、これは真なる理由を...

Posted by 内海 聡 on Tuesday, November 15, 2016

 今回は、前回の続編になります。函館から東京へ帰るお話しです。

 どうか、最後までお付き合ひください。

函館山から眺める夜景を楽しんだ翌朝、ホテルを出た私ども親子は路面電車に乗り朝市を目指します。昨日の雪が嘘のやうな好天に恵まれ、陽射しがあたたかいです。
朝市で、海鮮丼をいただきました。ハツキリ言ふてあまり美味しくなかつたです。母は雲丹を一口食べて顔を顰めてゐました。山口県は山陰の海で採れたての雲丹を食べて育つた母の舌は騙せなかつたやうです。マア、八王子の淳ちやん寿司の方が美味しいです。母は、母の姉に毛蟹を買って送つてました。
気を取り直して五稜郭へ。五稜郭跡と書かれた石碑の書を見て、書家の母は絶賛してました。しばし散策の後、五稜郭タワーに登りました。
タワーからの眺めです。これはすごい。五稜郭を一望しつつ、かなたの山々。思はず、感嘆の声が漏れました。

みちのくも 蝦夷の渡島も たらちねの 母とし行
ける けふの旅かも 可奈子
展望台を一周してみると、昨日の夕へに登つた函館山が見えます。そして、その向かうには江差の方面でせうか。雪を冠した山々、そして青々とした海も見えます。
さらに行くと、津軽海峡を隔て、大間のあたりでせうか。下北半島もうつすら見えてます。しばらく景色を堪能した後、タワーを降り、再び路面電車に乗り函館駅へ行きました。
函館駅。これからこのはこだてライナーで新函館北斗駅へ行きます。向かうには道南いさりび鉄道の車両も見えます。ほんたうは、アレに乗つて木古内駅まで行き道の駅に行きたかつたのですが、計画上無理でした。
はこだてライナーのマークですが、今回訪ねた函館山に五稜郭が描かれてます。なんだか感慨深い。おしゃれなマークで気に入りました。新函館北斗駅から、はやぶさ22号に乗り新青森駅まで行きました。新青森駅のお土産屋さんで、田酒を探したのですが見つかりませんでした。
新青森駅から旅館の送迎バスの乗ります。バスの窓からは岩木山の山容も、りんごの木々もよく見えました。津軽富士といふだけあつて美しく、母は岩木山に見入ってました。そして、日本海の荒涼とした景色を眺め、一時間半ほど行くと…。
今夜の宿、黄金崎不老ふ死温泉に着きました。立派な看板です。母は、書はそれほど上手くないが素敵な看板といひ、ここで写真を撮りました。私はここに泊まるのは卒業旅行以来、二度目です。
今回の部屋です。何故か、高校野球が映つてます。相撲中継待ちです。広々としたお部屋で、早くも浴衣に着替へました。
部屋からは日本海が見えます。この荒涼とした感じは、母の故郷の山陰にはありません。どこか物悲しく、「いい日旅立ち」の「岬のはずれに少年は魚釣り」や、田端義夫の「ふるさとの燈台」が思ひ出されます。
そんなわけで海辺の露天風呂へ。混浴と女湯に分かれてるのですが、母は女湯へ。肌を見られるのがとても嫌な私ですが、湯着を着て混浴へ行きました。潮風が涼しく、長湯してしまひました。母は最高っーと海に叫んでました(笑)
温泉分析表です。
夕暮れ時、部屋から一瞬だけ夕陽が見えました。なんと美しく、そしてかなしい夕暮れでせう。
館内散策。ロビーも広々して落ち着きます。お土産屋さんで手ぬぐひや石鹸、絵葉書を買ひました。
混浴はこんな感じ。写真を撮ることはできないので絵葉書でご寛恕ください。日暮れの後に露天風呂は入れなくなります。なので、夕食後と寝る前に、内湯に二回ほど入りに行きました。なんと、サウナと水風呂までありました。
翌朝、なんとはだれ雪が露天風呂への道に。
老いもせず 死にもせぬ名の 湯に入りて 海をし見れば 残すことなし 可奈子
不老ふ死温泉を堪能した後は、ウェスパ椿山駅から五能線に乗ります。ほんたうはリゾートしらかみに乗りたかつたのですが、普通列車です。とはいへ、このGVE-400系。前から乗りたいと思つてたのでちやうど良かつたです。
車内の様子です。私どもは進行方向右手に座り、しばらくの間日本海の景色を眺めてゐました。
東能代駅に着きました。
東能代駅から特急つがる42号に乗り換へます。途中、八郎潟干拓地を眺めつつ、定刻に秋田駅に着きました。
秋田駅から少し歩いて千秋公園まで来ました。しかし、雪が強くすぐに引き返しました。駅ビルの飲食店で比内地鶏の親子丼をいただき、新幹線に乗りました。
間々田駅のあたりで車窓に虹が見えました。今回の旅の写真と歌をアルバムにまとめて母に渡しました。今回が最後、などと言つてゐた母ですが、次は高知、その次は鹿児島に行つて西郷さんのお墓をお参りしたいと言つてました。高知では豹のハチに会ひたい、とのことです。私も会ひたい。もし、私がハチに会つたら、泣いてしまふでせう。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました。

 たらちねの 真幸くあらば 土佐の国も 薩摩の奥も 行きたく思ほゆ 可奈子

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