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母と函館へ 上

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。
 最近、仕事中や寝てゐる時に激しい胃痛に襲はれて苦しくなることが増えました。あまりにも痛いので、有給を使つて病院に行きました。検査の結果は…胃炎でした。その他に特に大きな病気は見つからず、ストレスが原因でせう。

 長良川鉄道から富山に行き、さらに東京に帰つて来た翌日。母と北海道へ行きました。母と二人で行く旅は今回で最後になるかも知れない、その不安と、そしてこの世の思ひ出になればと願ひ出かけました。

 今回も、どうか最後までお付き合ひください。

旅立ちは上野駅から。はやぶさ1号に乗ります。先頭車両はこまちです。コーヒーと軽食を買ひ、列車に乗りました。最初の目的地は仙台です。強風の影響を受け、数分遅れて仙台駅に着きました。
「青葉城恋唄」の舞台となつた杜の都を青葉城跡から眺めます。広瀬川流れる岸辺のさやけさ、吹く風は強く寒くあれども、瀬音のゆかしさはここまで聞こえる如きです。雪もハラハラと舞ひ出して、げに美しいです。
伊達政宗像。蛇足ですが、「青葉城恋唄」には、青葉城も伊達政宗も歌はれてゐません。しかし、ここに来ると、仙台に来たといふ気になります。宮城県護国神社を参拝し、お土産屋さんで絵葉書を買ひました。
路線バスでのんびり仙台駅に戻り、お土産屋さんを冷やかした後、ホームへ。次ははやぶさ13号に乗り、さらに北へ向かひます。新青森駅を出発し、青函トンネルにさしかかつた頃、母は感慨深さうにしてゐました。さういへば、母は高倉健のファンでした。
新函館北斗駅に着き、さらに北上します。特急北斗13号に乗ります。玉の緒の乗車時間ですが、北海道の雄大さが伝はつてきます。すぐに目的の大沼公園駅に着きました。駅を降りると、早くもひさかたの天より雪の流れ来てゐました。
少し歩くと、大沼公園に着きました。晴れてゐれば駒ヶ岳の山容も見えますが、けふは生憎の雪。しかし、観光客はほとんどゐませんし、都人から見て北海道を実感するのには充分な景色です。
園内を散策します。私が先導し、雪道を作りました。その上を年老いた母が歩き、凍れる湖を眺めました。雪はしんしんと降り、寒さは身に染みますが、そのことを忘れただただ景色を堪能しました。
雪の降る大沼、ワカサギを釣る人の姿も見えました。母は感嘆することしきりでした。晴れた時も優れた景色ですが、雪の景色も良いものですね。しかし、靴下がグチョグチョです。
大沼国定公園周辺マップ。
駅前にあつた地図です。かうしてみると、私どもが歩いたところがわづかなことがわかるし、北海道の雄大さもわかります。
大沼公園駅に戻りました。駅前の食堂でラーメンをいただいたのですが、これがあまり美味しくなくガツカリしました。ぬくぬくな駅舎内で、降り行く雪を見ながら列車を待ちました。
帰りは北斗12号に乗ります。車内はそれなりに混んでゐました。
車窓の小沼。素敵な車窓に母の目は釘付けでした。函館駅まで行き、ホテルに荷物を置き、少し休みました。母は相撲を観、私は夜のマッサージの予約をしました。女性の方が来てくれるさうです。四時半を過ぎた頃、路面電車で十字街駅まで行き、ロープウェイに乗りに行きます。
函館山ロープウェイで山頂を目指します。想像以上に大きなロープウェイで、車内は支那人ばかりです。展望台に行くと、早くも多くの観光客が良い場所を確保してゐるではありませんか。しかも、とても寒いので風を避けつつ陽が暮れるのを待ちました。
陽が暮れると、街が色付きました。すごい景色です!母は念願がかなつたと言つて喜んでゐました。そして、あまりにも寒いので、早々と立ち去ることにしました。途中、支那人の夫婦が一人ずつ写真を撮つてゐました。それを見た母(かなりの尊皇家にして攘夷派)が、「一緒のところを撮つてあげなさい」といふので撮つてあげると、支那人夫婦の夫が「あなた方も撮つてあげる」といふので撮つてもらひました。私は「日支友好、謝謝」と伝へました。母は、「あんたと撮るのは小学校の卒業式以来」といつて、いたく喜んでました。
ロープウェイを降る頃の夜景。美しい夜景を見てから私は母を待たせて一人、函館護国神社を参拝しました。帰りに街で食事をし、ホテルに帰りました。なほ、マッサージですが小太りの女性によく揉んでもらひました。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました

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