マガジンのカバー画像

機械仕掛けの街【有料】

8
この街は機械で動いている街。 住んでいる者も機械人間。食べているものや生活も普通の人間とは違う。 その中で唯一の人間である「俺」はそんな機械人間から「人間様」と呼ばれている。 こ…
運営しているクリエイター

#不思議な物語

機械仕掛けの街7

機械仕掛けの街7

 その機械はアルファのような人型とは違い、所謂4足歩行の動物の姿だ。猫型と言っていたから驚きはしなかった。と言っても、星野瞳にとって機械は猫か犬かの差がない。「にゃー」と鳴くのだろうか。
「アルファじゃないか、何しに来たんだい? また紙でも調達に来たのかい?」
 「にゃー」ではなかった。人の言葉を発していた。意思疎通ができるということがわかって安堵する。
 アルファは首を横に振りながら星野瞳を見る

もっとみる
機械仕掛けの街6

機械仕掛けの街6

 昨日の出来事について聞きたいことは山ほどある。
 なぜアルファは異常事態に陥ったのか。なぜ記憶抹消をしなければいけないのか。ベタ……というのは何なのか。そして事の発端は何なのか。自身の花のせいなのだろうか。そうであれば謝らないといけない。
 星野瞳は一人でぐるぐると考えている。
 人間様の家にて、ベッドに横たわるアルファを不安そうに、心配そうに見つめる。アルファの傍では人間様が座っている。昨日の

もっとみる