小学校で英語を教えるなら、フォニックスを取り入れてほしいと思う
英語圏の子どもたちが学ぶ、つづりと発音の間のルール、「フォニックス」。英語を学び始めるときに、このフォニックスがとても助けになります。小学校で英語を教えるなら、ぜひここに力を入れていただきたい、と私はずっと思ってきました。その理由を書いてみます。
文字と音とのかかわり「フォニックス」
日本語を学ぶ子どもは、ひらがな50音をまず学びますよね。
ひらがな50音は、基本的には1文字1音を表しています。
(「へ」・「は」や、小さい「つ」のような例外もありますが…)
だから、いったんひらがなの音を覚えれば、文を読むのはそれほど難しくありません。
しかしアルファベットの場合は違います。アルファベットはそれぞれ複数の「音」を持っています。
アルファベットの名前を表す「エイ・ビー・スィー・ディー…」という長めの音。そして、「エァ・ブッ・クッ・ドゥ…」などの短い音です。
たとえば「bag」なら、すべて短い音で
「b(ブ)」「a(エァ)」「g(グ)」
続けて読むと「バッグ」…となります。
一方「base」(ベース)という単語を見るとどうでしょうか?
「a」の文字は「エイ」と発音されています。
「a」は「エァ」と読む?「エイ」と読む?
どちらの音を使って発音するかは、つづりの組み合わせで変わってきます。そのルールをまとめたものが、フォニックスなのです。
フォニックスを学べば、単語のつづりを分解することで、知らない単語でもなんとなく発音の予想をつけることができます。つまり「読める」ようになるのです。
英語学習者の多くはフォニックスを知らない
この「フォニックス」というルールを私が知ったのは、大人になってからのこと。「どうしてこんな役に立つルールを誰も教えてくれなかったの!」と衝撃を受けました。
なぜ「take」は「タケ」でなく「テイク」と発音するのか。
なぜ「bus」は「ブス」でなく「バス」なのか。
フォニックスを学んでようやく合点がいきました。
日本の子どもは小学校でローマ字を習うから…
日本の子どもたちは、小学校でローマ字を習います。その後に英語を習うので、「ローマ字で習ったルールと英語のつづりが違う」ことでとまどってしまうことがよくあります。
「tennis」を「tenisu」と書いてしまう、「house」を「hausu」と書いてしまうのも無理はありません。だってそう習ったんですから…。
どうしてダメなの?とむくれる子に、
「ローマ字は、アルファベットを使って日本語を書くための方法なの…本来の英語のつづりとは違うんだよ」と何度説明したことでしょう…。
小学校でフォニックスを!
小学校で英語を教えるのなら、まずはフォニックスで、アルファベットの持つ音をしっかり子どもたちに教えてほしい。それから、「日本語を、外国の人でも読めるようにアルファベットで書くとしたらこうやるんだよ」と、ローマ字を教えてあげてほしいのです。
フォニックスのルールには例外も多いので、すべての発音を網羅できるわけではありませんが、ごく基本の原則だけでいいので、ぜひ小学校でしっかり学べるようにしていただけないものでしょうか…文部科学省の皆さん、お願いします!
これがしっかり身につけば、つづりや読みで苦労する児童・生徒はずいぶん減らせると思うのです…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?