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簡単な記号×フォニックスで、英単語の読み(発音)を楽にする!

英単語が読めない小・中学生あるある

英語を習いたての小・中学生の「あるある」に、単語をローマ字読みしてしまう、ということがあげられます。

小学校でローマ字を学習しているので、それは無理もないことでしょう。
ただ、ローマ字はあくまで、日本語をアルファベットで表記するためのもの。本来の英単語とは別物です。

しかし彼らは、小学校で習ったローマ字の知識しかありませんので、それで英単語を読もうとします。

「bus(バス)」を「ブス」と読み、先生から「間違っている」と指摘されてしまいます。級友に笑われることもあるでしょう。

その結果、「何だよ、ちっとも読めないよ」と嫌気がさして、英語が嫌いになる…というパターンを数多く見てきました。

フォニックス(つづりと発音のルール)を学ぶことで、ある程度はこの問題を解決できるとは思います。ただ学校現場では、なかなかそこまでていねいに指導する余裕はないのが現状でしょう。

英単語の読みを改善する秘訣

私は学習塾で英語を教えながら、いつも「英単語の読みは漢字の読みに通じるものがあるな」と思っています。

そのことを伝えて生徒に単語を読んでもらうと、読みやすくなるのか、読みが改善される子が多いです。自分で読む力も伸びてきます。
 
その方法は、「アルファベットには複数の読み方がある」ということを知ってもらう、ということです。

日本語の場合、ひらがなはいくつかの例外を除いて、一文字に発音ひとつが対応しています。「あ」と書いてあるのに「えい」と読むことはありません。

しかし漢字には、音読み・訓読みのように複数の読み方があります。
たとえば、「本」という漢字は「ほん」「ぼん」「ぽん」「もと」など様々な読み方があります。

同様にアルファベットも、「A」の文字に「エイ」・「ア」・「オー」とか、「U」の文字に「ユー」・「ア」・「ウ」のように複数の発音があてはまります。

そのことを知らない生徒たちが、少なくないのです。

漢字もアルファベットも複数の読み方がある

私は、単語の発音が苦手な子には「アルファベットはひとつの文字にいくつか読み方があって、それは他の文字との組み合わせによって変わるんだよ」とまず伝えます。

漢字だって、同じ「本」でも、「一本」「二本」「三本」…のように他の文字と組み合わさると読みが変わりますよね。

そのうえで、「U」の文字は「ユー」と読むときもあれば、「ア」と読むときもある、と教えます。

ただそれだけで、なぜ「bus」を「バス」と読むのか、納得してもらえるのです。

簡略化した記号でフォニックスを利用

生徒たちには、各アルファベットの文字について、ざっくりと「長い音」「短い音」の2種類をまず頭に入れてもらいます。

あとは、「書いてあるのに発音しない文字がある」、とくに「単語の最後尾の e は読まない」ことを教えます。

それを、各単語の下に印をつけてヒントにしてやります。
たとえばこんな風です。

m a   k   e
・  - ・ ×

モールス信号風にいうと、「トン・ツー・トン・バツ」 です。
 
トンは短い音、
ツーは長い音。
バツは発音しない、という意味です。
「ム・エイ・ク・(無音)」→「メイク」という発音が完成です。

また、こんなパターンも。
「書いてあるのに発音しない文字がある」パターン例です。

n i g h t
・ -  × ×  ・

「トン・ツー・バツ・バツ・トン」
「ヌ・アイ(無音)(無音)トゥ」→「ナイトゥ」
 

この程度の記号なら、テキストの行間に書き込むこともできますし、発音記号よりもよっぽど簡単です。

ちなみに「cake」という単語はどうでしょう。

c   a   k   e
・ - ・ ×

「ク・エイ・ク・(無音)」→「ケイク」という発音が見えてきます。

「C」のように、「ク」「ス」と2種類の短い音があるとき、どっちかな?と悩みそうな時は、「ク」と書き込んでもいいと思います。

よく、「カタカナでふりがなをふると、日本語発音になってしまうからよくない」という議論があります。
(ただし私はふりがなも条件付き許容派ですが)

この程度のカタカナなら、その問題もクリアできるでしょう。

読み方のヒントを知るだけで楽になる

この読み方アシスト表記は、私が個人的に考えたものです。
塾講師とはいえ、フォニックスの専門家ではないので、権威あるお墨付きなどはありません。あくまで簡易的な方法です。
もともと、フォニックスのルールにも例外が多いですし…。

それに二重母音や連続子音はパターンが多く、きっちりやろうとすれば指導が難しいかもしれません。

しかし、ローマ字しか読みの手がかりを知らされていない中学生にとって、「長い音」「短い音」「読まない音」という区別を知るだけでも、何らかのヒントにはなるのでは…と思います。

少しでも、彼らの苦手意識を減らすのに役立てばよいのですが。

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