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あの顔、あの眼差し

我が子の見せる、どんな顔がすきですか。

笑顔がすきとか、寝顔がすきとか、色々ありましょうが、わたしは「真剣に考えている顔」がすきです。我が子はもちろん、どんな子どもの顔であっても。

前職で教育サービス業界におりました。大変な仕事ですがやり甲斐を感じる瞬間はたくさんあります。中でも、小中学生が集中して思考する、あの真剣な表情が見られた時には胸に込み上げてくるものがありました。そりゃ仕事ですから、そんな顔しょっちゅう見られそうなものですが、本当の意味で集中している表情とそうでないものは一目で分かります。何なら子どもなんて(いやおとなだって大抵)、圧倒的に後者の顔つきをしていることの方が多い。だから、そんな「本当に考えている顔」を見られたときは、グッときます。また、わたし自身が「考えるように仕向けた」と思えた時なんか、最高の気分です。

真っ直ぐ何かを捉えた眼差し、凛とした口元、それはそれは尊いものです。

あ、たまに、集中すると口をポカンと開けていたりアヒル口になっていたりする子もいて、そんな個性も素敵。

これは何も勉強に限ったことではありません。我が子のような幼児であれば、たとえば遊びの場。決して、笑っていなくていい。彼ら彼女らが空想の世界に足を踏み入れているとき、その瞳はきらめいています。

公園の砂場で、スコップ片手に懸命に「お山」や「ケーキ」を作っているとき。額に汗をにじませ、紅潮した頬の産毛は陽光を含み、黄金色に輝く。

この世に、こんな美しいものがあるのか。わたしはしばし見とれてしまいます。しかしそれは、あまりに刹那的で儚く、きっと永遠に見られるものではないのです。

子どもたちの見せる、あの真剣な表情。「輝く瞳」なんて使い古された表現ですが、もうそれ以外の言葉が見つからない。

勉強であれ遊びであれ、思考の最中にある子どもたちの頭の中はきっと目まぐるしい。火花が散る。絶え間ない閃光。その輝く瞳だけが、静かに何かを見据えている。

あの顔を見せつけられたとき、あぁ人間は素晴らしい、わたしは確信する。胸がギュッとなります。

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