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240720_季節とは何か?

・最近は異常気象で7月半ばは既に30℃以上の猛暑日が続く。
・日中は引きこもり、日の出日の入りを避けて吸血鬼のように暮らそうと思っても、この時期まだまだ日は長い。
・ふと、夏至より夏が暑いのはなぜかと思い立ち、調べて見ることにした。

【気温とは何か?】
・まず、気温とは大気の温度であり、大気とは地球を取り巻く空気全体を指す。
・そして地球とは、まだ人類が解明しきれていない広大な宇宙の中の、天の川銀河内の太陽系の惑星の一つであり、23.4°傾いた状態で、太陽や月との引力の引き合いによりバランスを保ちつつ、太陽の周りを公転している。
  (宇宙では、星の自転、銀河の渦、ブラックホール、あらゆるものが必ず回転しているが、元々回転していたから慣性の法則で回り続けているとのことで、そもそもなぜ回転しているのか確かなことはわかっていない。)
・太陽の周りを1年周期で公転する中で、日本は公転面より北にあるので、時期によっては太陽光がほぼ直角に当たり、その反対側にいる時は太陽光が鋭角に当たる。
・直角に当たる方が太陽に近く、より強く熱を受け、鋭角に当たる方が太陽から離れ、熱が和らぐ。
 (日本の緯度は北緯20〜45°にあるが、沖縄本島は北緯26°、そのため季節によってはほぼ直角で太陽光を受けることになる。)
・更に日照時間の長さで考えると、公転軸と自転軸の23.4°のズレにより、直角に当たる時期は日照時間が長く、鋭角にあたる時期は日照時間が短くなる。
・自転と公転により1年に季節という概念が生まれ、日本の緯度により四季という概念が生まれた。
 (ちなみに地球は左回転、なので日時計を進化させた時計は反対の右回転となっている。)

【四季とは何か?】
・日本には古くから四季があり、春夏秋冬を愛でる文化がある。
・大河で話題の紫式部が描いた源氏物語の中でも、六条院と呼ばれる春夏秋冬を模した4つの町が作られていて、詩歌を読む際には季語が使われている。
・この概念は紀元前4世紀の中国から来たもので、1年を12の節気、12の中期に分けて区分し、二十四節気と言われているが、梅雨や台風など日本特有の季節を含まないため、必ずしも日本人が体感する気候と合致するとは限らない。
 (二十四節気は中国の無形文化遺産として、2016年にユネスコ登録されている。)
・ただし、四季の区分は一つではない。
 ①気象学上は、3〜5月を春、6〜8月を夏、9〜11月を秋、12〜2月を冬と呼ぶ。
 ②天文学上は、春分(3/20)~夏至を春、夏至(6/21)~秋分を夏、秋分(9/23)~冬至を秋、冬至(12/21)~春分を冬と呼ぶ。
 ③暦月区切りでは、1〜3月を春、4〜6月を夏、7〜9月を秋、10〜12月を冬と呼ぶ。
 ④二十四節気では、立春(2/4)~立夏を春、立夏(5/5)~立秋を夏、立秋(8/8)~立冬を秋、立冬(11/7)~立春を冬と呼ぶ。

【夏至より夏が暑いのはなぜか?】
・冒頭の疑問に戻ると、気象学上の季節とは、体感的な寒さや暑さなどの季節感とほぼ同じ意味になるが、1年で1番暑い時期は8月上旬、一番寒い時期は1月末〜2月初とされる。
・最も太陽に近く、強い太陽光を長く受ける夏至よりも、2ヶ月弱遅れて暑い時期が来るのはなぜなのか?
・地球を取り巻く大気の温度、これを鍋に入れた水の温度と同じように考える。
 ①1日という時間の中では、加熱する時間と放置する時間が訪れる。
 ②1年という時間の中でこれを繰り返すにあたり、火の強さ、加熱時間が長くなったり短くなったりする。
 ③水は、火力を最大とした瞬間に沸騰するわけではなく、より強い温度でより長い時間温め続けることで、熱が溜まり温度が上がって沸騰が起きる。
・夏至から最高気温の時期まで時差があるのは、こうして考えると非常に単純明快な事情による。

【異常気象について】
・20世紀末から唱えられてきた地球温暖化について、続く猛暑日やゲリラ豪雨によって、ここ数年ようやく人類の多くが強い危機感を感じ始めた。
・夏至と夏の違い、温暖化もこれと同じことである。
・産業革命以降、人間は化石燃料を大量に使い、地底に眠っていた温室効果ガスをものすごい勢いで放出し、ガスは大気圏の表層に大量に溜まり、著しく放熱を妨げている。
・熱していた鍋に蓋をしてしまったからと言って、すぐに温度が上がるわけではなく、徐々に熱が溜まり、最終的には蓋をしない状態よりも早く沸騰する。
・熱とはエネルギーであり、エネルギーとは運動であり、絶対零度の-273℃になると分子や原始の運動が停止するが、最高温度というのはまだ発見されていない。
・人間は理論上-50℃から+50℃まで生きられるとされるが、1,2℃上がっただけで日常生活の習慣が変わってしまうほど大きな影響がある…ということが、実体験を持ってようやく実感されてきたのだ。
・地球は46億年の歴史の中で、公転軌道の変化などにより、およそ10万年周期で氷期と間氷期を繰り返しているが、今回の温暖化は通常時よりも10倍のスピードで起きており、これがどういった事態を引き起こすかわからない。
・国連は、最悪の場合今世紀末までに海面が1m以上上昇すると予測していて、その場合日本のビーチの9割、都内では江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区あたりが水没するとされている。
・しかし海面上昇より直近の問題として危険視されているのが、干ばつや食料の問題であり、それはつまり貧困を生むことになる。
・そして、歴史を見る限り、貧困は恐怖を招き、恐怖は独裁を招き、独裁は戦争を招く…。
・それがわかっていても今、部屋のエアコンを止めることすらできないのが、人間というものなのか。。。

【海外に四季はないのか?】
・話題を変えて、「日本には四季がある」と、言い始めたのは一体誰なのか、調べても分かりませんでしたが…海外にも当然、四季はある。
 (あまりにもこの言葉が強調されるので、私が幼児の頃は、海外には四季がないんだと思っていました。)
・日本に四季があるのは緯度のおかげなので、海外でも北半球の温帯に位置する国々では、四季が存在するが、赤道に近い地域では四季の差が小さく、年間を通して温暖な気候となり、高緯度地域では、冬が長く厳しい一方で、夏は短く涼しい気候となる。
・中国はもちろん、アメリカ、ヨーロッパにも四季があり、ロシアにも四季はあるが、冬が長いため日本の四季とはイメージがだいぶ異なる。
・アフリカ大陸は雨季と乾季の2つの季節とされていて、インドではそこに暑季が加わり3つの季節で1年を区分している。
・南半球のオーストラリアにも四季はあるが、日本とはちょうど逆になる。
・日本の文化として「四季」が強調されるのは、縦長の島国であるということもあり、北と南で異なる温度帯を持ち、多くの山と海に囲まれ、独自の自生植物を有し、数種類の海流に挟まれ、アニミズムの思想とよく似た神道を軸とし、四季折々に生じる文化や景色や食物を大切にしてきた国民性などによるものだと思う。
 (最近では、大事にされていない外苑も話題になりますが…。)

【1年の始まりとは?】
・季節は国によって異なるが、暦は現在世界共通の認識がある。
・国際基準として先進国では西暦、太陽暦、七曜が使われるが、これらは全て古代ローマがキリスト教とともに広めたとされる。
・暦とは本来、天体観測により太陽や月の周期を割り出し、季節を定め、農作業や祭事に役立てる目的で作られたので、世界で統一される前までも、人類に共通の概念はあったと思われる。
・ではなぜ、1年の始まりは1/1なのか?
 ①古代ローマ初めての暦は10ヶ月であり、農耕文化による種まきの季節に合わせて、春が1年の始まりとされていた。
 ②1〜4月はローマ神話の神々の名前に因み、5月以降はラテン語で「何番目の月」という雑な決め方をしていた。
 ③しかし10ヶ月だとなんか足りないぞ、と気付いて後ろに2ヶ月足した際に、また神の名前をつけた。
 ④11月をローマの門神ヤヌスにちなんでJanuaryとしたが、ヤヌスは物事の始まりの神とされるので、これが年初に最も相応しいとされたらしいが…結局は、政治的な理由により決められたと言える。
・1年の始まりといえば、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、ロシア、中国など、先進国の多くでは9月から学校が始まることとなっている。
・これには諸説あるが、7月から8月にかけては秋に撒いた冬小麦の収穫を行ったり、家畜に与える干し草を作ったり、農作業の最も忙しい時期となるため、子どもたちに農作業を手伝わせて、落ち着いた頃が年度初めに適している、と判断されたらしい。
 (単に暑い時期を避けた、という説もある。)
・日本でも、明治の初めの頃には近代化とともに外国の講師を呼ぶこともあり、9月始まりとされていたが、明治19年に4月始まりに変更されたという。
・これは江戸時代の年貢が起源とされ、当時は農家が多く、政府の税金収入源は米だったため、秋に収穫した米を現金に換え、納税されてから予算編成をしていくには1月に間に合わず、財政法により会計年度が4月始まりとされていた。
・文明開化により欧米に合わせて9月始まりでスタートしたものの、学校運営に必要な予算調達のためには会計年度と合わせた方が便利であったため、時期が統一されたらしい。

【春夏秋冬を使った言葉】
・季節を使った言葉として、あまりいい例ではないが、最近増えている未成年者の「売春」という言葉がある。
・元々は、売春、売夏、売秋、売冬それぞれあったらしく、これらは花言葉が由来になっているらしい。
・春はソメイヨシノの純潔、純潔を売るからああいった意味合いになる。
・夏はひまわりのあなただけを見つめる、売夏は愛する人を手放すことを意味する。
・秋は稲の神聖、売秋は信仰を手放すことを意味する。
・冬は枯葉の憂鬱、売冬は明るい未来に希望を抱き、気持ちを新たにすることを意味する。
・春以外は「売る」という言葉にリンクせずピンと来ないけど、季節が様々な比喩表現に使われるのは、生物の本能、衣食住に密接に関連する、非常に原初的な感覚だと思う。

【終わりに】
海外旅行が好きで、大人になってから歴史について調べる機会が増えたけど、当たり前に日常の中で見て感じている事象についても、調べてみると全然理解していなかったと、改めて思いました。
物理も歴史も文化も宗教も、どこから調べても全てはリンクしている。
それは当たり前かもしれないけど、学校ではジャンルにとらわれない横断的な教えた方はしないし、人に教えられても実感は湧かないので、自分の疑問と向き合い、追求することは、世界を再発見できる気分になれる。
ただそれも、義務教育による基礎知識があるからこそ、だとは思うので、学校の勉強って大事だなぁ…と改めて。

【参考サイト】
・https://www.naganomathblog.com/entry/archives/2528
・https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=61509?pno=2&site=nli#anka1


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