はじめて『伊藤若冲』の作品に触れてみて。
本日、2月11日は『建国記念の日』。
もとは神武天皇の即位日を祝う『紀元節』が由来で、戦後に一度廃止されますが、復活を願う多くの声が届き、
審議を重ねた結果1966年に「建国をしのび、国を愛する心を養う日」という意味が込められた『建国記念の日』が改めて制定されました。
”日本に生まれてよかった”
そう感じることは日常の至るところでありますが、
改めて今の日本が存在していることを、そして今日にいたるまで重ねてきた歴史を、深く敬い、感謝の気持ちで過ごしたいと思います。
そんな今日は、珍しく日の出と共に目が覚めました。
東京は昨日と打って変わり、雲一つない快晴。
気持ち良いお出かけ日和に、私は出光美術館で開催中の企画展
『江戸絵画の華 〈第1部〉若冲と江戸絵画』へ
行ってまいりました。
第一部は明日が最終日。
どの日も予約が満席のため諦めていたのですが、早朝にダメ元で本日の予約状況を確認したところ、午前の時間に一つ空きを発見!
すぐに予約をしてすべり込みで行けることになり、大慌てで支度をして日比谷へと向かいました。早起きはやっぱり三文の徳ですね。
はじめての伊藤若冲
今回人生ではじめて「伊藤若冲」の作品に触れました。
想像以上に自由な構図、自由なタッチ、その斬新さに驚かされ、
しかし恐ろしく緻密で、圧倒されるほどの細やかさ、美しい筆遣い、色彩の魔術。
描かれている動植物たちの生き生きとした様に、一つ一つ魅入ってしまいました。
画像素材が見つけられなかったのですが、今回の展示で個人的に一番印象的だったのは、三つの掛け軸(三幅対)に描かれた水墨画『鯰・双鶴図』。
若冲が40代の頃の作品で、左右に鶴、中央に鯰(なまず)が描かれており、その鯰の、水に墨を落としたような大胆な描き方、そして水面を静かに泳ぐその様に "生命" を強く感じられ、大変好ましく、直感的に「強く惹かれる作品だな」と感じました。
若冲が描く生き物たちは、どこか愛らしさ、可愛らしさを感じる物が多く、この方は生命対してに深い愛情を持って描いていたのかなと、そのお人柄に対する想像も掻き立てられました。
『鳥獣花木図屏風』
(画像がなかったので、こちらの記事を引用させていただきます。)
今回の展示でひと際存在感を放っていたのが、この『鳥獣花木図屏風』。
「桝目描き」と呼ばれる、約1cm四方の無数の枡目で表現されたこの作品は、日本美術史の中でも異色を放っているそうです。
たくさんの動物たちが描かれ、まるで楽園を見ているかのような気持ちに。
屏風を離れて見る程、絵の中にかなりの奥行きを感じられ、まるで動物たちとリアルに対面しているような、とても不思議な気持ちになりました。
若冲は「草木国土悉皆成仏」(”存在するすべての原始物質は、同じであり、すべてに仏性が宿る” という仏教の考え方)を大切にしたと言われていますが、
実際に作品を目にしてみて、筆遣いから感じる生命への純真な敬意の念と、慈愛のような温かみが滲んでいるように私には感じられ、その人間性への興味も非常に高まりました。
最後に。
若冲の他にもたくさんの作品が展示されていましたが、書ききれなくなってしまったので、今日はここまでにしておきます。
「江戸絵画の華」展は、2月21日から『〈第2部〉京都画壇と江戸琳派〉』
が開催されるので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
すべり込みでしたが、行くことができて本当に良かったと心から思える、刺激的で充実した時間となりました。
では、今日はこの辺で。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます!
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