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”進む”、とは。

流されるまんま 流されたら
抗おうか 美しい鰭で

先月発売されたスピッツ46枚目のシングルとなる、
『美しい鰭(ひれ)』サビの一節。

以前も少し記事で触れましたが、今年の「劇場版名探偵コナン」の主題歌として起用されたことでも話題になった曲です。


”抗おうか 美しい鰭で”

この曲を初めて聴いた時にすごくはっとさせられ、何度聴いてもこのサビの歌詞には、特別強く胸を打たれてしまいます。


”抗う”は、『大変なこと』『苦しいこと』ネガティブなことだと思ってどこか忌避する自分がいましたが、
優しいメロディと歌声で「抗おうか」と、ぽんっと、軽やかに肯定されるような言葉を投げかけられ、
海を泳ぐ時に水の抵抗を感じながら進むあの感覚を強く思い出し、”進む”ということは、”抵抗”と共にあるのだということを、優しく確認させてくれた一節でした。




また曲のタイトルにもなっている”美しい鰭”という言葉も、素敵だなといつも感じます。

私たち人間ですと、この鰭にあたる部分はどこだろう?

ふとそんな疑問も湧いてきて考えてみたのですが、
私的には腕より「足」かな、という結論がでました。

特に骨盤のあたりは、一歩足を踏み出す時の歩幅も早さも、そして方向も、進むための”一番最初”を担ってくれている場所な気がするので、
今まで何気なく歩いてしまっていましたが、足に対する感謝もこの歌から思い出させてもらった気がします。
(草野さんはきっとそんな意図で作詞されたわけではないと思いますが。笑)



こんなことを考えていると、妙に自分の体のことが気になってきて。

ふと、ある日何とはなしに触った、”階段を下りる自分の背中の感覚”も思い出されてきました。

みなさんは歩いている時や階段の上り下りの時、自分の背中に触ったことはあるでしょうか?

毎日毎日、当たり前のように足を使って歩いていますが、私はその時背中を触って非常に驚いてしまいました。

一歩踏み出すたびに背骨は大きく動き、背筋は左右でバランスを取るために忙しなく力み、緊張の点が絶えず移動していることが、手のひらに強く伝わってきたのです。

「あ、私、支えられているんだ。」

唐突にそんな至極当たり前の事実が肚にすとんと落ちてきて、
ずっと一人で立っていると思っていたのに、”支えてもらっていた”ことを思い知らされた気持ちになったのでした。


体だけじゃなく、きっとまだ気づいていない多くのことに支えられて私は生きていて、それは前だけ見ていても気づくことはできないのかも、とはっとしたのを鮮明に覚えています。


大海原と一緒で人の世も、流され、揉まれ、抗ってはまた戻され、それでも前に進んで行く。
時には自分の鰭の美しさを思い出し自分を労わったり、時には後ろを振り返りその歩みの逞しさを感じたり、そうやって人って生きているのかもしれない。

壊れる夜もあったけれど 自分でいられるように

この曲の最後の一節に、また胸がじんわりしてしまいます。

”自分でいられるように”

色々書きましたが、今日言いたかったのはこの言葉に全部詰まっているみたいです。



すごく良い曲なので、良かったらぜひ聴いてみてください♪

何だかまとまりのない文章になってしまったので、今日はこの辺で。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。


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