子どもの頃の夢を叶えに、日野へ。新選組ゆかりの地巡り。
4年前、私は東京へ移住するにあたり、
”やりたいことリスト”
を作成していました。
何十個と項目を書きましたが、実は概ね達成していて、かなり充実した4年を送っていたことに改めて気付かされます。
しかし最近見返してみて、その中で一つ、大きなやり残しを発見してしまいました。
「日野に行く」
これは今の私というより、小学生の私がずっと抱いていた夢。
東京都日野市は23区から結構離れているため、訪れる機会がなくずっと後回しにしていましたが、
せっかく東京で身軽に動ける時期なので、先週の日曜日、ついに遊びに行ってくることにしました。
新選組ゆかりの地を巡る旅
何故「日野」なのかと言いますと、
新選組・土方歳三の出生地が武蔵国多摩郡、現在の日野市にあたり、新選組ゆかりの地だからです。
そう、小学生の私は「幕末」にのめり込んでいました。
それまで世界史に夢中でしたが、新選組をきっかけに日本史の面白さに目覚め、それ以来日本の歴史や文化に対する関心が非常に高まりました。
今でも特に江戸時代が好きなのは、当時の影響が大きいように思います。
(転職先を関東にしたのも、 ”かつての江戸の地である” というのが理由の一つ。笑)
ということで、今回は新選組の副長「土方歳三」のゆかりの地を巡る旅へ行ってみようと思います。
少し長いのですが、よろしければお付き合いください。
高幡不動尊金剛寺
新宿から京王線で30分程。
まずは土方歳三の菩提寺である「高幡不動尊金剛寺」をお参りしてきました。
日野八坂神社
高幡不動駅から再び30分程電車に揺られ、いざ日野へ。
最初に訪れたのは日野駅の近くにある「日野八坂神社」
ここには近藤勇、沖田総司など天然理心流の剣士らが奉納した剣術額があるそうです。(5月と9月のお祭りで公開されるとのこと。)
新選組のふるさと歴史館
続いて市が運営する資料館へ。
地図では徒歩12分と、そこまで離れていないように思ったのですが、10分程きつい傾斜を登ることとなり、とても良い運動になりながら資料館へ。
ここでは日野と新選組の関りを学ぶことができます。
甲州街道の5番目の宿場町である「日野宿」が日野市の前身。
生活感が滲む歴史的資料などを目にすると、本当に江戸時代ってあったんだなと、感慨深い気持ちになりました。
この資料館で印象的だったのは、天然理心流剣術の技の紹介が細かく見られたこと。この流派は、現在でも習うことができるそうです。
日野宿本陣
私がこの日一番楽しみにしていたのが、ここ。
都内で唯一残る江戸時代に建てられた本陣建物です。
(「本陣」とは、大名や旗本など身分の高い人々が宿泊するための施設。)
日野宿組合名主である佐藤彦五郎は土方歳三の義兄にあたり、ずっと新選組の支援をされていたそうです。
近藤勇の養父が天然理心流の3代目にあたり、道場「試衛館」を新宿市谷に創建するのですが、佐藤彦五郎もその門人であり、日野にも出稽古用の道場を造られたそうです。
恐らくこの辺りの交流が、のちの新選組へと繋がっていくのでしょう。
(試衛館には、近藤、土方、沖田など、新選組の中核を担う多くの名前が残っています。)
土方歳三は新選組副長として京都で活動している時期も、所用で江戸を訪れた際に日野宿へ足を運んだことがあるそうです。
そして、幕末。
鳥羽・伏見の戦いに敗れた彼らは、日野宿本陣で休憩を取ったと記録が残っています。最後の日野の滞在。
その二か月後に、近藤勇は捕らえられ、斬首されます。
この辺りの史実は、年表を追うだけでも、数日単位であまりに多くのことが起こっており、激動の時代であったことが窺えます。
どの視点で見るかによって見え方が大きく異なるので、歴史は面白くもあり、苦しい気持ちにもなりますね。
土方歳三は、多くの悲しい知らせ受けながらも、北へ北へと進んで行き、最期は北海道の箱館で命を落としました。
箱館の地で、土方歳三が小姓・市村鉄之助へ、遺品を託し日野へと送り出した話は有名ですが、この部屋は実際に2年ほど彼が匿われていた場所だそうです。
その後、実家の大垣に戻られたそうですが、病のため20歳の若さでこの世を去ったと記録が残っています。
貴重はお話をたくさん聞くことができ、とても有意義な時間となりました。館長さんもたくさんお話をしてくださり、細やかな言い伝えなども教えていただくことができました。
文字や資料での勉強も大切ですが、細かいニュアンスなどはなかなか残らないので、人から人へ、”伝聞する” ことの大切さも、教わったような気がします。
日曜日にだけ開いている二つの資料館
日野宿本陣の近くには、子孫の方が運営されている私設資料館が二つあり、毎週日曜日に開館すると聞いてこちらも行ってみることに。
佐藤彦五郎新選組資料館
先ほどの、日野宿本陣の名主である佐藤彦五郎の資料館。
土方歳三や近藤勇が彼へ宛てた直筆の手紙などが展示されています。
貴重なものが多く、こじんまりとしたスペースでしたが見ごたえは十二分。
こちらも館長さんがたくさん話を聞かせてくださり、伝え聞いている内容から、その人物像なども感じることができました。
井上源三郎資料館
同じく日野出身で、土方らと同門の新選組6番隊組長である井上源三郎の資料館。
こちらも同じく館長さんが色々なことを解説してくださり、大変貴重な時間となりました。
これは訪れた場所全てで感じたことでしたが、
「色々知ってもらいたい」と、大きな愛を持って皆さん接してくださり、歴史に触れることの楽しさを改めて感じられる一日でした。
最後に。
歴史は私にとって、学ぶというより「楽しく触れるもの」という感覚ですが、その大きな基礎を作ってくれたのが新選組であり、幕末の歴史です。
「日野」という地名に漠然とした憧れを抱き、いつか行ってみたいなぁと、小学生の私が強く思ったことは今でもよく覚えています。
20年越しに自分の夢を叶えてみて、行って良かったと心から思うと同時に、今を生きる現在が、多くの出来事の上で成り立っていることを改めて嚙みしめる一日となりました。
憧れの地、日野。
この日のことを、きっと私は忘れないでしょう。
では、長くなってしまったのでこの辺で。
最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございます!
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